建設リサイクル法とは?目的・対象工事・手続きの基本をわかりやすく解説

建設工事では、コンクリートや木材など多くの廃棄物が発生します。これらを適切に分別し、再資源化するために定められているのが、建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)です。
なお、一般的には「建設廃材」という言葉が使われることもありますが、法令上は「建設資材廃棄物」や「建設副産物」といった用語が用いられます。
本記事では、建設リサイクル法の目的から対象工事、実務の流れまでを分かりやすく解説します。
建設リサイクル法の概要と目的
建設リサイクル法は、建設廃棄物の増加や最終処分場の不足、不法投棄といった問題を背景に制定されました。
建設業は産業廃棄物の中でも排出量が多く、特に以下のような資材が大きな割合を占めています。
- コンクリート塊
- アスファルト・コンクリート
- 木材
これらを適切に処理しない場合、環境負荷の増大や不適正処理につながる恐れがあります。
建設リサイクル法の目的は、単なる規制ではなく次の点にあります。
- 分別解体を義務化する
- 再資源化を促進する
- 循環型社会の形成を進める
つまり、「混ぜて壊す」のではなく「分けて再利用する」という考え方への転換が本質です。
建設リサイクル法の基本ルール
建設リサイクル法の実務は、以下の3つを軸に成り立っています。
- 対象工事かどうかの判断
- 分別解体等の実施
- 再資源化等の実施
さらに、これらに加えて届出や契約内容の明確化が求められます。
特に重要なのは、現場での分別精度がリサイクル品質とコストを左右する点です。混合廃棄物になると再資源化が困難になり、結果として処分費が増加します。
分別解体等と再資源化等の考え方
対象工事では、分別解体と再資源化が義務付けられています。
分別解体等
資材ごとに分けながら解体し、混合を防ぐ作業です。
再資源化等
分別した資材をリサイクルすることを基本とし、法令上は再資源化に加えて縮減(減量化)も含む概念です。
ただし、実務上は可能な限り再資源化を行うことが前提とされています。
例えば、
- コンクリート → 再生砕石
- 木材 → チップ化
- アスファルト → 再生舗装材
といった形で再利用されます。

関係者ごとの責務
建設リサイクル法では、関係者の役割が明確に定められています。
発注者
- 届出の実施(原則)
- 必要な費用の負担
元請業者
- 発注者への説明
- 分別解体・再資源化の管理
- 完了報告
解体工事業者
- 分別解体の実施
特に元請業者は全体管理の責任を負うため、契約内容や処理ルートの明確化が重要です。
対象となる建設工事の範囲
すべての工事が対象ではなく、一定規模以上の工事が対象となります。
主な基準は以下の通りです。
- 建築物の解体:床面積80㎡以上
- 建築物の新築・増築:床面積500㎡以上
- 修繕・模様替:請負金額1億円以上
- 工作物:請負金額500万円以上
これらに該当し、かつ特定建設資材を使用している場合に対象となります。

特定建設資材とは
分別・再資源化の対象となる資材は、以下の4種類です。
- コンクリート
- コンクリート及び鉄から成る建設資材
- 木材
- アスファルト・コンクリート
これらは排出量が多く、リサイクルルートが確立されているため、法律上の対象とされています。
分別解体の流れ
分別解体は、以下の流れで進みます。
1. 事前計画
資材の種類や配置を把握し、分別方法・工程を設計します。
2. 現場での分別
資材ごとに分けながら解体し、混合を防ぎます。
3. 搬出・再資源化
分別した資材をリサイクル施設へ搬入します。
4. 記録管理
写真や搬出情報を記録し、適正処理を証明できる状態にします。
特に重要なのは、処理先の受入基準を事前に確認することです。これにより手戻りや追加費用を防げます。

