【2025年最新版】はじめての事業系廃棄物リサイクル|正しい分別・処理方法をわかりやすく解説

企業や店舗などの事業活動から排出される「事業系廃棄物」は、家庭から出るごみとは性質も処理ルールも異なり、事業者が自ら適切に管理・処分しなければなりません。
近年では持続可能な社会の実現やSDGsの推進に向けて、廃棄物の削減や再資源化(リサイクル)が強く求められており、その実践は企業にとって重要な社会的責任の一環とされています。
この記事では、事業系廃棄物の定義や種類、リサイクルの方法、業者選定の注意点など、実務に役立つ情報を網羅的に解説します。

事業系廃棄物とは?基本定義と法的な位置づけ
事業系廃棄物とは、会社、工場、飲食店、小売業、医療機関、学校など、あらゆる事業活動に伴って排出される廃棄物のことです。家庭から出るごみ(家庭系一般廃棄物)とは異なり、原則として自治体によるごみ収集の対象にはなりません。
事業者は、自らの責任においてこの廃棄物を適切に処理しなければならず、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(通称:廃棄物処理法)」に基づき管理体制を整える必要があります。もしこの責務を怠ると、不法投棄と見なされるおそれがあり、最大で懲役5年以下または1000万円以下の罰金という厳しい罰則が科されることもあります。
事業系一般廃棄物と産業廃棄物の違い
事業系廃棄物は、大きく次の2種類に分類されます。
● 事業系一般廃棄物
飲食店やオフィスなど、日常的な事業活動から排出される紙くずや生ごみなどが該当します。
これらは各自治体の処理ルールに従い、自治体が有料で回収する場合や、自治体の許可を得た「一般廃棄物収集運搬業者」との契約により処理するのが原則です。
● 産業廃棄物
建設業・製造業・医療業などで発生する、廃プラスチック、金属くず、汚泥などが該当し、法令で20種類に明確に定められています(廃棄物処理法施行令第2条)。
産業廃棄物の処理には、都道府県知事の許可を受けた業者との契約が必須であり、処理の流れを追跡・記録する「マニフェスト制度」による管理も義務付けられています。
この2区分を誤って扱うと、法令違反として行政指導や処分の対象となるため、排出するごみの性質と分類を正確に把握することが重要です。

適正処理とリサイクル推進は企業の責務
事業者には、廃棄物を適正に処理する法的義務だけでなく、可能な限りリサイクルを推進する責任もあります。
たとえばオフィスで日常的に発生する古紙やプラスチックを分別し、専門業者に回収してもらうことで、廃棄物の総量を削減できます。結果として、処理コストの抑制や環境負荷の軽減にもつながります。
また、社内での分別ルールの整備や社員への教育を通じて、組織全体としての「循環型社会」への貢献も可能となります。
分別の基本とリサイクル可能資源の見分け方
適切なリサイクルを行うには、まず排出される廃棄物を正しく分類することが重要です。以下は代表的なリサイクル可能資源です。
- 古紙類:コピー用紙、段ボール、新聞など
※ただし、感熱紙(レシート)や汚れた紙類は多くの自治体でリサイクル不可。対応は地域差あり。 - 金属類:アルミ缶、鉄くず、銅線など
- 廃プラスチック類:包装フィルム、ペットボトル、容器包装プラスチックなど(種類混合は避ける)
これらの資源ごとに回収・リサイクルのルートが異なるため、業者選定や処理工程の最適化がコスト削減にも直結します。
分別ミスを防ぐ仕組みづくり
誤分別によるリサイクル阻害や追加費用の発生を防ぐために、以下のような社内対策が有効です。
- 分別マニュアルの作成と掲示
- 色分け・表示付き分別容器の設置
- 定期的な社員研修やチェック体制の構築
- 担当部署の設置による責任体制の明確化
特に、複数部署が混在するオフィスや施設では、部署間で情報を共有し、横断的な廃棄物管理体制をつくることがポイントです。
業者選びのポイント:許可と信頼性を確認
廃棄物の収集運搬や処分を委託する際には、必ず以下を確認しましょう。
- 都道府県の許可を有する正規の業者かどうか
- 契約書やマニフェストの交付が適切に行われるか
- 処理の実績や、過去の行政処分歴の有無
- 対応できる廃棄物の種類が自社に合っているか
見積内容が不明瞭だったり、処理内容を詳細に説明しない業者は避け、複数社を比較して選ぶことがトラブル回避につながります。

社内で実践できるごみ減量と3Rの推進
廃棄物の削減には、「3R」の実践が有効です。
- リデュース(排出抑制):ペーパーレス化やリフィル導入、食器の再利用など
- リユース(再使用):備品の再活用、他部署や外部への譲渡・寄付
- リサイクル(再資源化):選別回収と適切な業者への委託
また、「廃棄物管理責任者」の設置によって社内の取り組みを統括し、削減計画の策定と評価を定期的に行うことで、継続的な改善が図れます。
リサイクルコストと削減の工夫
リサイクルにかかる主な費用は以下のとおりです。
- 収集運搬費用
- 中間処理費(破砕・選別など)
- 再資源化工程費用(洗浄・加工等)
これらは業者によって異なるため、同一条件での見積比較や、排出量の見直しが重要です。
また、古紙や金属類など、選別状態や量によっては売却可能な資源もあり、リサイクルが副収入となるケースもあります。
ただし、これには一定の品質・量が必要なため、小規模排出事業所ではあくまで「処理費の軽減策」として捉えるのが現実的です。
自治体支援や地域事例の活用
一部の自治体では、以下のような支援制度や取り組みを実施しています。
- 廃棄物減量化・リサイクル推進に関する助成金(地域限定)
- 中小企業向けの無料相談窓口や専門アドバイザー派遣
- 商店街や地域企業による共同回収・資源イベントの開催
これらの制度は自治体によって異なるため、事業所の所在地の自治体や商工会議所のWebサイトなどで最新情報を確認することが大切です。

