冷蔵・常温・ガラス製ショーケースの廃棄方法|業務用機器の処分を正しく進めるには

企業や店舗で使われているショーケースは、商品の陳列や演出に欠かせない設備です。
しかし、リニューアルや移転、老朽化などで不要になった場合には、適切な方法で処分する必要があります。特に業務用の大型ショーケースは、種類によって構造や処理の方法が異なり、法律に沿った対応が求められます。
本記事では、「冷蔵」「常温」「ガラス製」といった代表的なショーケースの種類別に特徴を整理し、それぞれの処分方法や注意点を詳しく解説します。廃棄コストや労力を最小限に抑えつつ、法的リスクを避けるためのポイントもあわせてご紹介します。

1. ショーケースの種類と構造の違い
冷蔵ショーケースの特徴
業務用の冷蔵ショーケースは、食品や飲料を適切な温度で保管・展示するための機器で、常に電源を使用して稼働します。内部には冷却機能を担うコンプレッサーや冷媒ガスなどが組み込まれており、構造が複雑です。そのため、廃棄には専門的な知識と手続きが必要となります。
冷蔵ショーケースにはフロンガスが使用されていることも多く、処分時には法令に基づくガス回収が義務付けられている点も見逃せません。
常温ショーケースの特徴
常温ショーケースは電源を必要とせず、雑貨や書籍、日用品などの展示に使われます。構造がシンプルで軽量なため、設置や移動、解体も比較的容易です。電気代も不要で、気軽に設置できる点がメリットですが、冷却機能がないため温度管理が必要な商品には不向きです。
ガラス製ショーケースの特徴
ガラス製ショーケースは、視認性の高さと高級感を兼ね備えたディスプレイ什器です。ジュエリーやアクセサリー、美術品などを美しく見せるために使われ、インテリアとの調和も重視されます。ただし、ガラスは破損リスクが高く、搬出時には養生などの対策が必要不可欠です。

2. 主なショーケースの処分方法
自治体のルールに沿って解体・分別する
まず挙げられるのは、ショーケースを手作業で解体し、素材ごとに分別して廃棄する方法です。ガラス、金属、プラスチックなどをそれぞれ適切に分別することで、処分費用を抑えられる場合があります。ただし、大型で重量のある業務用ショーケースは解体に時間と労力がかかるうえ、作業中のケガや破損リスクもあります。安全性を確保するためには、工具や保護具の準備、複数人での作業が必要です。
自治体の粗大ごみとして出す(家庭用サイズの場合)
比較的小型のショーケースであれば、自治体の粗大ごみ回収を利用できるケースもあります。ただし企業が業務用として使用していた場合は、自治体での回収ではなく「産業廃棄物」として処分されることが原則となります。必ず処分前に事前に各自治体へ確認しましょう。自治体で対応できるサイズ・種類であれば、コストを抑えて処分できます。
リサイクルセンターに持ち込む
リサイクルセンターを利用する方法もあります。金属やガラスなど、再資源化可能な素材が使われている場合は、リサイクルによって環境負荷の軽減につながります。自治体や民間のリサイクル業者に問い合わせ、ショーケースのサイズ・素材・状態を伝えて、受け入れの可否や費用を確認しましょう。
特に環境への配慮を重視する企業にとっては、イメージ向上にもつながる処分方法です。
フリマアプリや掲示板で売却・譲渡する
まだ使用可能なショーケースであれば、フリマアプリやジモティーなどを使って売却・譲渡することも選択肢の一つです。業務用の大型タイプでも、個人店舗のオーナーや中古什器を探している事業者にとっては需要があることもあります。
ただし、商品の状態、搬出条件、送料負担などを明確に記載する必要があり、取引トラブルを防ぐための注意が必要です。
不用品回収業者や産業廃棄物処理業者に依頼する
もっともスムーズで安心できる方法は、不用品回収業者または産業廃棄物処理業者に依頼することです。依頼すれば、ショーケースの解体・搬出・運搬・処分までを一括で対応してくれます。業者によって料金体系やサービス範囲が異なるため、複数社から見積もりを取って比較検討すると安心です。
信頼できる業者を選ぶポイントとしては、自治体や都道府県の許可を得ているか、過去の実績があるか、契約書や見積もりの明細が明確か、といった点が挙げられます。
3. 不用品回収業者を活用するメリットと注意点
業務用ショーケースの処分では、サイズや重量の関係で個人対応が困難になるケースも多く、不用品回収業者を利用することで下記のようなメリットがあります。
- 搬出・運搬の負担を軽減できる
- 解体やフロンガス回収など専門的な作業も一括対応
- 法令遵守で証明書(マニフェスト等)も発行可能
- 他の備品や什器も同時に処分できる
一方で、依頼時には以下の点に注意が必要です。
- 業者によってはガラス製ショーケースの取り扱いを断ることがある
- サイズや階段の有無などによって追加料金が発生する可能性がある
- フロンガスの回収対応がない業者も存在するため、事前確認が重要
4. 業務用冷蔵ショーケースの処分における特別な対応
冷蔵ショーケースは家庭用製品とは異なり、家電リサイクル法の対象外であることが一般的です。そのため、産業廃棄物としての処分が基本となり、許可を持つ業者に委託する必要があります。
特に重要なのが、フロンガスの回収義務です。冷媒として使われるフロン類は、大気中に放出されると地球温暖化に深刻な影響を及ぼします。したがって、フロン類の回収・破壊を正規に行える業者を選定し、作業後には回収証明書を必ず取得しておきましょう。

