火事で出たゴミはどう処分する?廃棄物の分別・費用・安全対策を徹底解説

火事が発生した後には、大量のごみ、言わば廃棄物が残されます。
焼け残った建材や家具、家電、水濡れした家財道具など、通常のごみ処分とは異なる処理が求められるため、適切な知識がないまま対応してしまうと、健康被害や法的リスク、過剰な費用負担を招くおそれがあります。
本記事では、火災で発生した廃棄物(以下「火災ごみ」)の分類方法、処分費用の相場、自治体や火災保険の支援制度、安全に処分を進めるためのポイントまでを包括的に解説します。被災後の混乱を少しでも減らし、スムーズに復旧作業へと進めるよう、実践的な情報を整理しました。

火災ごみの分類と処分方法の基本
火災後に残る廃棄物には、建材、家具、家電、衣類など多様なものが含まれます。これらは「一般廃棄物」か「産業廃棄物」かに分類され、処分方法が大きく異なります。
- 一般廃棄物:主に家庭から出る日用品、家財道具など。自治体が回収・焼却を担当。
- 産業廃棄物:解体工事によって発生した建材、壁材、瓦礫など。専門業者による処理が必要。
火災の規模が大きい場合や建物の構造に深く被害が及んだ場合は、多くが産業廃棄物として扱われる傾向にあります。
特に、解体を伴う場合はその発生物すべてが産業廃棄物となる可能性が高く、適切な許可を持つ業者に委託する必要があります。
まずは「罹災証明書」を取得し、自治体へ相談することが第一歩です。証明書があることで一部ごみが自治体ルートで処分可能になったり、費用の減免対象になる場合があります。

火災後に発生する廃棄物の代表例
火事後に多く見られる火災ごみは以下のようなものです。
- 焼け残った木材や石膏ボード、断熱材などの建材
- 炭化した家具や寝具
- 水濡れした家電製品や布製品
- 煙で汚れた衣類やカーテン
- 変形・破損したガラスや金属類
これらは外見では判断しにくく、法的分類や自治体の方針によって処理方法が異なる場合があります。焼却処理が難しいものや有害物質を含む恐れがあるものは、専門のルートで処分しなければならないため、個人での判断ではなく、専門家や行政に確認しながら進めましょう。
火災ごみの処分費用と内訳
火災ごみの処分には、分別、運搬、処分、解体といった複数の工程が伴うため、通常の不用品処分より費用が高額になる傾向があります。
処分費用の相場(目安)
- 軽度の家屋被害(家具・家電中心):10万~50万円
- 中規模(部分解体含む):50万~200万円
- 全焼・全壊規模(全面解体):300万~500万円以上
この金額には、廃棄物の種類、量、搬出の難易度、地域差などが影響します。分別や搬出作業が煩雑な場合や、アスベストなどの特殊廃棄物が含まれている場合は、さらにコストが増加します。
全国の廃棄物管理でお困りの企業様へ
信頼できる業者を探している、処理フローを見直したいなど、
ご相談は全国どこでも無料。まずはお気軽にご相談ください。
自治体による処分と業者依頼の違い
火災ごみの処分方法には、「自治体への直接搬入」と「専門業者への依頼」の2通りがあります。
自治体へ持ち込む場合
- メリット:費用が比較的安い(無料〜数千円程度の場合も)
- デメリット:搬入の手間と時間がかかり、安全面のリスクも伴う
自治体の受け入れ基準に沿って分別・梱包する必要があり、焼け焦げた物の一部は受け入れてもらえないケースもあります。
また、自治体によって金額が異なる場合もあるので事前の確認が必須となります。
専門業者に依頼する場合
- メリット:分別・搬出・処分まですべて任せられる
- デメリット:費用は高め(作業内容により変動)
特に被災現場は危険を伴うため、火災ごみに慣れた業者に任せることで安全性とスピードの両立が図れます。
処分費用を抑えるためのポイント
- 相見積もりを取る
複数の業者に見積もりを依頼し、作業範囲と費用のバランスを比較検討します。 - 自治体支援制度の活用
罹災証明を取得することで、ごみの受け入れや処分費用の一部が減免されるケースがあります。 - 再利用可能なものの分別
焼けていない家具や資源ごみをあらかじめ分けておくと、処分費用を抑えやすくなります。 - 保険や助成金の確認
火災保険の特約や自治体の補助金制度を調べ、申請漏れがないよう注意しましょう。
火災保険と自治体の支援制度
火災ごみの処分費用は、火災保険や自治体の制度でカバーできる場合があります。
火災保険の費用保険金
- 建物や家財の損害補償だけでなく、廃材の撤去費用や解体費用も対象になることがあります。
- 保険会社に事前相談し、申請に必要な証拠写真や報告書を揃えることでスムーズに支給されます。
自治体の補助制度
- 処分費用の一部を助成する制度や、処分場での無料搬入の制度が設けられている地域もあります。
- 利用には、罹災証明や所有者確認書類などが必要になるため、早めに窓口に相談しましょう。
自力処分のリスクと注意点
廃棄物を自力で運び込めばコストは抑えられますが、安全管理や健康被害のリスクが伴います。
- 粉じん吸引の危険:焼け残りや断熱材に含まれる粉じんを吸うと、呼吸器系に影響を及ぼす可能性があります。
- アスベストの危険性:築年数の古い建物では、アスベスト含有建材が含まれている可能性があります。専門業者の判断が不可欠です。
- 解体・搬出中の事故:崩れた建材は不安定なため、ケガのリスクが高まります。
保護具(防塵マスク、ゴーグル、作業手袋、長袖・長ズボンなど)の着用を徹底するほか、できるだけプロに任せるのが安全です。
業者選びのポイントと処分の流れ
火災ごみの処分を業者に依頼する場合は、以下の点を確認しておきましょう。
- 産業廃棄物処理の許可を保有しているか
- 実績や口コミが確認できるか
- 見積もりに明確な内訳が記載されているか
- 不明な費用項目がないか、追加費用の条件を明示しているか
契約前には、現地調査・見積もりをしっかりと行い、納得したうえで依頼しましょう。
処分の流れは以下の通りです。
- 罹災証明や保険会社への連絡
- 解体・分別の必要性確認
- 見積もり依頼と契約締結
- 搬出・運搬・処分作業
- 処分完了後の報告書受領と保険・自治体への提出