事業系廃棄物のリサイクルに関するよくある質問
Q1. 事業系廃棄物は家庭ごみとして出せますか?
A. いいえ、出せません。
事業系廃棄物は、企業や店舗などの事業活動から出るごみであり、家庭ごみ(一般家庭から排出されるごみ)とは区別されます。自治体による一般収集の対象外で、事業者が自己責任で適正処理する必要があります。これを誤って家庭ごみとして排出すると、不法投棄と見なされる可能性があります。
Q2. 「事業系一般廃棄物」と「産業廃棄物」はどう違うのですか?
A. 発生源と内容の違いによって区別されます。
- 事業系一般廃棄物:飲食店やオフィスなどから出る紙くず、生ごみなど。自治体の処理ルールに従う必要があります。
- 産業廃棄物:工場・建設業などで発生する廃プラスチック、金属くず、汚泥など。政令で定める20種類が対象で、専門業者への委託が義務付けられています。
Q3. リサイクルの対象にならないものもありますか?
A. はい、一部の廃棄物はリサイクルに適していません。
たとえば、感熱紙や汚れた紙類、食品汚れが付着したプラスチック容器などは再資源化が困難なため、通常は焼却や埋立処分となります。リサイクル可能なものと不適なものをしっかり分けることが重要です。
Q4. 収集運搬や処理は自社で行ってもよいですか?
A. 条件を満たせば可能ですが、通常は許可業者に委託します。
自社で廃棄物を運搬・処理するには、自治体からの特別な許可(収集運搬業許可・処分業許可)が必要です。大半の事業者は、法令に基づいた許可業者に委託するのが一般的です。
Q5. 廃棄物の処理費用はどのくらいかかりますか?
A. 廃棄物の種類や量、処理方法によって異なります。
収集運搬費、中間処理費、最終処分費などがかかります。たとえば、古紙や金属くずは売却できるケースもありますが、混合廃棄物や有害物を含むものは高額になる傾向があります。定期的に業者の見積もりを見直すことが大切です。
Q6. マニフェスト制度とは何ですか?
A. 産業廃棄物の処理過程を記録・管理する制度です。
排出事業者が、産業廃棄物を誰に委託し、どこで最終処分されたかを追跡する仕組みで、紙の管理票や電子マニフェストで運用されます。未提出や虚偽記載があった場合は罰則の対象となります。
Q7. リサイクル率を高めるための社内施策には何がありますか?
A. 分別の徹底と社員教育が効果的です。
具体的には、分別ルールのマニュアル化、回収ボックスの設置、ポスター掲示、定期的な研修の実施などが挙げられます。部署ごとのリーダーを設定して、分別状況のチェック体制を設けるのも有効です。
Q8. リサイクルにはどんなメリットがありますか?
A. 資源の有効活用、処理コスト削減、企業の社会的信頼向上につながります。
特に紙や金属などは再資源化できるため、廃棄物量の削減によるコストダウンも期待できます。また、環境配慮企業としてのブランディングにも効果があります。
Q9. 誤って分別した場合、どうなりますか?
A. リサイクルが困難になり、追加コストや環境負荷の増大につながります。
誤分別は処理業者の負担を増やし、契約解除や追加料金請求の原因になります。また、環境負荷が高まり、企業の信頼にも影響を及ぼす可能性があります。
Q10. 自治体の支援制度はどこで確認できますか?
A. 各自治体の環境部門や商工会議所のWebサイトなどで確認可能です。
地域によっては、廃棄物減量化のための助成制度や、資源回収イベント、無料相談窓口などが設けられています。事業所が所在する市区町村の公式情報を定期的にチェックしましょう。
まとめ:持続可能な企業経営のために
事業系廃棄物の適正処理とリサイクルの推進は、企業の法令遵守だけでなく、環境配慮型経営の指標ともなります。
小さな取り組みの積み重ねが、廃棄物削減や資源循環に結びつき、最終的にはコスト削減や企業価値向上にもつながります。
社員全員が意識を持って取り組むことで、「ごみを出さない企業文化」を構築し、持続可能な社会の一翼を担う存在となることができるでしょう。
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[著者]

経歴:2019年にエコブレインに入社。以降5年間、広報部での経験を活かし、環境保護の重要性を広めるための活動に尽力している。特にデジタルマーケティングとコンテンツ制作に強みを持ち、多くの記事を執筆している。
趣味: 読書、ヨガ、カフェ巡り
特技: クリエイティブライティング、データ分析とマーケティング戦略立案