【2025年最新版】廃棄物処理法違反(不法投棄)とは?定義・実例・罰則・防止策まで完全解説

廃棄物処理法違反の中でも「不法投棄」は、環境・社会・経済に深刻な影響を及ぼす重大な違反行為です。
適正に処理されるべき廃棄物が、法令を無視して山林や河川敷などに放置されることで、地域社会の安全や自然環境が脅かされます。
本記事では、不法投棄の定義から発生の背景、法的罰則、具体的な違反行為、さらには再発防止策に至るまで、実例を交えて解説します。
廃棄物処理法とは?その目的と分類
廃棄物処理法(正式名称:廃棄物の処理及び清掃に関する法律)は、1970年に制定された環境保護の根幹となる法律です。目的は、廃棄物の適正処理を通じて「生活環境の保全」と「公衆衛生の向上」を実現することです。
この法律において廃棄物は以下のように分類されます。
- 一般廃棄物:家庭や事務所から発生するごみ(生ごみ、紙類、衣類など)
- 産業廃棄物:建設業や製造業などの事業活動に伴って発生する廃油、金属くず、汚泥、廃プラスチックなど
- 特別管理廃棄物:毒性や感染性を有する廃棄物(例:医療廃棄物、PCB廃油、引火性廃液など)
これらはいずれも、種類ごとに異なる処理基準や管理体制が法令で定められています。
不法投棄とは?定義と代表的な行為
不法投棄とは、適法な許可や手続きを経ずに廃棄物を山林・河川・空き地などに捨てたり、埋めたりする行為を指します。以下のような事例が典型です。
- 解体現場のがれきや木くずを河川敷に埋設
- 家電や家具などを道路脇に放置
- 無許可業者による回収後の違法投棄
- 有害物をコスト削減のために不法焼却
これらはすべて明確な違法行為であり、違反が発覚すれば排出者・処理業者を問わず罰則が科されます。

不法投棄が発生する背景と社会的影響
不法投棄が社会問題化する主な原因は以下の通りです。
- 処分費用の高騰:適正な処理にかかるコストを回避しようとする心理
- 知識不足:特に小規模事業者に多い法令理解の不十分さ
- 監視の目が届かない場所:山間部・農地・海岸などは投棄の温床となりやすい
不法投棄が発生すると、以下のような深刻な被害が広がります。
- 地下水や土壌の汚染
- 住民の健康被害や生活環境の悪化
- 自治体による撤去費用の発生(=税負担の増加)
- 不法投棄現場の風評被害
実例:京都・東高瀬川での産業廃棄物不法投棄事件(2025年)
2025年7月、京都市伏見区で産業廃棄物約19トンが無許可で埋め立てられた事件が発覚しました。
建設土木工事会社および解体工事会社の社長らが、3月上旬に大阪府豊中市の解体現場から出た木くずやがれき類を、東高瀬川と宇治川の合流地点近くの土地に不法投棄。府警は廃棄物処理法違反(不法投棄)の疑いで、2人を再逮捕しました。
容疑者は容疑を認めており、事件後は住民から不安の声も上がっています。この事例は、処分コストやモラル欠如によって重大な環境犯罪が実際に起きていることを象徴する事件です。
参考:https://news.yahoo.co.jp/articles/d0028a6168e5ce9ace744a6540fd09b485a9f17d
不法投棄につながる代表的な違反行為
- マニフェストの不交付・虚偽記載
産業廃棄物には、処理の流れを記録・追跡するための「産業廃棄物管理票(マニフェスト)」の交付が義務付けられています。これを怠ると、不適正処理や投棄の温床になります。 - 無許可業者への委託
許可を持たない業者に委託することは重大な違反であり、排出者も処分責任を問われます。 - 特別管理廃棄物の誤処理
医療廃棄物やPCB、引火性廃液などを誤って処理することで、大気汚染・人体被害につながる可能性があります。 - 不法焼却・放置・回収漏れ
廃プラなどを焼却すると有害ガスが発生するだけでなく、火災・事故の原因にもなります。放置や漏洩も「投棄」と見なされることがあります。
不法投棄に対する罰則(個人・法人)
廃棄物処理法では、不法投棄に対して以下の罰則が科されます。
- 個人:5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金(または併科)
- 法人:最大3億円以下の罰金(法人重科)
※実行犯以外にも、指示・共謀・委託に関わった場合は刑事責任を問われます。