火災で発生した廃棄物に関するよくある質問
Q1. 火事で発生したゴミはすべて一般廃棄物として処分できますか?
A1. いいえ、火災で発生した廃棄物は内容によって「一般廃棄物」と「産業廃棄物」に分かれます。
家庭内の日用品などは一般廃棄物として自治体で処分できることがありますが、建物の解体に伴う焼け残りの建材などは産業廃棄物として処理する必要があります。事前に自治体や業者に確認しましょう。
Q2. 火災ごみの処分にはどれくらい費用がかかりますか?
A2. 処分費用は火災の規模やゴミの量、搬出の難易度によって異なります。
部分的な損壊であれば10万~50万円程度、全焼など大規模な被害では300万円以上かかることもあります。複数業者から見積もりを取ることが重要です。
Q3. 火災保険でゴミ処分費用は補償されますか?
A3. 補償される場合があります。火災保険の契約内容に「費用保険金」や「残存物取片付け費用」などの特約が付いていれば、処分費用が保険金でカバーされる可能性があります。詳細は保険会社に確認しましょう。
Q4. 自治体の支援制度はどのように使えますか?
A4. 自治体によっては、罹災証明書を提出することで、ごみの無料処分や費用の一部助成を受けられる制度があります。制度の有無や申請条件は地域によって異なるため、早めに市区町村の窓口に相談するのが安心です。
Q5. 自力で廃材を処分しても問題ありませんか?
A5. 自力で処分することも可能ですが、安全面でのリスクが高いため注意が必要です。
焼け残った建材には有害物質が含まれる場合もあり、適切な防護具を使用しなければ健康被害を招く恐れがあります。また、自治体が受け入れない廃棄物もあるため、事前の分別と確認が欠かせません。
Q6. 火災後の廃材にアスベストが含まれているかもしれません。どうすればよいですか?
A6. 築年数が古い建物にはアスベスト含有建材が使用されている可能性があります。アスベストが疑われる場合は、個人で触れたり撤去せず、専門の業者に調査・処分を依頼してください。無許可の処理は法的にも禁止されています。
Q7. 処分業者はどうやって選べばいいですか?
A7. 廃棄物処理の許可を持ち、火災廃材の実績がある業者を選ぶことが重要です。
必ず「産業廃棄物収集運搬業」「処分業」の許可を持っているかを確認し、相見積もりを取りながら、説明が丁寧な業者を選びましょう。
Q8. 火災ごみの処分はいつから始めればよいですか?
A8. 保険会社による現地調査や原因調査が完了した後に処分を開始するのが一般的です。証拠保全のため、廃材の移動は一時的に控えるよう指示されることがあります。ただし、健康や衛生上の問題がある場合は、部分的な処分を相談しながら進めることが可能です。
まとめ
火災ごみの処分には、多くの手間と費用、安全管理が必要となります。通常の廃棄物と異なり、法的分類や健康リスク、保険制度の活用など、専門的な知識が求められる場面も多くあります。
被災直後の混乱のなかでも、以下の4点を意識して行動しましょう。
- 自治体や保険会社に相談し、罹災証明や制度の確認を早めに行う
- 処分費用を抑えるために相見積もりを取得し、補助制度も活用する
- 自力処分にはリスクが伴うため、安全を最優先に考える
- 許可を持つ専門業者に依頼することで、トラブルや違法処理を防ぐ
適切な対処を行うことで、早期復旧と心身の負担軽減につながります。信頼できる情報と支援を活用しながら、安全かつ確実に火災ごみの処分を進めていきましょう。

