オフィスビルのゴミ回収完全対策:管理者が知っておくべき実践ポイント

オフィスビルでは、日々多種多様なゴミが排出されます。これらを適切に処理することは、清潔な職場環境の維持だけでなく、法令遵守やコスト管理、ひいてはビル全体の価値向上にも直結します。
本記事では、オフィスビルにおけるゴミ回収と廃棄物処理の基本から、分別ルール、回収業者選定のポイント、ITシステムの活用事例までを幅広く解説します。ビル管理会社やオーナー、施設管理者の方にとって、実務に役立つ情報が満載です。ぜひ最後までご覧ください。
※本記事で紹介している内容は一般的な事例を基に構成されていますが、ゴミの分別ルールや処理方法は自治体ごとに異なる場合があります。具体的な対応については、必ず管轄の自治体や契約している回収業者に確認してください。
オフィスビルで発生する主な廃棄物の種類とは?
オフィスビルでは、事務用品や飲食に関する廃棄物など、日常的に多くの「事業系一般廃棄物」が発生します。主な例としては以下の通りです。
- コピー用紙や封筒などの紙くず
- ペットボトル・缶・弁当容器といったプラスチック製品
- 社員食堂やカフェスペースで出る食品残渣や紙コップ
- ダンボールや梱包資材
また、印刷業や研究開発を行うテナントが入居している場合には、機器に使用されたオイルや試薬の容器など「産業廃棄物」に該当する物も排出されます。
重要なのは、同じビルから出る廃棄物でも種類に応じて処理方法や業者が異なるという点です。管理者はテナントごとに排出物の性質を把握し、適切な処理体制を整える必要があります。
事業系一般廃棄物と産業廃棄物の違いを正しく理解しよう
オフィスビルで出るゴミは、多くが「事業系一般廃棄物」とされ、通常の可燃ごみ・不燃ごみと似た分類に見えるかもしれません。
しかし、自治体が回収する家庭ごみとは異なり、事業者自身が自治体の許可を受けた回収業者と契約して処理する義務があります。
一方、産業廃棄物には、廃油、廃プラスチック、金属くず、ガラスくずなどが含まれます。これらは、「産業廃棄物収集運搬業」「産業廃棄物処分業」の許可を持つ業者のみが取り扱える廃棄物です。
また、産業廃棄物の処理には「マニフェスト制度(産業廃棄物管理票)」の活用が義務付けられており、排出者・運搬業者・処分業者それぞれが処理の流れを記録・管理する必要があります。違反が発覚すれば、排出元である企業も罰則の対象になります。

ゴミの正しい分別とよくあるミス事例
適切な分別は、リサイクル率の向上や処理コストの削減に直結します。しかし現場では、以下のようなミスが頻発しています。
- プラスチック容器に食品の残りが付着したまま捨てられる
- 紙くずとプラスチックを同じ袋に入れてしまう
- 紙コップ(内側にプラスチック加工がある)を紙ゴミとして処分する
- プラスチックに貼られた紙ラベルを剥がさずに廃棄する
こうした誤分別は、リサイクル処理の妨げになるだけでなく、回収業者に追加作業や追加費用を強いることにもつながります。
分別ミスを防ぐためには、ビル全体で明確なルールを設定し、掲示物・定期的なテナント向けの研修・情報共有アプリの導入などにより周知を徹底することが効果的です。
定期回収とスポット回収の選び方と特徴
廃棄物回収には主に「定期回収」と「スポット回収」があります。
定期回収
決められた曜日・時間に定期的に回収を行う契約です。テナント数が多く、廃棄物量が一定しているオフィスビルに適しています。
- メリット:安定したコスト、スケジュール管理が容易
- 注意点:繁忙期や引っ越し時の急増には対応しにくい
スポット回収
一時的に大量のゴミが発生した際に、個別に回収依頼を出す方法です。
- メリット:改装や移転時などに柔軟に対応できる
- 注意点:急な依頼には対応できない場合があり、繁忙期は予約が取りづらい
状況に応じて、定期回収をベースにスポット回収を組み合わせる運用が理想的です。
信頼できる回収業者の選び方と確認すべきポイント
業者選びでは、単に価格だけでなく、許可の有無・対応範囲・トラブル対応力・情報管理能力などを含めた総合的な評価が欠かせません。
チェックすべき項目
- 収集運搬および処分に関する法的許可を取得しているか
- サービス対象地域にオフィスビルが含まれているか
- マニフェスト対応、電子化対応が可能か
- 中間処理施設の運用状況(清潔さ、安全性)
- 急なスポット回収への対応力
違法業者や無許可業者を利用してしまうと、法令違反として排出元も処罰の対象になります。安心して任せられる業者と長期的な信頼関係を築くことが重要です。

