【2025年最新版】業務用発泡スチロールの処分はどうする？産業廃棄物としての捨て方とリサイクル方法を解説

【企業が守るべきルールとコスト削減の実践方法】

発泡スチロールは、軽量で断熱性・衝撃吸収性に優れ、食品や精密機器の梱包、保冷容器など、幅広い業種で大量に使用されています。
しかし、事業活動から排出される発泡スチロールは、家庭ゴミと同じ方法では捨てられず、適切な処理方法や法令に基づいた対応が求められます。また、発泡スチロールは再資源化しやすい素材であり、適切に管理すればリサイクルによるコスト削減や企業価値の向上も期待できます。

本記事では、業務用発泡スチロールの法律上の扱い、安全な処理手順、リサイクルの仕組み、委託時の注意点、コスト最適化につながる方法をわかりやすく解説します。

発泡スチロールは産業廃棄物？法律上の扱い

発泡スチロールは合成樹脂を原料としたプラスチック製品で、廃棄物処理法では「廃プラスチック類」に分類されます。これが事業活動によって排出された場合、多くのケースで「産業廃棄物」として扱われます。

ただし、以下のような例では「事業系一般廃棄物」として自治体が収集する場合もあります。

• 少量・事務所などで排出された梱包材
• 通常のごみ袋に入る程度で汚れの少ない発泡スチロール
• 自治体が要件を設けて事業系一般ゴミとして扱う場合

たとえ事業系一般廃棄物として扱える場合でも、勝手に家庭ごみの集積所に出すことはできません。
正しく区分し、自治体や許可業者に確認した上で処理する必要があります。

家庭ごみとの違いと注意点

家庭から排出される発泡スチロールは、資源ごみやプラスチックごみとして自治体回収の対象になることが多いですが、事業活動で排出されたものはその対象外になるのが一般的です。事業ゴミを家庭ゴミと同じ方法で廃棄すると、不適正処理と判断され、指導や罰則の対象になる可能性があります。

事業者は以下の点を理解しておくことが重要です。

• 家庭系と事業系では回収ルールが異なる
• 発泡スチロールは基本的には産業廃棄物として扱われる
• 排出者（事業者）には適正処理責任がある
• 自治体・業者選定時に処理区分の確認が必要
  
  

業務用発泡スチロールの正しい処理手順

業務用発泡スチロールを適切に処理するための基本的な流れは以下の通りです。

① 異物除去・分別

食品残渣・油・ラベル・ガムテープ・金属・紙などの異物が付着しているとリサイクルの妨げになります。汚れがひどいものは分別し、洗浄可能なものは可能な範囲で清掃しておくとリサイクルしやすくなります。

② 保管と圧縮

発泡スチロールは非常にかさばるため、保管スペースや運搬コストの課題があります。大量に排出する事業所では、圧縮減容機や溶解装置を導入し、体積を大幅に削減して効率的に保管する事例も増えています。

③ 許可業者への委託

産業廃棄物として処理する場合は、都道府県知事や政令市の許可を受けた収集運搬業者・処分業者に委託する必要があります。委託契約書やマニフェスト（産業廃棄物管理票）の交付・保管も義務付けられています。

絶対に避けたい処分方法（違法行為に該当する可能性あり）

以下の処分方法は環境汚染や法令違反につながるため厳禁です。

• 事業所での野焼き・独自焼却
• 薬剤や熱を使った独自溶解
• 不法投棄・埋め立て
• 家庭ごみとしての排出

いずれも廃棄物処理法・大気汚染防止法・水質汚濁防止法などに抵触する可能性があり、企業として大きなリスクを伴います。

リサイクルに適した状態とは？

以下の条件を満たす発泡スチロールは、リサイクル利用の対象になりやすいとされています。

• 汚れや油が付着していない
• テープ・ラベル・紙・金属などの異物が除去されている
• 破砕可能な状態である
• 継続的に一定量を排出できる（大量排出の場合は売却の可能性も）

一般的には処分費用が発生しますが、大量に排出する食品メーカー・物流センター・成形メーカーなどでは、再生原料として買い取り対象になるケースもあります。ただし、これは特定の生産事業者に限られ、通常のオフィス・小売事業などでは買取対象になるケースは多くありません。

リサイクルの流れと最新技術

リサイクル工程では、以下のような手順で再資源化されます。

1. 洗浄・異物除去
2. 破砕・減容
3. 圧縮・インゴット（固形化）
4. ペレット原料化
5. 再生プラスチック製品へ利用（文具・梱包材・建材など）

近年では、溶解処理の効率化や減容機の小型化により、事業所内での一次処理が可能になった例もあります。再資源化によるCO2削減や、SDGs・ESG経営の一環として注目される分野です。

業者選定時に確認すべきポイント

業者へ委託する際は、価格だけでなく以下を確認することが重要です。

• 産業廃棄物収集運搬業・処分業の許可があるか
• マニフェストの発行・保管に対応しているか
• リサイクルルートを保有しているか
• 回収頻度や保管方法の柔軟性
• パック料金などの契約内容が明確か（追加料金の注意）