エコ・ブレインでは、東京23区をはじめ東京都含めた関東圏はもちろん、埼玉県、神奈川県、千葉県、今まで築いてきた全国各地の協力ネットワークもフル活用し、北海道から沖縄まで日本全国が対応エリアとしています。
廃棄物の分別も弊社が行いますので、分別の仕方が分からないという方もご安心ください!
エコ・ブレインの対応地域例
[東京エリア]
中央区、千代田区、文京区、港区、新宿区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区、渋谷区、中野区、杉並区、練馬区、板橋区、豊島区、北区、台東区、墨田区、江東区、荒川区、足立区、葛飾区、江戸川区
八王子市、立川市、武蔵野市、三鷹市、青梅市、府中市、昭島市、調布市、町田市、小金井市、小平市、日野市、東村山市、国分寺市、国立市、福生市、狛江市、東大和市、清瀬市、東久留米市、武蔵村山市、多摩市、稲城市、羽村市、あきる野市、西東京市、西多摩郡、瑞穂町、日の出町、檜原村、奥多摩町
[埼玉エリア]
さいたま市(西区、北区、大宮区、見沼区、中央区、桜区、浦和区、南区、緑区、岩槻区)
川越市、熊谷市、川口市、行田市、秩父市、所沢市、飯能市、加須市、本庄市、東松山市、春日部市
狭山市、羽生市、鴻巣市、深谷市、上尾市、草加市、越谷市、蕨市、戸田市、入間市、朝霞市
志木市、和光市、新座市、桶川市、久喜市、北本市、八潮市、富士見市、三郷市、蓮田市
坂戸市、幸手市、鶴ヶ島市、日高市、吉川市、ふじみ野市、白岡市
[神奈川エリア]
横浜市(鶴見区、神奈川区、西区、中区、南区、保土ケ谷区、磯子区、金沢区、港北区、戸塚区、港南区、旭区、緑区、瀬谷区、栄区、泉区、青葉区、都筑区)
川崎市(川崎区、幸区、中原区、高津区、多摩区、宮前区、麻生区)
相模原市(緑区、中央区、南区)
横須賀市、平塚市、鎌倉市、藤沢市、小田原市、茅ヶ崎市、逗子市、三浦市、秦野市、厚木市
大和市、伊勢原市、海老名市、座間市、南足柄市、綾瀬市
[千葉エリア]
千葉市(中央区、花見川区、稲毛区、若葉区、美浜区、緑区)
銚子市、市川市、船橋市、館山市、木更津市、松戸市、野田市、茂原市、成田市、佐倉市
東金市、旭市、習志野市、柏市、勝浦市、市原市、流山市、八千代市、我孫子市、鴨川市
鎌ケ谷市、君津市、富津市、浦安市、四街道市、袖ケ浦市、八街市、印西市、白井市、富里市
南房総市、匝瑳市、香取市、山武市、いすみ市、大網白里市
その他上記以外の地域も駆けつけます!
ごみの処分など廃棄物関連にお困りの方、疑問がある方など、ぜひエコ・ブレインまでお問い合わせください!

[著者]

経歴:2019年にエコブレインに入社。以降5年間、広報部での経験を活かし、環境保護の重要性を広めるための活動に尽力している。特にデジタルマーケティングとコンテンツ制作に強みを持ち、多くの記事を執筆している。
趣味: 読書、ヨガ、カフェ巡り
特技: クリエイティブライティング、データ分析とマーケティング戦略立案