【2025年最新】社会福祉施設で必要な廃棄物管理と業者選びの基礎知識

社会福祉施設では、高齢者や障がい者など多様な利用者の日常生活を支えるため、日々さまざまな廃棄物が発生します。これらの廃棄物を適切に処理することは、利用者の健康と安全を守るだけでなく、施設運営者の法的責任や地域社会への信頼にも直結します。
本記事では、社会福祉施設で発生する一般廃棄物と産業廃棄物の違い、代表的な廃棄物の種類、適正処理の手順、衛生管理のポイントなどを総合的に解説します。

一般廃棄物と産業廃棄物の違いを理解する
廃棄物処理法に基づき、社会福祉施設で発生するごみは「一般廃棄物」と「産業廃棄物」のいずれかに分類されます。施設運営者は、まずこの違いを明確に理解し、それぞれに応じた処理方法を実施する必要があります。
- 一般廃棄物(事業系一般廃棄物):施設の事業活動から日常的に発生する紙くず、生ごみ、プラスチック類など。自治体の指導に従って処理されます。
- 産業廃棄物:法令により指定された20種類の廃棄物で、医療関連や危険物を含むもの。感染性廃棄物や薬品、廃油、廃プラスチックなどが該当し、専門の許可業者に委託して処理する必要があります。
たとえば、紙おむつのような日常的に排出されるものは通常、一般廃棄物に該当しますが、血液などが付着している場合は感染性廃棄物として産業廃棄物扱いとなる可能性があります。自治体や処理業者に確認し、分類を誤らないようにしましょう。
社会福祉施設で発生する主な廃棄物の種類
社会福祉施設では、以下のような廃棄物が日常的に発生します。
1. 紙くず・日用品類
事務作業や利用者の生活に伴って発生する紙ごみやプラスチック包装、ペットボトルなど。これらは事業系一般廃棄物として扱われ、多くの自治体で回収体制が整備されています。
2. 生ごみ
厨房や食堂から排出される食品残渣や調理くずも、衛生面に十分注意しながら処理する必要があります。保管時は密閉容器を使用し、臭気や虫害の発生を防止しましょう。
3. 紙おむつ・衛生用品
高齢者介護や障がい者支援の現場では、使用済み紙おむつや衛生用品が大量に出ます。多くの地域で事業系一般廃棄物に分類されますが、血液や体液の付着がある場合は産業廃棄物扱いとなることもあるため注意が必要です。
4. 感染性廃棄物
介護や医療ケアを提供している施設では、注射器、ガーゼ、血液付着物などの感染性廃棄物が発生する場合があります。これらは特別管理産業廃棄物として、厳重な管理と処理が求められます。
5. 粗大ごみ
入居者の退去や施設の改装時には、ベッドや棚、電化製品などの大型ごみが出ることもあります。自治体が粗大ごみとして収集するケースもありますが、量が多い場合や内容によっては産業廃棄物としての処理が必要です。

適正処理の基本手順と管理義務
社会福祉施設は「排出事業者」として、廃棄物処理法に基づいた適正な処理が義務付けられています。以下のような手順と書類管理が必要です。
処理の基本フロー
- 廃棄物の種類を分類する
- 一般廃棄物か産業廃棄物かを判断する
- 適切な収集・運搬・処理業者を選定する
- 委託契約書を締結し、必要に応じてマニフェストを発行する
- 処理後の報告や領収書を保管し、処理状況を確認する
マニフェスト管理
産業廃棄物を処理委託する際は、「産業廃棄物管理票(マニフェスト)」の交付・管理が必要です。これにより、廃棄物の処理経路や最終処分先が追跡可能となり、法令順守の証拠として機能します。
廃棄物処理業者の選定ポイント
適切な処理を行うには、信頼できる業者の選定が欠かせません。以下の点に注目しましょう。
- 都道府県知事の許可を受けた事業者であること
- 廃棄物の種類ごとに適正な処理許可を持っているか
- 処理ルートや最終処分地が明確であるか
- 過去の行政処分歴がないか、信頼性が高いか
不適切な業者を選んでしまうと、施設側も「排出者責任」を問われ、法的なトラブルに発展する可能性があります。
ゴミ置き場管理と衛生対策
ゴミの保管スペースも、廃棄物管理の一環として重要なポイントです。清潔かつ安全な状態を保つために、以下のような管理が求められます。
- ゴミは必ず密閉容器に入れて保管する
- 生ごみなど臭気の強い物は、毎日回収または冷蔵保存を検討
- 害虫やカビの発生を防ぐため、週1〜2回の除菌清掃を実施
- ゴミ置き場に分別ルールの掲示を行い、誤廃棄を防止
施設内の衛生水準を維持するためにも、職員全体で清掃ルールを共有し、継続的な管理体制を整えることが大切です。
入居者・利用者へのルール周知と教育
廃棄物管理は職員だけでなく、入居者や利用者の協力も欠かせません。次のような工夫で、理解と協力を得やすくなります。
- 分かりやすい図解つきリーフレットの配布
- 定期的な説明会の実施
- 実物を使った分別方法のデモンストレーション
- 視認性の高いピクトグラムや掲示物の活用
ルールの共有は、トラブル防止だけでなく、施設全体の衛生意識を高めることにもつながります。
法令違反のリスクと対策
廃棄物処理に関して最も避けたいのは「法令違反」です。不適切な処理や業者への委託が発覚した場合、施設側が行政指導や罰則を受けることがあります。
違反例としては以下のようなものが挙げられます。
- 感染性廃棄物を可燃ごみとして処理
- 無許可業者への委託
- マニフェストの未交付・虚偽記載
- 契約書の未締結
これらを防ぐには、最新の法令情報を常にチェックし、処理フローの定期的な見直しを行うことが必要です。また、外部の専門家や行政の窓口に相談する体制も整えておくと安心です。