回収費用と見積もりのポイント
ゴミ回収の費用は、以下の要素により変動します。
- 廃棄物の種類(可燃・不燃・産廃など)
- 排出量
- 定期 or スポット回収
- オプション作業の有無(分別代行など)
費用を適切に把握するには、複数業者から相見積もりを取得するのが基本です。その際、単価だけでなく、契約内容やサービス範囲まで含めて比較することが求められます。
また、ビルの稼働率やテナント構成が変化した際には、契約の見直しも必要です。柔軟な契約ができる業者を選ぶことが、長期的なコスト削減につながります。
ゴミ削減とコストカットの成功事例
コスト削減を実現したビルでは、以下のような工夫がなされています。
- 共用分別ステーションの設置
- テナント単位での排出量管理と意識向上
- ペーパーレス化や備品の共有化
- 分別の徹底とリサイクル率向上
- 廃棄データの定期分析と施策見直し
データの見える化と共有が進めば、無駄な廃棄や資材の購入を防ぎ、ゴミ削減とコストカットの両立が可能になります。
ITシステムやアプリを使った廃棄物管理の効率化
最近では、クラウド型廃棄物管理ツールやスマートフォンアプリを導入するビルが増えています。こうしたツールにより、以下のような効率化が可能です。
- テナントごとの排出量管理
- 回収スケジュールの自動通知
- 電子マニフェストによる書類管理の省力化
- 分別ミスの減少(リアルタイム通知)
たとえば、あるオフィスビルでは、テナント別の排出量をアプリで毎月可視化した結果、廃棄物量が20%減少し、回収コストも15%削減されました。テナントからの満足度も高く、清掃業務の効率化にもつながったと報告されています。
トラブル防止とよくある質問への対応
オフィスビルでは、以下のようなトラブルが発生しやすくなります。
- テナントによって分別ルールの認識が異なる
- 不適切なゴミが出され、回収が拒否される
- ゴミ置き場の使い方に関する苦情
これを防ぐには、定期的なルール周知とガイドラインの更新、そして管理者の迅速な対応体制が不可欠です。
また、自治体によっては「一部の事業系ゴミ」を自治体回収対象外としているケースもあります。排出ルールは必ず各自治体の指導要領を確認し、テナントにも正しく伝えることが重要です。

オフィスビルのゴミ回収に関するよくある質問
Q1. オフィスビルのゴミはどのように分別すればいいですか?
A1. オフィスビルのゴミは一般的に以下のように分別します:
- 可燃ごみ(紙くず・弁当がら・ティッシュなど)
- 不燃ごみ(ガラス・陶器・小型の金属類など)
- 資源ごみ(新聞・雑誌・段ボール・ペットボトル・缶・ビンなど)
- 産業廃棄物(大量のOA機器、家具、機密文書など)
ビル管理会社や自治体のルールに従って、適切に分別することが重要です。
Q2. オフィスから出るゴミは「一般廃棄物」か「産業廃棄物」のどちらに分類されますか?
A2. 一般的な事務作業から出るゴミ(紙くず、弁当容器など)は「事業系一般廃棄物」に分類されます。一方で、パソコン・プリンター・什器類・機密書類などは「産業廃棄物」として扱われる場合があります。廃棄物の種類によって回収業者や処理方法が異なるため、判断に迷ったら専門業者に相談しましょう。
Q3. オフィスビルのゴミは自治体の回収に出せますか?
A3. 事業活動に伴って出るゴミは、基本的に自治体の家庭用ゴミ収集では回収してもらえません。事業者は、自治体から許可を受けた「一般廃棄物収集運搬業者」と契約し、適切に回収してもらう必要があります。
Q4. オフィスの粗大ごみ(机・椅子など)はどうやって処分するのですか?
A4. オフィスの粗大ごみは、産業廃棄物として扱われるケースが多く、自治体での処理はできません。対応方法は以下の通りです:
- 専門業者に依頼する(産業廃棄物処理業者、オフィス清掃業者など)
- リユース業者に引き取ってもらう(状態が良い場合)
- オフィス家具のリサイクル業者に売却する
いずれの場合も「マニフェスト(管理票)」が必要になることがあります。
Q5. ゴミの回収頻度はどのくらいが一般的ですか?
A5. 回収頻度は、ビルの規模・入居企業の数・ゴミの量により異なりますが、一般的には週に2〜3回程度です。大量のゴミが出るオフィスでは毎日回収にしている場合もあります。契約時に業者と相談して、最適な頻度を設定しましょう。
Q6. オフィスの機密文書はどのように処分すれば安全ですか?
A6. 機密文書は、通常の可燃ごみに混ぜてはいけません。以下のような方法で安全に処分します:
- 溶解処理サービスの利用:密閉状態で運ばれ、そのまま溶解処分される
- シュレッダー処理:社内で裁断してから廃棄
- 機密文書専用の回収ボックスを導入する
業者によっては「機密抹消証明書」を発行してくれるところもあります。
Q7. オフィスビル全体で環境に配慮したゴミ管理を行うには?
A7. 以下のような取り組みが有効です:
- 各フロアに分別ステーションを設置する
- 社員にゴミの正しい分別方法を周知する
- リサイクル率の高い紙・容器類を優先して使用する
- 定期的に廃棄物の内容を見直し、削減策を導入する
また、ISO14001のような環境マネジメントシステムの導入も検討されると良いでしょう。
まとめ:適切なゴミ回収がオフィスビルの資産価値を守る
オフィスビルにおける廃棄物管理は、単なる清掃の一部ではなく、「法令遵守・コスト管理・環境施策・ビルのブランド価値向上」を支える重要な基盤です。
管理者は、ゴミの種類や分別方法を正しく把握し、信頼できる回収業者と契約を結ぶことで、トラブルを未然に防ぎ、効率的な廃棄物処理体制を構築できます。さらに、ITツールの活用やテナントとの連携を強化することで、持続可能なビル運営にもつながるでしょう。
廃棄物管理を見直すことは、テナントの満足度向上と長期的なコスト削減の両立を実現する第一歩です。今こそ、あなたのオフィスビルでも、未来を見据えたゴミ管理改革に取り組んでみませんか?

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[著者]

経歴:2019年にエコブレインに入社。以降5年間、広報部での経験を活かし、環境保護の重要性を広めるための活動に尽力している。特にデジタルマーケティングとコンテンツ制作に強みを持ち、多くの記事を執筆している。
趣味: 読書、ヨガ、カフェ巡り
特技: クリエイティブライティング、データ分析とマーケティング戦略立案