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廃グリスは産業廃棄物? 廃油との違いと処分方法を解説

2026/02/24

廃グリスとは、機械設備や車両などの潤滑に使用した後、劣化や汚染によって不要になったグリスです。事業活動から発生した廃グリスは、原則として産業廃棄物の「廃油」に該当するため、許可業者への委託やマニフェストによる管理が必要です。

ただし、溶剤、金属粉、水分、ウエスなどの混入状況によって、処理方法や受入条件が変わります。本記事では、廃グリスと廃油の違い、特別管理産業廃棄物になる条件、処理方法、保管方法、費用を抑えるポイントまで解説します。

廃グリスとは

廃グリスとは、設備や車両のメンテナンスによって取り除かれ、使用できなくなったグリスです。

グリスは、基油に増ちょう剤や添加剤を加えた半固体状の潤滑剤です。ベアリング、ギア、チェーン、車両のシャーシなど、液状の潤滑油では流れ落ちやすい場所に使用されます。

使用を続けると、金属粉、ほこり、土砂、水分などが混ざり、潤滑性能が低下します。定期交換や部品清掃によって取り除かれたものが廃グリスとなります。

見た目は固形物に近い場合もありますが、油分を主体とする使用済み潤滑剤であるため、事業活動から発生したものは原則として産業廃棄物の廃油として扱います。

廃グリスと廃油の違い

廃グリスは、産業廃棄物の区分では廃油に含まれるのが基本です。

廃油とは、事業活動に伴って不要になった鉱物性油、動植物性油、潤滑油、切削油、洗浄油、溶剤などを指します。液状のエンジンオイルや機械油だけでなく、油分を主体とする半固体状のグリスも対象になります。

ただし、廃グリスに金属くず、土砂、ウエス、吸着材などが多く混ざっている場合は、廃油とほかの産業廃棄物が混在するものとして、複数品目の確認が必要になることがあります。

異物が少し混ざっただけで、必ず複数品目に分類されるわけではありません。発生工程、混入物の種類や割合、処理施設の受入基準をもとに判断します。

区分を自己判断すると、契約内容との不一致、受入拒否、追加費用などにつながる可能性があります。使用していた製品名、SDS、発生工程、混入物を整理し、委託先へ事前に伝えることが重要です。

廃グリスが発生しやすい事業所

廃グリスは、機械や車両を使用する幅広い事業所から発生します。

製造工場では、ベアリング、ギア、チェーン、搬送設備などの定期給脂や部品交換によって排出されます。自動車整備工場では、シャーシやハブ周辺の整備、運送会社や物流倉庫では、トラックやフォークリフトのメンテナンスによって発生します。

建設現場でも、油圧ショベル、クレーン、ホイールローダーなどの重機を整備する際に廃グリスが出ます。

発生場所によって、混ざりやすい異物も異なります。工場設備では金属粉や切削粉、屋外の重機では土砂や雨水、自動車整備では油泥や清掃用ウエスの混入に注意が必要です。

食品工場で使用する食品機械用グリスも、使用後に不要となれば産業廃棄物として処理します。食品グレードであることを理由に、一般ごみや食品残さとして処分することはできません。

特別管理産業廃棄物になる場合

通常の廃グリスは一般の産業廃棄物ですが、引火性や有害性が高い場合は特別管理産業廃棄物に該当する可能性があります。

廃油のうち、揮発油類、灯油類、軽油類に相当する燃焼しやすいものは、引火性廃油として特別管理産業廃棄物に分類されます。引火点70℃未満であることが判断基準の一つです。

例えば、設備の洗浄や脱脂に使用したシンナー、燃料、洗浄溶剤などが廃グリスに混入すると、引火性が高まることがあります。

ただし、溶剤が混ざっただけで自動的に特別管理産業廃棄物になるわけではありません。元の製品情報、発生工程、混入物、引火点などを確認して判断します。

PCBを含む廃油などは、特定有害産業廃棄物として、通常の廃油とは異なる厳格な管理が必要です。危険性が疑われる場合は、通常廃油として自己判断で搬出せず、対応可能な処理業者へ相談します。

