【2025年最新版】廃タイヤの正しい処分方法とは?産業廃棄物としての扱いとリサイクル活用を解説

はじめに
自動車やトラック、建設機械の使用に欠かせないタイヤは、使用済みとなると「廃タイヤ」として廃棄の対象となります。特に、企業などの事業活動によって排出される廃タイヤは、廃棄物処理法に基づき「産業廃棄物」として厳格に扱われます。
不適切に処理された廃タイヤは、環境破壊や火災リスク、不法投棄などを引き起こす要因となり、排出事業者には大きな法的・社会的責任が伴います。一方で、リサイクルや再利用の方法を正しく理解すれば、環境保全とコスト削減の両立も可能です。
本記事では、廃タイヤの分類や法的ルール、処理の流れ、リサイクル方法、注意すべきリスクなどを詳しく解説します。排出事業者としての責任を果たし、循環型社会の実現に貢献するための基礎知識を網羅しています。

廃タイヤは産業廃棄物か?分類の基本
廃タイヤはその排出元により、「産業廃棄物」または「一般廃棄物」に分類されます。一般的な区分は以下のとおりです。
- 事業活動(自動車整備業・運送業・建設業など)に伴って排出される廃タイヤは、産業廃棄物として扱われます。
- 一般家庭や個人使用の車両から排出された場合、自治体が定めるルールにより一般廃棄物として処理されることがあります。
- 一部の軽微な事業者(小規模な販売店等)から出る廃タイヤは、地域の判断によって一般廃棄物扱いとなることもあります。
この分類を誤ると、違法な処理とみなされる可能性があるため、まずは自身の業種・排出形態に照らして分類を確認することが重要です。
適正処理の基本フローと排出事業者の責任
廃タイヤを正しく処理するためには、廃棄物処理法に定められたルールに従う必要があります。事業活動により排出された場合、排出事業者には以下の義務があります。
- 委託先業者との書面契約(処理委託契約)の締結
- 業者が適切な許可(収集運搬・中間処理・最終処分)を有しているかの確認
- 産業廃棄物管理票(マニフェスト)の発行と処理状況の追跡
委託した処理業者が不適切に処分を行った場合でも、排出事業者は責任を問われる可能性があります。そのため、単に価格だけでなく、許可状況や処理実績なども確認しておくことが求められます。

廃タイヤの主なリサイクル方法
廃タイヤはそのまま焼却や埋立に回すだけでなく、再利用やエネルギー活用といった多様なリサイクル手法が存在します。
リユース(再使用)
状態が良好な使用済みタイヤは、中古タイヤとして再流通することがあります。中古タイヤ市場を通じて販売すれば、処理費用を相殺することも可能です。
リトレッド(再生タイヤ)
大型車両用のタイヤなどでは、摩耗した表面部分(トレッド)を貼り替える「リトレッド」という再生方法が広く利用されています。コスト削減だけでなく、資源の有効活用にもつながります。
マテリアルリサイクル
タイヤを粉砕して、ゴムチップやゴムパウダーとして再利用する方法です。これらは次のような用途に利用されます。
- 歩道や運動場の舗装材
- 衝撃吸収材や防音材
- 土木用資材や緩衝材
サーマルリサイクル
タイヤを高温で焼却し、その際に発生する熱エネルギーを回収して利用する方法です。セメント工場などでは、石油代替燃料として使われることもあり、化石燃料の使用削減に寄与します。
リサイクルの方法を組み合わせることで、廃タイヤの処理効率を高めると同時に、環境負荷の低減にもつながります。
保管時の注意点と安全対策
廃タイヤは保管方法を誤ると、火災・崩落・劣化といった危険が生じます。安全な保管のためには以下のような対策が有効です。
- 火気や機械類から一定距離を保つ
- 直射日光や雨風から保護できる屋根付きスペースの確保
- 高積みによる崩落を防ぐため、段数の制限
- 保管場所の定期巡回とチェック
- 消火設備の設置と避難経路の確保
特に夏季は発火リスクが高まるため、風通しや遮熱対策を施した保管環境が望ましいとされています。
不法投棄とそのリスク
廃タイヤの不法投棄は、地域の景観を損ねるだけでなく、環境破壊・火災・健康被害を引き起こす恐れがあります。
- 雨水が溜まり、蚊などの害虫の繁殖源となる
- 放置されたタイヤに火がつくと、有毒ガスや黒煙を発生
- 処理費用や撤去費用が行政・地域住民にとって大きな負担となる
また、法律により不法投棄には厳しい罰則が設けられており、排出事業者や処理業者には刑事責任が及ぶ場合もあります。信頼できる業者の選定と、処理のトレーサビリティを確保する体制整備が重要です。
処理費用の相場とコスト管理
廃タイヤの処分費用は、タイヤの種類・本数・業者・地域によって異なります。以下はおおよその相場観です。
- 乗用車用タイヤ:300〜600円/本
- トラック用タイヤ:800〜1500円/本
- 大型建機用タイヤ:2000円以上/本(要見積もり)
費用を抑えるためには、リユース可能なタイヤを見極めて売却したり、複数業者から相見積りを取って価格交渉するなどの工夫が有効です。ただし、価格だけで判断せず、許可証の有無や実績、対応品質も総合的に比較する必要があります。

