【2025年最新版】マスクの正しい捨て方と事業系ごみの適正処理法|法令遵守と環境対策を両立

はじめに
事業所で日常的に使用される不織布マスク。
その廃棄方法を誤ると、法令違反や衛生上の問題、さらには環境負荷の増大につながります。本記事では、マスク廃棄に関連する「事業系ごみ」の基礎知識と法的な処理方法、そして環境配慮の取り組みについて詳しく解説します。正しい知識を持つことで、従業員や地域社会の安心を守るとともに、企業としての信頼向上にもつながります。
事業系ごみとは?分類とその違い
事業活動に伴って排出されるごみは、原則として家庭ごみとは異なる「事業系ごみ」として扱われます。これには以下の2つがあります。
産業廃棄物
製造業や建設業など、特定の業種から排出されるごみ(例:廃油、廃プラスチック、廃酸など)。法的に定義されており、処理には都道府県知事等から許可を受けた業者への委託が義務付けられています。
事業系一般廃棄物
飲食店・小売店・オフィスなどから排出される生活系ごみに類似した廃棄物(例:紙くず、包装材、食べ残しなど)。これらは家庭ごみとして自治体の収集に出すことはできず、多くの自治体では指定収集運搬業者との契約が必要です。
マスクは何ごみに分類されるのか?
一般的な不織布マスクは、ポリプロピレンなどのプラスチック素材で構成されており、使い捨て製品として事業活動で排出された場合、通常は「事業系一般廃棄物」に分類されます。これらは可燃性廃棄物として処理され、一般廃棄物収集運搬業者によって回収されるのが一般的です。
しかし、以下のようなケースでは「感染性廃棄物(特別管理産業廃棄物)」として扱う必要があります。
- 医療機関などで感染症患者が使用した場合
- 血液・体液・分泌物等が明確に付着しているマスク
- 感染症法上の指定感染症対応施設などでの使用
これらの場合には、環境省が定める「感染性廃棄物処理マニュアル」等に従い、適正な区分と処理が求められます。