廃グリスの主な処理方法

廃グリスの処理方法は、油分、水分、異物、溶剤などの含有状況によって決まります。

油分が多く、水分や異物が少ない廃グリスは、不純物を分離し、再生燃料などとして利用できる場合があります。この処理方法が燃料油化です。

一方、水分、土砂、金属粉、増ちょう剤などが多く、再生利用が難しいものは、焼却処理に回されることがあります。焼却時に発生した熱を発電、蒸気、温水などに活用する処理は、サーマルリサイクルまたは熱回収と呼ばれます。

単に焼却するだけでは、必ずしもサーマルリサイクルには該当しません。実際に熱エネルギーが有効利用されているかを確認する必要があります。

処理施設の設備や受入基準によって、選択できる処理ルートは異なります。見積もりを比較する際は、金額だけでなく、処理方法や再資源化の内容も確認することが重要です。

廃グリスを処分する流れ

廃グリスを処分する際は、性状を整理し、許可業者との契約とマニフェスト管理を行います。

まず、使用していた製品名、発生工程、排出量、保管容器、回収頻度、混入物などを確認します。廃グリスの写真も用意すると、処理業者が受入可否を判断しやすくなります。

次に、廃油を取り扱える産業廃棄物収集運搬業者と処分業者へ相談します。収集運搬業者と処分業者が異なる場合は、それぞれと書面による委託契約を締結し、許可品目や許可地域を確認します。

廃グリスを引き渡す際には、紙マニフェストを交付するか、電子マニフェストへ必要事項を登録します。

排出事業者の責任は、回収を依頼した時点で終わりではありません。マニフェストを通じて運搬や処分の状況を確認し、最終処分まで適正に完了したことを確認する必要があります。

2026年から強化された情報伝達

2026年1月1日から、対象事業者が第一種指定化学物質を含む、または付着した産業廃棄物の処理を委託する場合、委託契約書に対象物質の名称と量または割合を記載する制度が施行されています。

対象となる廃グリスを排出する場合も、使用前の製品情報だけでなく、使用後の性状や混入物を正確に伝える必要があります。

SDSは、使用前の製品に関する成分や危険性を示す資料です。使用後に混ざった金属粉、水分、溶剤などの情報まですべて示すものではありません。

必要に応じて、WDS、発生工程の説明、写真、分析結果などを併用し、実際の廃棄物の性状を処理業者へ伝えます。

廃グリスの正しい保管方法

廃グリスは、漏れや転倒を防止できる耐油性の容器に入れ、フタを閉めて保管します。

屋外で保管する場合は、雨水が入らないよう屋根やカバーを設け、容器の腐食や破損を定期的に確認します。受け皿を設置しておくと、漏えい時の拡散防止に役立ちます。

産業廃棄物の保管場所では、廃棄物の飛散、流出、地下への浸透、悪臭の発生を防止する措置が必要です。周囲に囲いを設け、見やすい場所に縦横60センチメートル以上の掲示板を設置します。

個別の容器に「廃グリス」「廃油」「溶剤投入禁止」などと表示することも、誤投入の防止に有効です。ただし、容器への表示は、保管場所に設置する法定掲示板とは別の管理です。

廃グリスと液状の廃潤滑油を混合できるかは、処理業者の受入基準によって異なります。事前確認なしに混合せず、原則として別々に管理する方法が安全です。

廃グリスの処理費用を左右するポイント

廃グリスの処理費用は、量だけでなく、性状や回収条件によって変わります。

特に、水分、土砂、金属粉、ウエス、吸着材、溶剤などが混ざっていると、分離や焼却の負担が増え、処理費用が高くなる可能性があります。溶剤の混入によって分析や特別管理産業廃棄物としての対応が必要になると、費用と処理期間が増える場合もあります。

見積もりを比較する際は、処分費だけでなく、収集運搬費、容器代、分析費、積込作業費、最低回収料金などを確認します。

問い合わせ時には、次の情報をそろえておくと、受入可否や見積条件を確認しやすくなります。

  • 廃グリスの概算量
  • 使用していた製品名
  • 発生工程
  • 混入物の有無
  • 保管容器の種類と本数
  • 回収場所と搬出条件
  • 廃グリスや保管場所の写真

これらの情報を正確に伝えることで、回収当日の追加費用や受入拒否を防ぎやすくなります。

廃グリスは有価物として売却できる?