届出手続きの流れ
対象工事では、事前に届出が必要です。
- 提出期限:工事着手の7日前まで
- 届出者:原則として発注者
提出内容は以下の通りです。
- 工事概要
- 分別解体計画
- 再資源化方法
- 工程
実務では元請業者が書類作成を支援するケースが多く、早期対応が重要です。
自治体ごとの運用の違い
建設リサイクル法は全国共通の制度ですが、運用は自治体ごとに異なります。
- 書類様式
- 電子申請の可否
- 添付資料
そのため、工事前に管轄自治体へ確認することが重要です。
実務で押さえるべきポイント
実務で重要なポイントは以下の通りです。
- 早期に対象工事か判断する
- 分別・再資源化費用を契約に明記する
- 処理先の受入基準を確認する
- 現場で分別ルールを徹底する
- 記録を残す
建設リサイクル法は手続きの法律ではなく、現場品質を高めるための仕組みです。
建設リサイクル法に関するよくある質問
Q1. 建設リサイクル法とは何ですか?
建設工事で発生する資材を分別し、再資源化することを義務付けた法律です。
正式名称は建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律で、建設廃棄物の削減とリサイクル促進を目的としています。
Q2. すべての工事が対象になりますか?
いいえ、一定規模以上の工事のみ対象です。
具体的には、解体工事なら床面積80㎡以上などの基準があり、規模が小さい工事は対象外となります。
Q3. 届出は誰が行う必要がありますか?
原則として発注者が行います。
ただし実務では、元請業者が書類作成や提出を代行するケースが多く見られます。
Q4. 届出はいつまでに必要ですか?
工事着手の7日前までに提出が必要です。
期限を過ぎると工事開始に影響が出るため、早めの準備が重要です。
Q5. 分別解体とは何ですか?
資材ごとに分けながら解体する作業のことです。
コンクリートや木材などを混ぜずに分別することで、再資源化しやすくなります。
Q6. 再資源化等とはどういう意味ですか?
廃材をリサイクルすることを中心とした処理のことです。
原則は再利用ですが、やむを得ない場合には減量化(縮減)も含まれます。
Q7. 対象となる資材には何がありますか?
主に以下の4種類です。
- コンクリート
- コンクリート及び鉄から成る建設資材
- 木材
- アスファルト・コンクリート
これらは「特定建設資材」と呼ばれます。
Q8. 分別をしないとどうなりますか?
法令違反となる可能性があります。
また、再資源化ができず処分費用が増加するなど、コスト面でも不利になります。
Q9. 小規模工事でも分別は必要ですか?
法律上の義務がなくても分別は推奨されます。
実務上は処理費削減や環境配慮の観点から、規模に関係なく分別するケースが増えています。
Q10. 建設廃材と建設資材廃棄物は違いますか?
意味はほぼ同じですが、法令上の正式名称は建設資材廃棄物です。
「建設廃材」は一般的な呼び方として広く使われています。
Q11. 元請業者の責任はどこまでありますか?
分別解体や再資源化の実施・管理全体を担います。
発注者への説明や完了報告も含め、最も重要な責任を持つ立場です。
Q12. 自治体によってルールは違いますか?
基本的な制度は同じですが、運用は異なります。
届出様式や提出方法が異なるため、事前に管轄自治体へ確認する必要があります。
Q13. 分別解体をうまく進めるポイントは何ですか?
事前計画と処理先の確認が最も重要です。
受入基準に合わせた分別計画を立てることで、手戻りや追加費用を防げます。
Q14. 建設リサイクル法を守るメリットはありますか?
法令順守だけでなくコスト削減にもつながります。
適切な分別により再資源化が進み、処分費用の抑制や企業評価の向上にも寄与します
まとめ
建設リサイクル法は、建設資材廃棄物の分別と再資源化を推進する重要な制度です。対象工事では、分別解体・再資源化・届出といった一連の流れを正しく実行する必要があります。
特に重要なのは以下の通りです。
- 対象工事の早期判断
- 分別解体を前提とした計画
- 記録と管理の徹底
これらを実践することで、法令順守だけでなく、コスト削減やトラブル防止にもつながります。
建設現場における基本知識として、正しく理解しておきましょう。
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[著者]

経歴:2019年にエコブレインに入社。以降5年間、広報部での経験を活かし、環境保護の重要性を広めるための活動に尽力している。特にデジタルマーケティングとコンテンツ制作に強みを持ち、多くの記事を執筆している。
趣味: 読書、ヨガ、カフェ巡り
特技: クリエイティブライティング、データ分析とマーケティング戦略立案