社会福祉施設における廃棄物処理に関するよくある質問
Q1. 社会福祉施設から出るごみは、家庭ごみと同じように出してもよいですか?
A1. いいえ、社会福祉施設で発生するごみは「事業系ごみ」として扱われ、家庭ごみとは区別されます。たとえ入居者の日常生活に伴うごみであっても、施設の運営によって排出されたものは「事業系一般廃棄物」もしくは「産業廃棄物」に分類され、自治体のルールに従って処理する必要があります。
Q2. 紙おむつは一般廃棄物ですか?産業廃棄物ですか?
A2. 基本的には紙おむつは「事業系一般廃棄物」として扱われます。ただし、血液や体液などが多量に付着している場合や、感染症患者の使用したものである場合は「感染性廃棄物」として「特別管理産業廃棄物」に該当する可能性があります。事前に自治体や処理業者と相談し、処理方法を確認してください。
Q3. 感染性廃棄物が発生した場合、どのように処理すればよいですか?
A3. 感染性廃棄物は、特別管理産業廃棄物に分類され、厚生労働省の基準に従い、専用の容器に入れ、許可を受けた業者に委託して処理する必要があります。マニフェストの発行・保存も義務付けられており、適正な管理が求められます。
Q4. 粗大ごみが出たときは、どうすればよいですか?
A4. 施設内で使用していた家具や電化製品などの大型ごみは「事業系粗大ごみ」として扱われます。自治体によっては回収を行っていない場合もあり、産業廃棄物として処理が必要なこともあります。自治体のごみ担当課や処理業者に確認し、適切な方法で処分しましょう。
Q5. 社会福祉施設が排出した廃棄物の処理は、誰に責任がありますか?
A5. 廃棄物処理法により、「排出事業者責任」が定められており、社会福祉施設が最終的な責任を負います。たとえ処理を外部業者に委託しても、処理が適正でなければ施設側が行政処分の対象になることがあります。信頼できる業者選びと適切な契約・マニフェスト管理が不可欠です。
Q6. 廃棄物の処理を委託する際、マニフェストは必要ですか?
A6. 「産業廃棄物」および「特別管理産業廃棄物」を委託する際には、必ず「産業廃棄物管理票(マニフェスト)」の発行と保存が必要です。これは、排出から最終処分までの処理過程を明確にし、違法処理を防ぐための制度です。電子マニフェストも利用可能です。
Q7. ごみ置き場の衛生管理で気を付けるべきことは?
A7. ごみ置き場は、悪臭や害虫の発生源となりやすいため、定期的な清掃と消毒が必要です。生ごみは密閉容器に保管し、夏場は特に臭気やカビ対策を強化しましょう。分別ルールの掲示やピクトグラムの設置も、誤廃棄防止に有効です。
Q8. 入居者にも分別ルールを守ってもらうにはどうしたらいいですか?
A8. 図解入りのリーフレット配布や掲示物の設置、職員による口頭説明、ミニ講習会などを活用しましょう。視認性の高い案内表示や実物を使った説明など、具体的な方法を用いることで理解が深まり、分別の定着が促進されます。
Q9. 廃棄物処理業者を選ぶ際の注意点は?
A9. 業者には都道府県の許可が必要です。許可証の内容が廃棄物の種類や処理方法に対応しているかを確認し、行政処分歴の有無や過去の実績などもチェックしましょう。不適切な業者を選ぶと、施設側も罰則対象となる可能性があります。
Q10. 廃棄物処理の社内ルールを整備するにはどうすればよいですか?
A10. 廃棄物の種類ごとに分別・保管・処理手順を明文化し、職員向けにマニュアルを作成することが効果的です。また、定期的な研修や情報共有の場を設け、法改正への対応や現場での課題解決に取り組む体制を整えましょう。
まとめ:適正な廃棄物処理は信頼される施設運営の礎
社会福祉施設は、高齢者や障がい者など社会的弱者を支える重要なインフラです。その施設運営において、廃棄物の適正処理と衛生管理は欠かすことのできない責務です。
- 一般廃棄物と産業廃棄物を正しく区別する
- 自治体や専門業者と連携し、処理ルートを確保する
- 衛生的な保管管理と周知を徹底する
- 最新の法令に基づいて運用体制を見直す
これらのポイントを実践することで、施設内の環境を安全・快適に保ち、利用者・地域から信頼される社会福祉施設の運営につながります。

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[著者]

経歴:2019年にエコブレインに入社。以降5年間、広報部での経験を活かし、環境保護の重要性を広めるための活動に尽力している。特にデジタルマーケティングとコンテンツ制作に強みを持ち、多くの記事を執筆している。
趣味: 読書、ヨガ、カフェ巡り
特技: クリエイティブライティング、データ分析とマーケティング戦略立案