具体的な廃棄手順と分別・保管方法
通常の事業所における対応
- 使用済みマスクを専用容器に分別して保管
- 密閉可能な袋に入れ、他のごみと混在させずに廃棄
- 契約している事業系一般廃棄物の収集業者へ引き渡す
感染性が疑われるマスクへの対応
- 赤色の専用容器または密閉容器に隔離保管
- 感染性廃棄物の処理が可能な許可業者との契約を確認
- マニフェスト(産業廃棄物管理票)を作成し、5年間の保管義務を遵守
感染性の判断は、厚生労働省や環境省のガイドラインを参考にし、医療行為の有無や明確な汚染の状況に基づいて行う必要があります。
マスクの素材と環境への影響
不織布マスクに使用されているポリプロピレンなどは焼却処分が基本で、リサイクルは一般には困難です(感染リスクと素材分離の難しさが主因)。そのため、大量に消費する業種では、焼却に伴う温室効果ガスや廃棄物量の増加が課題となります。
環境対策としての代替案
- 洗濯可能な布マスクの併用(非医療現場など)
- 生分解性プラスチック素材の導入
- 使用量のガイドライン作成と教育
- 回収・再資源化の実証事業への参加(例:一部企業によるマスクのケミカルリサイクル)
法令遵守と安全管理のポイント
廃棄物処理法では、排出事業者が「最終処分までの責任を負う」と定められています。よって、以下の対策が不可欠です。
- 正しいごみの分類と排出記録の保管
- 適正な業者の選定(許可番号・有効期限等を確認)
- 感染性廃棄物に該当する場合のマニフェスト制度の活用
- 従業員への教育・マニュアル整備
地域差に配慮した対応
事業系ごみの分別や収集スケジュールは、自治体によって異なります。最新の「事業系一般廃棄物処理指針」「事業ごみガイドライン」などを自治体のホームページ等で確認し、それに従って運用を行うことが重要です。
企業のCSRと持続可能な対応
社会的責任を果たすためにも、次のような取り組みが推奨されます:
- プラスチックごみ削減に向けた調達方針の見直し
- 環境配慮製品の優先調達(エコマーク等)
- サステナビリティ報告書等での取り組み開示
企業向け:マスクの捨て方に関するよくある質問
Q1. 使用済みマスクは産業廃棄物に該当しますか?
A. 使用済みマスクは、事業活動に伴って排出された場合は「事業系一般廃棄物」となります。ただし、感染性の恐れがある(病院・介護施設など)場合は、「感染性産業廃棄物」に該当する可能性があるため注意が必要です。業種や使用状況により扱いが異なります。
Q2. マスクを燃えるゴミとして自治体に出してもいいですか?
A. 企業から出るマスクは、原則として自治体の家庭ごみ収集には出せません。事業者は、自治体が指定する一般廃棄物収集運搬業者または自社で収集運搬・処分する必要があります。
Q3. マスクの廃棄時に必要な処理方法はありますか?
A. 通常の使用済みマスクは、ビニール袋などで密閉し、衛生管理を徹底してから廃棄してください。感染リスクのあるマスクは、感染性廃棄物として処理基準に則った対応が求められます。作業員の感染リスクを下げるためにも、二重袋での密封が望ましいです。
Q4. マスクに血液や体液が付着していた場合、どう扱えばよいですか?
A. 医療機関や介護施設などで使用され、血液や体液が付着している場合は、「感染性産業廃棄物」に該当する可能性があります。この場合は、特別管理産業廃棄物としてマニフェスト制度に則り、適正な処理が必要です。
Q5. マスク廃棄時のコストはどれくらいですか?
A. 廃棄コストは、地域や契約している廃棄物処理業者、マスクの処理区分によって異なります。一般的な事業系一般廃棄物として処理する場合、月額定額契約または重量課金制が採用されます。感染性があると分類された場合、処分費用は通常より高くなる傾向があります。
Q6. 不織布マスクのリサイクルは可能ですか?
A. 一般的な使い捨て不織布マスクはリサイクルが困難であり、衛生面の観点からも基本的には可燃ごみとして焼却処理されます。企業としては、繰り返し使える布マスクなどを導入することで、廃棄物量の削減に寄与することが可能です。
Q7. マスクを廃棄する際に従業員に周知しておくべきポイントは?
A. 以下のポイントを周知しておくとよいでしょう。
- 使用済みマスクは他のごみと分けて処理すること
- マスクは袋に入れて密閉し、感染拡大を防止すること
- 所定のごみ箱(事業ごみ用)に捨てること
- 感染の疑いがある場合は、総務・衛生管理担当者に報告すること
Q8. マスク廃棄で行政指導を受けないようにするための注意点は?
A. 行政指導を避けるためには、以下の対応が重要です。
- 適正な収集運搬業者と契約しているかの確認
- マスクを含むごみの分別が正しく行われているか定期的に点検
- 感染性廃棄物として扱う必要があるか業種ごとに判断
- 廃棄記録を残し、法令遵守の証拠を保持する
まとめ
不織布マスクの廃棄は一見簡単に思われがちですが、感染症対策、環境配慮、法令順守の3点を両立させる必要があります。事業所では、排出物の正確な分類と、信頼できる業者への委託、社内ルールの整備と徹底が重要です。
また、感染性廃棄物の扱いについては特に注意を払い、ガイドラインやマニュアルに則って厳格に管理しましょう。さらに、マスク廃棄に伴う環境負荷にも配慮し、企業として持続可能な社会に貢献する姿勢が求められます。

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[著者]

経歴:2019年にエコブレインに入社。以降5年間、広報部での経験を活かし、環境保護の重要性を広めるための活動に尽力している。特にデジタルマーケティングとコンテンツ制作に強みを持ち、多くの記事を執筆している。
趣味: 読書、ヨガ、カフェ巡り
特技: クリエイティブライティング、データ分析とマーケティング戦略立案