【企業必読】金庫の廃棄手順とリスク管理|不法投棄を避けるための実務ポイント

オフィス移転や統廃合、店舗閉店、設備更新などの場面で、「古い金庫をどう処分すべきか分からない」という相談は年々増えています。
金庫は重量物であり、自治体の粗大ごみに出せないケースも多いため、一般的な家具や家電と同じ手順では進められません。
耐火材や金属構造、重量、搬出経路、事業系廃棄物に関する法令など、複数の要素が絡み合うため、事前の理解が欠かせないのが実情です。
この記事では、法人・個人事業主が金庫を適切に処分するために知っておきたい基本知識から、主な処分ルート、費用の考え方、業者選定で注意すべきポイントまで、実務目線で整理して解説します。

自治体で処分できるかどうか
自治体が金庫を収集するかどうかは、「家庭ごみか」「事業系ごみか」「サイズと重量の基準を満たすか」で変わります。多くの自治体では、事業所から排出される金庫は行政収集の対象外としており、事業者は民間の収集運搬業者や処理業者を利用することが求められます。
家庭から排出される小型金庫であれば粗大ごみとして受け付けている自治体もありますが、100kg前後の業務用金庫や、大型の耐火・防盗金庫はほぼ例外なく自治体回収の対象外です。重量物であること、金属・耐火材を含む構造が解体を含む専門処理を必要とすることが主な理由です。
法人が選べる金庫の処理方法
企業が利用しやすい処分ルートは、大きく次の5つです。
● 購入店・メーカーによる引き取り
買い替え時に旧金庫を引き取るサービスは広く行われています。条件は店舗やメーカーによって異なり、サイズ・メーカー・鍵の有無などが判断基準となります。
● 不用品回収業者への依頼
重量物の搬出に慣れているため、オフィスビルや商業施設でも利用しやすい方法です。ただし、階段作業・夜間作業・解錠作業などは追加料金の対象になりやすいため、見積もり時に条件を整理して伝えることが重要です。
● 金庫専門の回収業者
防盗金庫・大型耐火金庫のような特殊構造を安全に搬出できる技術を持っています。費用は一般業者より高めですが、トラブルを避けたい企業には現実的な選択肢です。
● 産業廃棄物処理業者への依頼
金庫の素材が金属くず・がれき類として扱われる場合、産業廃棄物収集運搬業許可を持つ業者が必要となります。マニフェストの発行が可能かどうかは、企業にとって重要な確認事項です。
● 買取・リユース
耐火・防盗性能が規格を満たし、外観・鍵回りが問題ない金庫は、買取店・リユース店が引き取ることもあります。ただし、運搬コストがかかる大型金庫は買取不可となることが多い点に注意が必要です。

処分費用の考え方
金庫の処分費用は、要素で大きく変動します。
- 種類(耐火・防盗)
- サイズ・重量
- 設置場所(階段・エレベーター)
- 解錠の必要性
- 作業時間帯
などが挙げられます。
小型金庫の場合は数千円台から、大型の業務用金庫では1台数万円規模になるケースもあります。
相見積もりを取ることで、費用とサービス内容の妥当性を比較できます。
処分前に確認しておきたいこと
金庫の処分には、事前準備が欠かせません。特に次の点は必須です。
まず、中身の確認は重要です。現金・通帳・重要書類など、思わぬものが出てくることがあるため、複数名でダブルチェックする企業も多いです。また、鍵が残っているかどうかも確認する必要があります。鍵があれば解錠費用を抑えられますが、鍵が無い場合は鍵業者への依頼が必要になり、追加費用が発生することがあります。
型番・製造年も重要です。耐火性能の目安として「製造から20年」が広く用いられるため、見積もり時に伝えることで適切な判断につながります。設置場所や搬出経路の情報(階段の段数・エレベーターの有無など)も正確な見積もりには欠かせません。
業者選定で押さえておきたいコンプライアンス
依頼する業者が適法に処理を行っているかどうかは、企業のリスク管理上非常に重要です。特に、産業廃棄物として処理する場合は、収集運搬業許可・処分業許可の有無や、マニフェストの発行が可能かどうかを確認しましょう。
また、見積もりの内訳が明確であること、会社所在地や連絡先が確認できること、契約書を交わすことなどもトラブル防止に役立ちます。金庫の不法投棄は排出事業者側にも責任が及ぶ恐れがあるため、処分フローの透明性が確保されているかは必ずチェックしておくべきポイントです。