悪質業者を避けるためのチェックポイント
廃棄物の処理を委託する際に、以下のような点を確認することで、悪質業者による違法処理のリスクを軽減できます。
- 業者が廃棄物処理の許可を保有しているか
- 契約内容に不備がないか(処分方法・責任の所在など)
- 実際に処理施設を見学・確認できるか
- マニフェスト制度に対応しているか
口頭でのやり取りだけで契約するのではなく、文書に残し、処理後も報告・記録の確認を怠らないことが重要です。
マニフェスト制度とその意義
産業廃棄物の適正処理を支える仕組みとして、マニフェスト制度が導入されています。この制度では、排出から最終処分までの全行程を記録し、排出者自身が処理の適正性を確認できるようになっています。
紙による運用だけでなく、電子マニフェストの導入も進んでおり、記録漏れや紛失リスクを減らし、処理の透明性と効率性を高めることが可能です。

廃タイヤの処分に関するよくある質問
Q1. 廃タイヤは産業廃棄物ですか?
A1.
事業活動から排出された廃タイヤは、原則として「産業廃棄物」に分類されます。自動車整備業、運送業、建設業などから出るものが該当します。一方、家庭から出たタイヤや一部の小規模店舗から排出されたものは、一般廃棄物として扱われる場合もあります。
Q2. 廃タイヤを処分するにはどのような手続きが必要ですか?
A2.
産業廃棄物として廃タイヤを処分する場合は、収集運搬業者・処分業者との契約書を作成し、許可証を確認のうえ、マニフェスト(産業廃棄物管理票)を交付して処理の流れを記録・追跡する必要があります。
Q3. 自社で廃タイヤを保管していても問題ありませんか?
A3.
一時的な保管は可能ですが、保管量や期間、保管方法によっては「保管基準違反」に該当する可能性があります。屋外保管では火災や劣化リスクもあるため、適切なスペースと管理体制が必要です。
Q4. 不法投棄された場合、排出事業者に責任はありますか?
A4.
はい。たとえ処理を委託したとしても、排出事業者には「最終処分責任」があるため、委託先が不法投棄を行えば、排出事業者にも行政処分や罰則が科される可能性があります。
Q5. 廃タイヤの処分費用はどれくらいかかりますか?
A5.
処分費用はタイヤの種類によって異なりますが、乗用車用で1本あたり300〜600円、トラック用で800〜1500円程度、大型建設機械用では2000円以上かかる場合があります。地域や業者によっても異なるため、複数社に見積りを依頼するとよいでしょう。
Q6. リサイクル可能な廃タイヤはどのように活用されますか?
A6.
状態の良いタイヤは中古品としてリユースされます。再生タイヤ(リトレッド)として再利用されることもあります。また、ゴムチップにして舗装材や緩衝材に使われたり、サーマルリサイクルで燃料として活用されることもあります。
Q7. 電子マニフェストと紙マニフェストの違いは何ですか?
A7.
紙マニフェストは手書きで記録・保管しますが、電子マニフェストはインターネットを通じて処理履歴をデータベース管理できます。電子化により、管理業務の効率化や記録ミスの防止が期待されます。
Q8. 自治体によって処理方法は異なりますか?
A8.
はい。特に一般廃棄物として扱われるケースでは、市区町村ごとに収集ルールや処分方法が異なります。事業系の場合も、条例や届出制度がある自治体もあるため、事前に確認が必要です。
Q9. 廃タイヤは燃えるゴミに出してもいいですか?
A9.
いいえ。廃タイヤは通常の家庭ごみや可燃ごみとして処理できません。たとえ家庭から出た場合でも、多くの自治体では処理業者への持ち込みが必要であり、不燃ごみや粗大ごみにも該当しないケースが一般的です。
Q10. 廃タイヤの保管中に火災が起きたらどうすればいいですか?
A10.
速やかに消防へ通報してください。廃タイヤは燃えると黒煙や有毒ガスが発生し、消火に時間がかかる特性があります。消火器や避難経路の整備を日常から行い、火災予防対策も徹底しましょう。
まとめ:廃タイヤ処理は「環境」と「経営」の両面から重要
廃タイヤは、排出の仕方や処理方法を誤ると、環境破壊・法的責任・コスト増などの深刻な問題を招きます。一方で、正しく処理を行い、リサイクルを活用することで、循環型社会への貢献や経営面でのメリットも得られます。
- 法令に沿った分類と処理を行う
- 許可を持つ信頼できる業者と契約する
- マニフェストで処理工程を管理する
- リユースや再資源化を積極的に取り入れる
- 保管・火災対策など安全管理も怠らない
これらを着実に実行することで、環境配慮と事業活動を両立し、社会からの信頼を高めることができます。今一度、自社の廃タイヤ処理体制を見直してみることをおすすめします。
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[著者]

経歴:2019年にエコブレインに入社。以降5年間、広報部での経験を活かし、環境保護の重要性を広めるための活動に尽力している。特にデジタルマーケティングとコンテンツ制作に強みを持ち、多くの記事を執筆している。
趣味: 読書、ヨガ、カフェ巡り
特技: クリエイティブライティング、データ分析とマーケティング戦略立案