廃グリスの品質、異物量、排出量、市況によっては、有価物として買い取られる場合があります。

ただし、買値が付いただけで、直ちに廃棄物ではなくなるわけではありません。廃棄物に該当するかは、物の性状、排出状況、通常の取扱い形態、取引価値、排出者の意思などを総合的に考慮して判断されます。

運搬費や前処理費を排出側が負担する場合や、再利用の実態が明確でない場合は、産業廃棄物としての管理が必要になる可能性があります。有価物として取り扱う場合も、契約内容や実際の取引条件を確認することが重要です。

廃グリスの処分なら
エコ・ブレインにご相談ください

株式会社エコ・ブレインでは、工場、自動車整備工場、物流倉庫、事業所などから発生する廃グリスや廃油の回収・処分に関するご相談を承っています。

廃グリスは、使用していた製品や発生工程、金属粉・水分・溶剤などの混入状況によって、処理方法や受入条件が異なります。自己判断で処分すると、受入拒否や追加費用、契約内容との不一致につながる可能性があるため、事前に性状を確認することが重要です。

エコ・ブレインでは、廃グリスの量や保管状態、発生状況を確認したうえで、適切な回収方法と処理ルートをご提案します。スポット回収だけでなく、継続的に廃グリスが発生する事業所の定期回収についてもご相談いただけます。

廃グリスの分別方法が分からない場合や、廃潤滑油、ウエス、吸着材などの油性廃棄物をまとめて処分したい場合も、お気軽にお問い合わせください。

廃グリスの処分でお困りの際は、エコ・ブレインにご相談ください。

エコブレインでの事例|店舗のグリストラップ清掃

■ご依頼内容

東京都武蔵野市の店舗より、屋外に設置されたグリストラップ槽の清掃をご依頼いただきました。清掃を不定期で行っていたため、槽内に油脂や汚泥がたまり、悪臭が店内まで逆流している状況でした。

■作業内容

営業終了後に、バキュームで槽内の汚泥と汚水を吸引しました。その後、内部をブラッシングしながら水洗いし、発生した汚水を再度吸い上げています。

作業員1名で対応し、現場での作業時間は約1時間半でした。

費用:35,000円

※費用や作業時間は当該事例の内容です。実際の条件は、汚泥の量、槽の大きさ、設置場所、搬出環境などによって異なります。

https://www.ecobrain.co.jp/case-info/detail_40.html

廃グリスに関するよくある質問

工場から出た廃グリスは産業廃棄物ですか?

工場などの事業活動から発生した廃グリスは、原則として産業廃棄物の「廃油」に該当します。自治体の家庭ごみには出さず、廃油を取り扱える許可業者へ処理を委託します。

少量の廃グリスでもマニフェストは必要ですか?

排出量が少量であっても、産業廃棄物の処理を許可業者へ委託する場合は、原則としてマニフェストによる管理が必要です。少量だから不要になる制度ではありません。

廃グリスと廃潤滑油を同じ容器に入れられますか?

混合できるかどうかは、処理業者の受入基準によって異なります。事前確認なしに混ぜると、再生利用ができなくなったり、追加費用が発生したりするため、原則として別々に保管します。

廃グリスにウエスを入れても問題ありませんか?

廃グリスの容器にウエスを入れると、廃油以外の廃棄物が混在する状態になります。処理方法や契約品目が変わる可能性があるため、ウエスや吸着材は別の容器で管理します。

まとめ

事業活動に伴って発生した廃グリスは、半固体であっても原則として産業廃棄物の「廃油」に該当します。

ただし、溶剤、燃料、水分、金属粉、土砂、ウエスなどの混入によって、処理方法や受入条件が変わります。引火性や有害性が高い場合は、特別管理産業廃棄物に該当する可能性もあるため、自己判断による処理は避けなければなりません。

適正処理の基本は、発生工程と性状を整理し、許可業者へ正確な情報を伝えることです。分別保管、委託契約、マニフェスト、処理完了の確認までを一連の業務として管理します。

異物や雨水の混入を防ぎ、処理しやすい状態を維持することが、安全性の向上と処理費用の抑制につながります。

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