【2025年最新版】土砂の扱いで困らない!廃棄物の条件・処理手順・リサイクル活用法まとめ

土砂は建設工事や災害発生時など、さまざまな場面で大量に発生する物質です。
一見するとただの土に見えますが、実はその性質や含有物、用途によっては「廃棄物」として法的規制の対象になります。誤った処理をすれば、法令違反や環境汚染の原因となり、事業者にとって大きなリスクとなりかねません。
この記事では、土砂の基本的な性質や発生源から、廃棄物となる条件、正しい処理手順、再利用の方法までを網羅的に解説します。法的な取り扱いや再資源化の可能性にも触れながら、環境保全とコスト最適化の両立を目指すための知識を整理してお伝えします。

土砂の定義と発生源
土砂は、岩石が風化・浸食されたものや地盤を掘削して発生する土・砂・粘土などを指します。主な発生源としては以下が挙げられます。
- 建設工事(掘削、造成、解体など)
- 地盤改良や農地整備
- 大雨や地震などの自然災害による土石流
- 河川改修や砂防事業
これらの場面で発生する土砂は、「建設発生土」とも呼ばれ、量が多くなるため適切な管理が必要です。性状によっては有効利用が可能ですが、再利用できない場合や異物が混入している場合には廃棄物として扱われます。
土砂は廃棄物か?判断のポイント
土砂が廃棄物として扱われるかどうかは、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」の定義に基づき判断されます。基本的な判断基準は以下の通りです。
- 土砂が有効利用される見込みがない場合
- 異物(コンクリート片、金属くずなど)が混入している場合
- 有害物質(重金属、油分など)を含む場合
国土交通省と環境省による通達でも、「利用目的のない建設発生土は廃棄物に該当する」とされています。再利用の意図があっても、実際に用途がなく処分されるならば、法律上は廃棄物と見なされます。
一般廃棄物と産業廃棄物の違い
廃棄物処理法では、廃棄物は「一般廃棄物」と「産業廃棄物」に大別されます。
- 一般廃棄物:家庭ごみや日常生活から出るごみ
- 産業廃棄物:事業活動から発生するごみ(建設現場、工場など)
土砂が建設工事や土地造成に伴って発生し、かつ再利用されない場合は「産業廃棄物」として扱われます。さらに、有害物質を含む場合は「特別管理産業廃棄物」に区分され、より厳格な処理が求められます。

土砂と汚泥の違い
建設現場で発生する「土砂」と「汚泥」は外見が似ていて混同されがちですが、処理法上は異なる性質のものです。
- 土砂:含水率が低く、粒状の物質。歩行や盛土が可能。
- 汚泥:含水率が高く流動性があり、粘性を持つもの。水処理過程やボーリングなどで発生。
汚泥と判断された場合は、無条件に産業廃棄物として扱われ、許可を得た業者への委託や処分場への搬入など、煩雑な手続きが必要です。発生初期の含水率や物理的性状を確認し、適切に分類することが重要です。
土砂が廃棄物と認定された場合の処理手順
土砂が廃棄物として扱われる場合は、廃棄物処理法に基づく以下のフローに従う必要があります。
- 土砂の性状調査(異物・有害物質の確認)
- 廃棄物の種類(産業廃棄物/特別管理産業廃棄物)の判定
- 都道府県の許可を得た収集運搬業者・処分業者への委託
- 処分計画の作成とマニフェスト(管理票)の発行
- 中間処理(ふるい分け、改質)または最終処分
この手続きにおいて、マニフェストの不備や無許可業者への委託は、重大な法令違反となります。排出事業者は適正処理の責任を負っており、違反時には罰金や行政処分の対象となります。
土砂の再利用と資源化
土砂は再利用が可能な資源でもあります。特に以下のような形で活用されるケースが多く見られます。
- 埋戻し材:宅地造成や道路基盤に使用
- 盛土材:防音壁や造成工事に活用
- 再生骨材:コンクリート・アスファルト合材の一部に
- 造園用土・園芸用土:土壌改良材として活用
ただし、再利用には前提条件があり、異物が混入していないこと、粒度や含水率が適正であること、有害物質が検出されないことが求められます。用途ごとに試験や分析を行い、利用先の基準に適合していることを確認する必要があります。
違法投棄とそのリスク
土砂は見た目が自然物に近いため、違法な埋立てや山林への投棄が後を絶ちません。しかし、再利用の見込みがない土砂を無許可で処分することは、明確な廃棄物処理法違反です。
違法処理には以下のようなリスクがあります。
- 最大で懲役5年または1000万円以下の罰金
- 周辺環境への影響(地盤沈下、水質汚染、土壌汚染)
- 損害賠償や行政命令、社会的信用の失墜
こうしたリスクを避けるためにも、処理業者の許可状況を確認し、契約書・マニフェスト等の書類を整備することが不可欠です。