複数の業者から見積もりを取り、費用・対応品質・リサイクル率のバランスを考慮して選定することが望まれます。

法令遵守と社内管理の重要性

発泡スチロールを含む廃プラスチック類の処理では、以下の管理体制が求められます。

• 廃棄物処理法・自治体条例の遵守
• 契約書・マニフェストの記録保管
• 委託先業者の許可確認
• 排出量の管理や社内ルールの整備
• 従業員への分別・処理ルールの周知

適切な管理を行うことで、コンプライアンス違反を防ぎ、環境負荷の低減と企業の信頼性向上につなげることができます。

業務用発泡スチロールに関するよくある質問

Q1. 事業で使った発泡スチロールは産業廃棄物ですか？

A.
事業活動によって排出された発泡スチロールは、廃棄物処理法上「廃プラスチック類」に分類され、基本的には産業廃棄物として扱われます。
ただし、事務所などで少量・家庭ごみに類似した形で排出されるものは、自治体によって事業系一般廃棄物として回収可能な場合もあります。
どちらに該当するかは、自治体または許可業者に確認する必要があります。

Q2. 業務用発泡スチロールは自治体のゴミ収集に出せますか？

A.
原則として、事業活動から排出された発泡スチロールは自治体の家庭ごみ収集には出せません。
自治体が回収するのは主に家庭系ごみであり、事業系の廃棄物は許可業者に委託して処理する必要があります。
ただし、一部自治体では事業系一般廃棄物として有料で収集しているケースもあるため、自治体へ確認することが重要です。

Q3. 汚れた発泡スチロールもリサイクルできますか？

A.
油・食品残渣・テープ・紙・金属などの異物が付着している場合、そのままではリサイクルできないことが多いです。
軽度の汚れやラベルは除去すれば再資源化できますが、汚れが強い場合や洗浄が困難なものは、産業廃棄物として処理されます。
リサイクルを希望する場合は、異物除去・洗浄・保管状態の管理が重要です。

Q4. 自分の会社で発泡スチロールを溶かしたり燃やしたりしてもいいですか？

A.
できません。
発泡スチロールを事業所内で独自に焼却したり、薬剤や熱で溶解する行為は廃棄物処理法に違反する可能性があり、重大な環境汚染や罰則の対象になります。
必ず許可を受けた処分業者や再資源化業者を通じて処理する必要があります。

Q5. 発泡スチロールはどのようにリサイクルされるのですか？

A.
リサイクル可能な発泡スチロールは、破砕・減容（圧縮）・溶融され、インゴットや再生ペレットの形に加工されます。
その後、プラスチック製品の原料として以下の製品に再利用されます：

• プランター、ハンガー、文具
• 梱包材、断熱材
• 建築資材、樹脂ブロック など

リサイクルの過程で大量に圧縮されるため、体積が大幅に減り、輸送効率も高くなります。

Q6. 発泡スチロールを売却したり買い取ってもらうことはできますか？

A.
一部の成形メーカーや大規模物流拠点など、大量かつ継続的に排出できる企業では、買い取り対象になるケースがあります。
ただし、一般のオフィス・飲食店・小売店などから排出される少量の発泡スチロールは、売却できるケースは非常に限られており、基本的には処理費用がかかります。

Q7. 発泡スチロールの処理を業者に委託する際に、何を確認すべきですか？

A. 主な確認ポイントはこちらです：

• 「産業廃棄物収集運搬業」「産業廃棄物処分業」の許可証を持っているか
• マニフェスト（管理票）を発行できるか
• リサイクルルート（資源化設備）があるか
• 費用や契約内容が明確か（パック料金の注意）
• 回収頻度や保管方法に柔軟に対応できるか

業者の信用性と許可の有無は特に重要です。

Q8. マニフェスト（産業廃棄物管理票）は必ず必要ですか？

A.
はい。
産業廃棄物を外部に委託する場合は、マニフェスト（管理票）を発行し、処理が完了するまで適切に管理することが義務付けられています。
電子マニフェストの利用も可能です。
ただし、事業系一般廃棄物として自治体が回収する場合はマニフェストは不要です。

Q9. 発泡スチロールの保管で注意すべき点はありますか？

A.
保管時には以下のポイントに注意が必要です。

• 雨や油で汚染されないよう屋内または覆いをつけた場所で保管する
• 風で飛散しないよう袋やコンテナにまとめる
• 保管スペースを確保し、圧縮・減容機の導入も検討する
• 工場や倉庫では火気・静電気対策も重要

正しい保管はリサイクル効率を高めるだけでなく、処理コストの削減にもつながります。

Q10. 法律違反になる具体的なケースは？

A. 以下のようなケースは違法となる可能性があります。

• 発泡スチロールを事業所で自分たちで焼却した
• 土地に埋めたり、川や山に投棄した
• 家庭ごみとして一般の集積所に出した
• 無許可業者に委託した
• マニフェストを発行せずに処理した