処分のタイミング
金庫は長期間使用できる設備ですが、耐火性能の観点から「製造から20年」を目安に更新を検討する企業が増えています。鍵やダイヤルの不具合、メーカーの部品供給終了、オフィスレイアウトの変更なども、処分・買い替えを判断するタイミングになります。
【法人向け】金庫の処分方法に関するよくある質問
Q1. 事業所で不要になった金庫は自治体の粗大ごみとして出せますか?
A. 多くの自治体では「事業系ごみ」に該当するため、事業所からの金庫は行政収集の対象外です。
家庭から排出される小型金庫のみ粗大ごみとして受け付けている自治体もありますが、業務用金庫・大型金庫はほぼ例外なく自治体では処分できません。
事業者は、不用品回収業者・金庫専門業者・産業廃棄物処理業者など、民間の処理ルートを利用する必要があります。
Q2. 金庫の処分にはどれくらいの費用がかかりますか?
A. 金庫の種類・重量・搬出経路・鍵の有無などによって費用は大きく変動します。
目安としては以下
- 小型金庫:数千円〜
- 業務用・大型金庫:1〜5万円前後
- 階段作業・夜間作業・クレーン作業等:追加料金
正確な費用を把握するには、複数業者からの相見積もりが不可欠です。
Q3. 鍵を紛失してしまった金庫でも処分できますか?
A. 可能です。ただし、処分前に解錠作業が必要なケースが多く、開錠費用が追加で発生します。
業者によっては解錠から搬出・処分まで一括で対応してくれるため、鍵がない場合は「鍵の紛失」情報を見積もり時に必ず伝えるのがポイントです。
Q4. 古い金庫にアスベストが使われている可能性はありますか?
A. 一部の古い金庫では耐火材にアスベストが使用されていた事例があります。
製造年や型番によって状況が異なるため、自己判断で解体するのは危険です。
アスベストの可能性がある場合は、専門業者に相談し、安全な処理ルートを選ぶことが求められます。
Q5. 金庫の中身を確認せずに引き渡しても問題ありませんか?
A. 必ず中身を確認してください。
企業では、契約書、印鑑、現金。顧客情報や機密文書などが「入れっぱなし」になっているケースが多く、処分後に発覚すると重大なトラブルにつながります。
最低でも複数人でダブルチェックする体制がおすすめです。
Q6. どの業者に依頼すれば安全に処分できますか?
A. 金庫の種類によって適切な業者が異なります。
- 小型〜中型金庫
不用品回収業者でも対応可能。 - 大型・防盗・重量金庫
金庫専門業者または産業廃棄物処理業者が安全。 - 産業廃棄物として扱う場合
収集運搬許可・処分業許可を持つ業者を選ぶ必要があります。
コンプライアンス上、マニフェストの発行可否・廃棄証明の有無も重要な評価ポイントです。
Q7. 金庫は売却できますか?
A. 状態・型番・製造年によっては売却可能です。
耐火性能・防盗性能が現行基準を満たしている場合や、人気メーカーのモデルは買取対象になることがあります。
ただし、大型金庫は運搬コストの問題から買取対象外になるケースが多い点に注意してください。
Q8. 金庫を自分で解体して処分してもよいのでしょうか?
A. おすすめできません。危険性が高く、法令上も適切な処理が求められます。
耐火材の粉じん、鋭利な金属片など、重大事故につながる恐れがあります。
また、金庫内部の素材が産業廃棄物に該当する場合、許可業者による処分が必須となります。
Q9. 処分の依頼を行う最適なタイミングはいつですか?
A. 耐火金庫の場合、「製造から20年」が買い替え・処分の目安とされています。
- 鍵・ダイヤルの不調
- 部品供給の終了
- オフィス移転やレイアウト変更
なども見直しのタイミングです。
Q10. 不法投棄が起きた場合、企業側に責任はありますか?
A. はい。排出事業者責任により、業者の不法投棄が発覚すると企業側が罰則対象となる可能性があります。
そのため、以下のような処分フローの透明性を重視して業者を選ぶことが不可欠です。
- 許可の有無
- 契約書の締結
- 破壊証明・マニフェストの管理 など
まとめ
金庫の処分は重量・構造・法令・安全性が関係するため、家庭ごみと同じ感覚では進められません。自治体のルール、金庫の種類、製造年、搬出条件などを整理し、購入店・専門業者・産廃処理業者・買取など複数のルートを比較検討することが重要です。
企業としては、費用だけでなくコンプライアンス・安全性・情報管理の観点から総合的に判断し、適切な業者を選定することが求められます。長年使ってきた金庫がある場合は、これを機に状況を見直し、適切な処分・入れ替えを検討してください。