行政の取り組みと企業の責任
環境省や国土交通省では、建設発生土の適正処理と再利用を促進するための制度を整えています。たとえば、建設リサイクル法に基づく分別解体の義務や、優良産廃処理業者認定制度の導入などが進められています。
また、排出事業者(建設業者など)は、処理の過程すべてに責任を持つ必要があります。再資源化の促進と同時に、不法投棄の防止や環境負荷の低減に取り組むことが、企業の社会的責任(CSR)として強く求められています。
土砂の処分に関するよくある質問
Q1. 自然由来の土砂でも廃棄物になりますか?
A1.
はい。たとえ自然由来の土砂であっても、再利用の見込みがない、または異物(コンクリート片、金属くずなど)が混入している場合は、廃棄物として扱われます。廃棄物処理法では、不要となった物はその性状や用途に関係なく「廃棄物」とされるため、注意が必要です。
Q2. 建設現場で出た土砂はすべて産業廃棄物ですか?
A2.
いいえ。建設工事などで発生した土砂でも、適切に分別され、再利用の見込みがある「建設発生土」であれば産業廃棄物には該当しません。ただし、異物が混入していたり、再利用が不可能である場合は、産業廃棄物として取り扱う必要があります。
Q3. 土砂の処理にはマニフェストの発行が必要ですか?
A3.
はい。土砂が産業廃棄物として処理される場合は、マニフェスト(産業廃棄物管理票)の発行が義務づけられています。これにより排出から最終処分までの流れを記録・管理し、不適正処理や不法投棄を防止します。
Q4. 汚泥と土砂の違いは何ですか?
A4.
土砂は比較的乾燥していて形状が安定しているのに対し、汚泥は高含水率で流動性が高い物質です。汚泥は明確に産業廃棄物とされ、特に厳格な処理が求められます。土砂との違いは含水率・性状・発生源などを総合的に見て判断されます。
Q5. 再利用可能な土砂はどうすればいいですか?
A5.
再利用可能な土砂は、造成工事の埋戻し材、道路の路盤材、園芸用の改良土、再生骨材などとして活用できます。ただし、有害物質や異物の混入がないこと、含水率や粒度などの基準を満たしていることが前提です。再利用を行う際は、性状確認と利用先の要件を事前に確認しましょう。
Q6. 土砂の不法投棄をするとどうなりますか?
A6.
廃棄物処理法違反に該当し、排出事業者や処理業者に対して厳しい罰則が科されます。罰則には5年以下の懲役または1000万円以下の罰金があり、悪質なケースでは両方が科されることもあります。さらに、行政処分や企業イメージの低下といった社会的損失も伴います。
Q7. 処理業者を選ぶ際の注意点は?
A7.
必ず都道府県から「産業廃棄物処理業の許可」を受けている業者を選びましょう。環境省の「優良産廃処理業者認定制度」などを活用すれば、信頼性の高い業者を探しやすくなります。また、契約書やマニフェストの内容が明確かどうかも確認すべきポイントです。
Q8. 小規模な現場でも産業廃棄物扱いになりますか?
A8.
はい。発生量にかかわらず、要件に該当すれば産業廃棄物として扱われます。事業活動に伴って発生し、再利用の見込みがない土砂は、量が少なくても廃棄物処理法の対象です。処理責任は発生源の事業者にあるため、小規模工事でも適正な対応が求められます。
Q9. 土砂の処理費用はどのくらいかかりますか?
A9.
性状(乾湿、有害物の有無、異物の有無)や処理量、運搬距離、中間処理の有無によって大きく異なります。再利用できる土砂の方が費用を抑えやすく、不適正な土砂(汚泥化、有害物含有など)は処分費が高くなります。見積もりの際には、複数業者に相談して比較するのが一般的です。
Q10. 土砂を処分せずに他現場で使っても問題ないですか?
A10.
基本的には「適切に管理された建設発生土」であり、有害物や異物が含まれておらず、受入先の合意がある場合は可能です。ただし、勝手に第三者の土地へ持ち込むことは不法投棄に該当する可能性があるため、搬入先と明確な契約・合意を取ったうえで進める必要があります。
まとめ
土砂は、そのままでは資源にもなり得ますが、性状や含有物によっては「廃棄物」として扱われる可能性があり、廃棄物処理法の対象となります。とくに建設現場で発生する土砂は、分別・管理の方法次第で「再利用可能な資源」になるか、「法規制の対象」となるかが大きく分かれます。
適正な処理・再資源化を行うことは、法令順守と環境保全の両立につながり、事業者の信頼性確保にも貢献します。今後も循環型社会の実現に向けて、土砂の適正な扱いと責任ある対応が求められます。

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[著者]

経歴:2019年にエコブレインに入社。以降5年間、広報部での経験を活かし、環境保護の重要性を広めるための活動に尽力している。特にデジタルマーケティングとコンテンツ制作に強みを持ち、多くの記事を執筆している。
趣味: 読書、ヨガ、カフェ巡り
特技: クリエイティブライティング、データ分析とマーケティング戦略立案