これらは廃棄物処理法に抵触する可能性があり、排出事業者も責任を問われます。

Q11. コストを抑えて処理する方法はありますか？

A.
可能な方法には以下があります：

• 汚れを除去して「リサイクル対象」にする
• 圧縮機（減容機）を導入し、収集回数を減らす
• 複数業者で見積もりを取り、費用比較をする
• 安定的な排出量がある場合、資源として買い取り可能か相談する
• 定期契約によるコストダウンを検討する

これらの工夫によって、処理費用を削減できるケースがあります。

Q12. どこに相談すれば正確な情報がわかりますか？

A. 信頼できる主な相談先は以下の通りです：

• 自治体の廃棄物担当課（環境保全課・清掃事務所など）
• 許可を持つ産業廃棄物処理業者
• 発泡スチロール再資源化協会（EPS協会）
• 地域の産業廃棄物協会

特に、処分区分（産業廃棄物・事業系一般廃棄物）は自治体によって異なるため、自治体に確認することが最も確実です。

まとめ｜適正処理とリサイクルで廃棄コストを最適化

業務用発泡スチロールは、家庭ゴミとは異なり、産業廃棄物として厳格に管理する必要があります。しかし、リサイクル性の高い資源でもあり、正しく処理することでコスト削減や環境貢献、企業価値の向上につながります。

企業が取り組むべきポイントは以下の通りです。

• 法令や自治体ルールを理解した上で正しく処理する
• 汚れを除去し、異物を取り除いてリサイクル価値を高める
• 許可業者へ適切に委託し、マニフェストで管理する
• 最新技術（圧縮・減容・溶解）やリサイクルルートを活用する
• 排出量が多い事業者は、買取・売却の可能性も検討する

適切な業者選定と社内管理を行うことで、廃棄処理を「コスト」から「資源循環」へと転換することができます。

エコ・ブレインでは、東京23区をはじめ東京都含めた関東圏はもちろん、埼玉県、神奈川県、千葉県、今まで築いてきた全国各地の協力ネットワークもフル活用し、北海道から沖縄まで日本全国が対応エリアとしています。
廃棄物の分別も弊社が行いますので、分別の仕方が分からないという方もご安心ください！

エコ・ブレインの対応地域例

[東京エリア]

中央区、千代田区、文京区、港区、新宿区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区、渋谷区、中野区、杉並区、練馬区、板橋区、豊島区、北区、台東区、墨田区、江東区、荒川区、足立区、葛飾区、江戸川区
八王子市、立川市、武蔵野市、三鷹市、青梅市、府中市、昭島市、調布市、町田市、小金井市、小平市、日野市、東村山市、国分寺市、国立市、福生市、狛江市、東大和市、清瀬市、東久留米市、武蔵村山市、多摩市、稲城市、羽村市、あきる野市、西東京市、西多摩郡、瑞穂町、日の出町、檜原村、奥多摩町

[埼玉エリア]

さいたま市（西区、北区、大宮区、見沼区、中央区、桜区、浦和区、南区、緑区、岩槻区）
川越市、熊谷市、川口市、行田市、秩父市、所沢市、飯能市、加須市、本庄市、東松山市、春日部市
狭山市、羽生市、鴻巣市、深谷市、上尾市、草加市、越谷市、蕨市、戸田市、入間市、朝霞市
志木市、和光市、新座市、桶川市、久喜市、北本市、八潮市、富士見市、三郷市、蓮田市
坂戸市、幸手市、鶴ヶ島市、日高市、吉川市、ふじみ野市、白岡市

[神奈川エリア]

横浜市（鶴見区、神奈川区、西区、中区、南区、保土ケ谷区、磯子区、金沢区、港北区、戸塚区、港南区、旭区、緑区、瀬谷区、栄区、泉区、青葉区、都筑区）
川崎市（川崎区、幸区、中原区、高津区、多摩区、宮前区、麻生区）
相模原市（緑区、中央区、南区）
横須賀市、平塚市、鎌倉市、藤沢市、小田原市、茅ヶ崎市、逗子市、三浦市、秦野市、厚木市
大和市、伊勢原市、海老名市、座間市、南足柄市、綾瀬市

[千葉エリア]

千葉市（中央区、花見川区、稲毛区、若葉区、美浜区、緑区）
銚子市、市川市、船橋市、館山市、木更津市、松戸市、野田市、茂原市、成田市、佐倉市
東金市、旭市、習志野市、柏市、勝浦市、市原市、流山市、八千代市、我孫子市、鴨川市
鎌ケ谷市、君津市、富津市、浦安市、四街道市、袖ケ浦市、八街市、印西市、白井市、富里市
南房総市、匝瑳市、香取市、山武市、いすみ市、大網白里市

その他上記以外の地域も駆けつけます！
ごみの処分など廃棄物関連にお困りの方、疑問がある方など、ぜひエコ・ブレインまでお問い合わせください！

[著者]