措置命令・社名公表などの行政措置
違反が確認された場合、以下のような行政制裁が追加されることがあります。
- 措置命令:不法投棄物の撤去・適正処理の義務命令
- 社名公表:環境省や自治体HPなどで違反企業名を公開
- 許可取消・事業停止:廃棄物処理業者は免許を失うことも
これらは法的罰則以上に企業の信頼性や継続性に深刻な影響を及ぼします。
不法投棄を防止するための具体策
● 適正業者の選定
- 産廃処理の許可証(都道府県知事または政令市長)を確認
- 行政処分歴・違反歴の有無を調査
- 相場より異常に安い処理費は疑ってかかる
● マニフェスト・契約書の管理強化
- 委託契約書に「処理内容」「責任区分」「費用負担」を明記
- 紙マニフェストの他、電子マニフェストの導入も推奨
※ただし義務化されているのは、特別管理産廃等一部に限られます(2025年現在)
● 社内教育・定期監査の実施
- 年1回以上の廃棄物管理研修(OJT含む)
- 内部監査と外部監査の併用
- 処理業者の現地訪問・確認も有効
廃棄物処理法の法改正動向(最新情報)
廃棄物処理法は社会状況や環境技術の変化に応じて改正されています。
注目すべき動向は以下です。
- プラスチック資源循環促進法との連携
- 電子マニフェストのさらなる普及・義務化拡大
- 排出者責任の強化(再資源化率向上)
企業や団体は、環境省や自治体の通知・省令改正を定期的にチェックし、自社対応を見直す必要があります。
不法投棄の未遂・時効についての補足
- 未遂行為でも摘発・処罰対象となります(例:運搬中の摘発)
- 公訴時効は懲役刑5年以下で7年、罰金刑で3年〜5年が一般的
廃棄物処理法違反に関するよくある質問
Q1. 廃棄物処理法違反とはどのような行為ですか?
A1. 廃棄物処理法違反とは、廃棄物の収集・運搬・保管・処分・再生などを法令に反して行うことを指します。代表例は不法投棄、無許可での処理業務、マニフェスト不交付、特別管理廃棄物の誤処理などです。
Q2. 不法投棄とみなされる行為にはどのようなものがありますか?
A2. 許可を得ずに廃棄物を山林・河川・道路・空き地などに捨てる行為や、委託先がさらに無断で廃棄物を処理した場合なども含まれます。未遂でも摘発されることがあります。
Q3. 処理を委託しただけでも排出者が処罰されることはありますか?
A3. はい。処理を無許可業者に委託した場合、排出者にも処分責任があります。「知らなかった」「確認しなかった」では免責されず、厳しい罰則を受ける可能性があります。
Q4. 法人と個人で罰則の違いはありますか?
A4. あります。個人の場合は「5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金」、法人の場合は「3億円以下の罰金」が科されることがあります。社会的信用の失墜も大きなリスクです。
Q5. マニフェストとは何ですか?交付しないとどうなりますか?
A5. マニフェストは、産業廃棄物が適正に処理されたことを証明する管理票です。交付しない、虚偽記載をする、回収しないといった行為は、廃棄物処理法違反として処罰の対象となります。
Q6. 電子マニフェストと紙マニフェストの違いは?
A6. 電子マニフェストは、システムを使ってインターネット上で情報を管理する形式で、迅速かつ確実に廃棄物の流れを追跡できます。紙に比べて紛失や記載ミスのリスクが低く、法改正により導入が促進されています。
Q7. 不法投棄を防ぐにはどうすればいいですか?
A7. 信頼できる許可業者に処理を委託し、契約内容や許可証の確認、マニフェストの適正な運用を徹底することが重要です。処理内容を定期的に監査・確認する体制づくりも有効です。
Q8. 自治体はどのように監視していますか?
A8. 自治体は定期的な巡回、監視カメラの設置、住民からの通報受付体制を整備しています。また、不法投棄が疑われる場所の調査や違反業者への立ち入り調査なども実施しています。
Q9. 不法投棄の時効はありますか?
A9. 刑事罰には公訴時効がありますが、行為の重大性や環境被害の継続性によっては長期間追跡されることもあります。時効が成立する前に、通報や監視などによって摘発されるケースが多いです。
Q10. 企業での社内教育はどのように行えばよいですか?
A10. 定期的な法令研修、マニュアル配布、OJT(現場指導)などが効果的です。法改正情報も随時アップデートし、従業員のコンプライアンス意識を高めることが不法投棄防止に直結します。
まとめ:企業・個人ができること
廃棄物処理法違反、とりわけ不法投棄は、単なるコスト削減や過失で済まされる問題ではありません。処罰だけでなく、社会的信用の喪失や企業存続にまで波及するリスクがあります。
- 廃棄物処理のプロセスを“見える化”する
- 信頼できる業者との契約と文書管理を徹底する
- 社員全員でコンプライアンス意識を共有する
これらの地道な対策が、健全な循環型社会と企業価値の向上につながります。

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[著者]

経歴:2019年にエコブレインに入社。以降5年間、広報部での経験を活かし、環境保護の重要性を広めるための活動に尽力している。特にデジタルマーケティングとコンテンツ制作に強みを持ち、多くの記事を執筆している。
趣味: 読書、ヨガ、カフェ巡り
特技: クリエイティブライティング、データ分析とマーケティング戦略立案