学校で発生するゴミの正しい分別・処理法|産業廃棄物の見分け方と対処法

授業や部活動、給食、イベントなど、さまざまな活動を通じて生じるゴミは多種多様で、紙くずや生ゴミに加え、プラスチック容器、金属類、さらには机や椅子といった大型備品まで含まれます。これらの廃棄物の中には、法的に「産業廃棄物」に分類され、適切な手続きを踏んで処理しなければならないものもあります。
正しい廃棄物処理を怠ると、処分費用の増大や学校環境の悪化にとどまらず、法令違反による罰則や社会的信用の低下につながるリスクもあります。学校は公共性の高い教育機関として、廃棄物処理に関する法令を遵守し、適切な管理体制を整えることが求められています。
学校で発生する廃棄物の現状と課題
学校から出る廃棄物の多くは「事業系一般廃棄物」に該当します。具体的には、授業で使用した紙くずや、給食で発生する調理くず・食べ残しなどがこれに含まれます。
一方で、プラスチック製品や金属くず、使用済みの実験器具、電子機器の一部は「産業廃棄物」に該当するため、特別な管理が必要です。これらの分類を誤ると、本来リサイクルできる資源が埋もれてしまったり、処理費用が不要に高騰したりするおそれがあります。
また、廃棄物の処理費用は学校の予算に直結する問題です。限られた教育資金を有効活用するためにも、ゴミの適正処理とコスト削減は重要な課題といえるでしょう。特に、分別が不十分な場合、処理業者が追加作業を行う必要が生じ、結果として余分な費用が発生します。
さらに、廃棄物の分別ルールが教職員や生徒に十分浸透していないと、日常的にルールが形骸化しやすく、せっかくの取り組みが元に戻ってしまうことも少なくありません。定期的な周知活動や教育が欠かせないのはこのためです。
学校で発生しやすい廃棄物の種類と注意点
学校で多く発生するのは以下のような廃棄物です。
- 紙くず(授業プリント、試験用紙、配布資料など)
- 生ゴミ(給食の調理くず、食べ残し)
- プラスチック類(給食の容器、文具類)
- 金属類(壊れた備品、実験器具の一部)
- 大型備品(机、椅子、棚、ロッカー)
- 電子機器(プリンター、パソコン、コピー機)
これらのうち、紙くずや生ゴミは一般的に事業系一般廃棄物として扱われますが、プラスチック類や金属類、電子機器の多くは産業廃棄物に分類されます。
特に電子機器には有害物質を含む部品が使用されている場合があり、適切な処分を怠ると環境汚染や法令違反の原因となるため注意が必要です。
また、机や椅子、棚などの大型備品は、自治体の粗大ゴミ回収を利用することも可能ですが、物によっては産業廃棄物として処理が必要になる場合があります。学校の設備更新や整理の際には、処分予定の物品がどの分類に該当するのかを事前に確認し、必要に応じて専門業者への委託を検討しましょう。

産業廃棄物処理の正しい流れと業者選定のポイント
産業廃棄物の処理は、専門業者に委託するのが基本です。ただし、どの業者でも良いわけではなく、「産業廃棄物収集運搬業」「産業廃棄物処分業」の許可を持つ事業者に依頼しなければなりません。許可がない業者に処理を任せると、不法投棄や不適切な処理につながり、最終的には排出者である学校側にも法的責任が及ぶ可能性があります。
業者選びの際には、以下のポイントを確認すると良いでしょう。
- 産業廃棄物処理業の許可番号と有効期限
- 処理能力や設備の状況(中間処理場、最終処分場の有無)
- これまでの実績や取引先の事例
- 処理費用の明細(見積もりを複数取得し比較)
- リサイクル率や環境対策の取り組み状況
また、契約時には必ず「委託契約書」を締結し、処理内容、費用、責任範囲、トラブル発生時の対応方法などを明文化しておくことが重要です。あわせて、廃棄物処理法で義務付けられている「産業廃棄物管理票(マニフェスト)」を正しく発行・管理することで、廃棄物の処理過程を把握し、法令遵守を徹底する必要があります。
大型備品・特殊機器の適正な処理方法
学校では、定期的な設備更新や整理に伴い、机や椅子、棚などの大型備品やプリンター、コピー機といった特殊機器の処分が必要となる場面があります。これらを適切に処理するためのポイントは以下の通りです。
- 大型備品(机・椅子・棚など)
まだ使用可能なものはリユースを優先し、地域のリサイクル事業者や福祉団体への寄付、リサイクルショップでの再販を検討するのが理想です。やむを得ず廃棄する場合は、自治体の粗大ゴミ回収に出すか、産業廃棄物として専門業者に委託しましょう。廃棄時には安全確保のため、生徒の立ち入りを制限し、解体作業を慎重に行うことが必要です。 - プリンター・コピー機などの特殊機器
インクやトナーカートリッジはメーカーの回収プログラムを活用し、本体は産業廃棄物として適正に処理する必要があります。機密データが残っている場合は、データ消去や記録媒体の破棄も忘れずに行いましょう。
正しい廃棄物管理がもたらす教育的価値と社会的責任
学校が廃棄物の適正処理を徹底することは、環境保全や法令順守の面で重要であるだけでなく、生徒たちへの環境教育としても大きな意義があります。リサイクルや資源循環の意義を実践を通じて学ぶことは、SDGs(持続可能な開発目標)の理念を体感的に理解する貴重な機会です。
また、適切な処理によって衛生環境が整い、悪臭や害虫の発生を防げるため、学習環境の改善にも直結します。さらに、無駄な処理費用を抑えることで、限られた学校予算を有効活用し、教育活動への投資を増やすことが可能になります。