エコ・ブレインでは、東京23区をはじめ東京都含めた関東圏はもちろん、埼玉県、神奈川県、千葉県、今まで築いてきた全国各地の協力ネットワークもフル活用し、北海道から沖縄まで日本全国が対応エリアとしています。
廃棄物の分別も弊社が行いますので、分別の仕方が分からないという方もご安心ください!
エコ・ブレインの対応地域例
[東京エリア]
中央区、千代田区、文京区、港区、新宿区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区、渋谷区、中野区、杉並区、練馬区、板橋区、豊島区、北区、台東区、墨田区、江東区、荒川区、足立区、葛飾区、江戸川区
八王子市、立川市、武蔵野市、三鷹市、青梅市、府中市、昭島市、調布市、町田市、小金井市、小平市、日野市、東村山市、国分寺市、国立市、福生市、狛江市、東大和市、清瀬市、東久留米市、武蔵村山市、多摩市、稲城市、羽村市、あきる野市、西東京市、西多摩郡、瑞穂町、日の出町、檜原村、奥多摩町
[埼玉エリア]
さいたま市(西区、北区、大宮区、見沼区、中央区、桜区、浦和区、南区、緑区、岩槻区)
川越市、熊谷市、川口市、行田市、秩父市、所沢市、飯能市、加須市、本庄市、東松山市、春日部市
狭山市、羽生市、鴻巣市、深谷市、上尾市、草加市、越谷市、蕨市、戸田市、入間市、朝霞市
志木市、和光市、新座市、桶川市、久喜市、北本市、八潮市、富士見市、三郷市、蓮田市
坂戸市、幸手市、鶴ヶ島市、日高市、吉川市、ふじみ野市、白岡市
[神奈川エリア]
横浜市(鶴見区、神奈川区、西区、中区、南区、保土ケ谷区、磯子区、金沢区、港北区、戸塚区、港南区、旭区、緑区、瀬谷区、栄区、泉区、青葉区、都筑区)
川崎市(川崎区、幸区、中原区、高津区、多摩区、宮前区、麻生区)
相模原市(緑区、中央区、南区)
横須賀市、平塚市、鎌倉市、藤沢市、小田原市、茅ヶ崎市、逗子市、三浦市、秦野市、厚木市
大和市、伊勢原市、海老名市、座間市、南足柄市、綾瀬市
[千葉エリア]
千葉市(中央区、花見川区、稲毛区、若葉区、美浜区、緑区)
銚子市、市川市、船橋市、館山市、木更津市、松戸市、野田市、茂原市、成田市、佐倉市
東金市、旭市、習志野市、柏市、勝浦市、市原市、流山市、八千代市、我孫子市、鴨川市
鎌ケ谷市、君津市、富津市、浦安市、四街道市、袖ケ浦市、八街市、印西市、白井市、富里市
南房総市、匝瑳市、香取市、山武市、いすみ市、大網白里市
その他上記以外の地域も駆けつけます!
ごみの処分など廃棄物関連にお困りの方、疑問がある方など、ぜひエコ・ブレインまでお問い合わせください!

[著者]

経歴:2019年にエコブレインに入社。以降5年間、広報部での経験を活かし、環境保護の重要性を広めるための活動に尽力している。特にデジタルマーケティングとコンテンツ制作に強みを持ち、多くの記事を執筆している。
趣味: 読書、ヨガ、カフェ巡り
特技: クリエイティブライティング、データ分析とマーケティング戦略立案