5. 処分前の準備と確認ポイント
サイズ・重量を正確に把握
処分をスムーズに行うためには、ショーケースの高さ・幅・奥行き・重量を正確に測定しておくことが重要です。これにより、搬出ルートの確保や必要な人員・機材の手配が容易になります。
棚板・ライトなどの再利用パーツを取り外す
ショーケースの内部にある棚板、照明、キャスターなどのパーツは、再利用や売却が可能なことがあります。処分する前に分解し、別途活用方法を検討してみましょう。
見積もり内容や契約書を丁寧に確認
業者に依頼する際は、見積もり書に記載された項目や契約書の内容をしっかり確認しましょう。解体費用、運搬費、階段作業の有無などが追加料金の対象になることもあるため、不明点は事前に問い合わせておくことが大切です。
企業向けショーケースの処分方法に関するよくある質問
Q1:企業で使用していたショーケースは何ゴミに分類されますか?
A: 企業から排出されるショーケースは、家庭ごみではなく「産業廃棄物」もしくは「事業系一般廃棄物」に分類されます。冷蔵ショーケースなどにはフロンや電装部品が含まれることが多いため、特に専門の処理が必要です。自治体の回収には出せません。
Q2:冷蔵ショーケースと常温ショーケースで処分方法に違いはありますか?
A: はい、あります。冷蔵ショーケースは冷却機能を持つため、フロン回収が義務化されており、家電リサイクル法やフロン回収・破壊法の対象になります。一方、常温ショーケース(ガラス棚など)は金属くず・ガラスくずとして取り扱われ、比較的簡易な解体・分別処理が可能です。
Q3:処分費用の目安はどれくらいですか?
A: 大きさや種類、内部機器の有無により異なりますが、
- 冷蔵ショーケース:1台あたり15,000~40,000円程度
- 常温またはガラス製ショーケース:10,000~30,000円前後
が一般的な目安です。搬出作業や階段の有無などにより追加費用がかかる場合もあります。
Q4:フロンガスが含まれているかどうかの確認方法は?
A: 製品本体に貼付された「銘板ラベル」または取扱説明書に「冷媒の種類(例:R134a、R404Aなど)」が記載されていればフロンガスが含まれている可能性が高いです。分からない場合は、メーカー名と型番で検索するか、専門業者に確認を依頼しましょう。
Q5:自分たちで分解して処分しても問題ないですか?
A: 基本的にはおすすめできません。とくに冷蔵機能があるショーケースの場合、フロンガスが漏れると大気汚染につながり法令違反となるおそれがあります。また、ガラス破損や金属の切断による怪我のリスクもあるため、専門業者に依頼するのが安全で確実です。
Q6:リユースや売却はできますか?
A: 状態が良好で、動作確認が取れるものであれば、リユース品として中古買取業者やフリマアプリなどで売却できる可能性があります。ただし、搬出・配送の手間やトラブルリスクを考慮する必要があるため、法人では不用品回収業者による引取を選ぶケースが多くなります。
Q7:自治体では回収してくれないのですか?
A: 原則として、事業活動で発生した不用品は自治体回収の対象外です。たとえ一般家庭でも使えそうな物であっても、企業や店舗から排出されたものは「事業系廃棄物」として自己処理が義務づけられています。
Q8:複数台まとめて処分する場合、安くなりますか?
A: はい、一括回収のほうが単価が下がるケースが多いです。業者によっては、同時搬出による作業効率が上がることで値引き対応をしてくれる場合もあります。見積依頼時に台数を伝えて交渉してみるのがおすすめです。
Q9:どんな業者に依頼すれば安心ですか?
A: 産業廃棄物処理の許可業者または産業廃棄物処理運搬許可の資格を持つ不用品回収業者がおすすめです。以下のようなポイントを確認しましょう:
- フロン回収の資格がある
- 処分証明書やマニフェストの発行が可能
- 産業廃棄物処理業許可証を保有している
- 顧客評価や実績がある
Q10:処分にあたって社内で準備すべきことはありますか?
A: 以下のような点を事前に確認・準備しておくとスムーズです:
- 機器の種類・サイズ・設置場所の確認
- フロン有無や動作状態の把握
- 搬出経路(階段・エレベーターなど)の情報整理
- 契約先への社内承認フロー
- 見積書取得・比較
まとめ|企業のショーケース処分は「安全・適正・効率的」に行うことが重要
企業向けのショーケース処分は、種類やサイズによって方法や手続きが大きく異なります。冷蔵ショーケースでは法令遵守のためにフロンガスの適切な回収が不可欠であり、常温・ガラス製ショーケースでも構造や破損リスクへの配慮が必要です。
処分の際は「環境配慮」「作業効率」「コスト削減」「法令遵守」という4つの視点を持ち、企業にとって最適な方法を選びましょう。信頼できる業者を選定し、事前準備を徹底することで、スムーズで安全なショーケース処分が実現します。

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[著者]

経歴:2019年にエコブレインに入社。以降5年間、広報部での経験を活かし、環境保護の重要性を広めるための活動に尽力している。特にデジタルマーケティングとコンテンツ制作に強みを持ち、多くの記事を執筆している。
趣味: 読書、ヨガ、カフェ巡り
特技: クリエイティブライティング、データ分析とマーケティング戦略立案