学校で発生するゴミと産業廃棄物に関するよくある質問
Q1. 学校から出るゴミにはどんな種類がありますか?
A1. 学校では、日常的な授業や給食、部活動などから、以下のような多様なゴミが発生します。
- 一般ゴミ(事業系一般廃棄物):紙くず、食品残さ、プラスチック類、段ボール、空き缶、ペットボトルなど。
- 産業廃棄物:理科の実験で使った薬品類、蛍光灯や乾電池、壊れた家具や大型機器(例:理科室の薬品棚や壊れたコピー機など)。
学校から排出されるゴミは事業活動に伴う「事業系一般廃棄物」となるため、家庭ごみとは異なる扱いとなり、適切な分別・処理が必要です。
Q2. 学校で出るゴミの中で「産業廃棄物」に該当するものはどれですか?
A2. 以下のものが該当します。
- 蛍光灯、乾電池、実験用薬品の廃液・薬品瓶
- 金属くず(壊れた什器・備品)、廃プラスチック類(理科室や技術室で出た樹脂くずなど)
- 廃油(調理実習で使用した油など)
- ガラスくず・陶磁器くず(壊れた試験管やビーカーなど)
これらは法律で「産業廃棄物」と分類され、一般ごみとは分けて専門業者による適切な処理が必要です。
Q3. 学校で出たゴミは家庭ごみと同じように出してもいいですか?
A3. いいえ、学校から出るゴミは事業系一般廃棄物や産業廃棄物として扱われますので、自治体の家庭ごみ回収には出せません。事業者として、許可業者と契約を結び、適切な方法で処理する必要があります。処理を誤ると、廃棄物処理法違反となり、罰則の対象となる場合がありますので注意が必要です。
Q4. 学校で発生するゴミの処理は誰が責任を持つべきですか?
A4. 原則として、学校を運営する法人(地方自治体や学校法人)が責任を負います。校長先生や事務責任者が中心となり、適切な廃棄物管理体制を整え、産業廃棄物管理票(マニフェスト)などの記録管理も含めて対応することが求められます。
Q5. 学校で出た産業廃棄物はどうやって処理すればいいですか?
A5. 以下の流れで適切に処理します。
- 許可を持つ産業廃棄物処理業者を選定(収集運搬業者・処分業者)。
- 処理業者と契約を結び、処理内容を確認。
- 処理の際はマニフェスト(産業廃棄物管理票)を使用し、処理の流れを記録。
- 法律に従い、処理が完了したらマニフェストを確認・保存。
これにより、法令を遵守し、適正な廃棄物管理が行えます。
Q6. 学校のゴミ削減のためにできることは何ですか?
A6. 以下の取り組みが有効です。
- 給食の食べ残しを減らすための食育活動の推進
- コピー用紙の使用量削減やリサイクル用紙の使用
- プラスチックごみの分別とリサイクルの徹底
- 不要な備品の長期使用やリユースの推進
- 生徒や教職員へのごみ分別・リサイクル教育の実施
これらにより、ゴミの総量削減と環境負荷軽減につながります。
Q7. 学校のゴミ処理を業者に依頼する際、どんな点に注意すべきですか?
A7. 以下の点を確認することが重要です。
- 業者が「産業廃棄物収集運搬業」「産業廃棄物処分業」の許可を持っているか。
- 回収するゴミの種類に対応しているか。
- 契約内容(処理方法、費用、マニフェストの取り扱いなど)が明確か。
- 処理業者の実績や評判、環境への配慮状況。
これらを事前に確認することで、法令違反やトラブルを防げます。
まとめ:学校全体での取り組みが未来をつくる
ゴミの適正処理は、学校が単独で取り組むだけでは十分ではありません。教職員、生徒、保護者、地域社会と連携しながら、持続可能な環境づくりに向けた意識を高め、行動を続けることが必要です。
学校は社会に開かれた教育機関として、環境負荷の低減に積極的に取り組み、その姿勢を地域や未来の世代に示す責任があります。正しい廃棄物処理はその第一歩であり、学校全体で継続的に取り組むことで、よりよい学びの場を実現し、持続可能な社会づくりに貢献できるのです。

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[著者]

経歴:2019年にエコブレインに入社。以降5年間、広報部での経験を活かし、環境保護の重要性を広めるための活動に尽力している。特にデジタルマーケティングとコンテンツ制作に強みを持ち、多くの記事を執筆している。
趣味: 読書、ヨガ、カフェ巡り
特技: クリエイティブライティング、データ分析とマーケティング戦略立案