産業廃棄物ってなに?:金属くずの処理方法・費用を解説

事業活動に伴って発生する金属製品や金属の端材は、産業廃棄物の「金属くず」に該当することがあります。
金属くずは、鉄やアルミニウム、銅、ステンレスなどを含み、状態によってはリサイクル業者へ売却できる資源です。一方、異物や油が付着しているもの、複数の素材で構成されているものなどは、産業廃棄物として適切に処理しなければなりません。
産業廃棄物として処理する場合は、許可業者との委託契約やマニフェストの交付も必要です。
この記事では、産業廃棄物に該当する金属くずの種類、鉄スクラップとの違い、有価物として売却できるケース、処理方法、費用を左右する要因などを解説します。

産業廃棄物ってなに?
産業廃棄物とは、事業活動に伴って発生した廃棄物のうち、廃棄物処理法で定められた20種類などに該当するものです。
事業所から出たごみが、すべて産業廃棄物になるわけではありません。例えば、オフィスから出た生ごみや紙くずの一部は、事業系一般廃棄物に分類されることがあります。
一方、廃プラスチック類、金属くず、ガラスくず、廃油などは、排出する業種を問わず、事業活動に伴って発生した場合は原則として産業廃棄物に該当します。
金属くずについては、廃棄物処理法施行令第2条第6号で「鉄鋼又は非鉄金属の研磨くず及び切削くず等」と規定されています。
産業廃棄物に該当する金属くずとは
金属くずとは、事業活動に伴って発生した鉄や非鉄金属などの不要物です。
代表的なものとして、次のような金属製品や端材が挙げられます。
- 鉄筋や鉄骨
- 金属加工で発生した切削くずや研磨くず
- アルミサッシ
- 銅線や電線
- ステンレス製品
- スチール製の机や棚
- 金属製の什器やラック
- 機械部品や工具
- 空の一斗缶やドラム缶
- 解体工事で発生した金属製建材
- 金属製の厨房機器
- 使用済みの金属製器具
金属くずには、排出業種による限定がありません。そのため、製造工場や建設現場だけでなく、飲食店、小売店、オフィス、宿泊施設、医療機関などから発生したものも対象になります。
ただし、家庭から排出された金属製品は産業廃棄物ではありません。自治体が定める家庭ごみや粗大ごみのルールに従って処分します。

金属くずの主な種類
金属くずは、大きく「鉄くず」と「非鉄金属くず」に分けられます。
鉄くず・鉄スクラップ
鉄くずとは、鉄を主成分とする金属くずです。鉄スクラップとも呼ばれます。
主な例は次のとおりです。
- 鉄筋
- 鉄骨
- 鉄板
- スチール製什器
- 機械部品
- ボルトやナット
- 金属加工時の切削くず
- 解体工事で発生した鉄製建材
鉄は磁石に反応するため、比較的分別しやすい金属です。リサイクルの仕組みも確立されており、状態や量によっては有価物として売却できる場合があります。
非鉄金属くず
非鉄金属くずとは、鉄以外の金属を主成分とする金属くずです。
主な種類には、次のものがあります。
- アルミニウム
- 銅
- 真鍮
- ステンレス
- 鉛
- 亜鉛
- 金
- 銀
- レアメタル
特に銅やアルミニウム、真鍮などは資源価値が高く、適切に分別すると売却できる可能性があります。
ただし、買取価格は金属相場、純度、付着物、排出量などによって変動します。
複数の素材でできた製品
オフィス家具、家電製品、機械、電子機器などは、金属だけでなく、プラスチック、ガラス、ゴム、木材などが使われています。
このような製品を廃棄する場合、必ずしも金属くずだけに分類できるとは限りません。性状に応じて、次のような複数の産業廃棄物に分類されることがあります。
- 金属くず
- 廃プラスチック類
- ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず
- ゴムくず
- 木くず
「金属が多く使われているから金属くず」と一律に判断せず、処理業者や管轄自治体へ確認することが大切です。
金属くずが発生する主な場所
工場・製造業
工場では、製品の加工や設備の交換に伴って、切削くず、研磨くず、金属製端材、機械部品などが発生します。
切削油が付着している金属くずは、そのままでは買取やリサイクルが難しくなることがあります。油の付着状況によっては、金属くずと廃油の両方に関係する処理が必要です。
建築・解体現場
建築工事や解体工事では、鉄筋、鉄骨、トタン、アルミサッシ、金属製配管などが発生します。
建設工事に伴って発生する廃棄物については、原則として元請業者が排出事業者になります。元請業者は、適切な分別、保管、委託契約、マニフェスト管理などを行わなければなりません。
小売店・飲食店・オフィス
店舗やオフィスの移転、改装、閉店時には、スチール棚、ロッカー、机、厨房機器、金属製ラックなどが大量に発生することがあります。
金属と木材、ガラス、プラスチックなどが一体になっている什器は、解体や分別作業が必要になる場合があります。
医療機関
医療機関では、金属製の器具、ロッカー、ベッド、キャビネットなどが発生します。
ただし、血液などが付着した鋭利な器具や感染性を有するものは、一般的な金属くずではなく、感染性産業廃棄物などとして取り扱う必要があります。通常の金属くずと混ぜてはいけません。
金属くずと有価物の違い
金属くずは、種類、純度、量、保管状態などによって、有価物として売却できる場合があります。
ただし、売却できる可能性があるというだけで、自動的に有価物になるわけではありません。
廃棄物に該当するかどうかは、次のような要素を総合的に考慮して判断されます。
- 物の性状
- 排出された状況
- 通常の取扱方法
- 取引価値の有無
- 排出者の意思
- 売却代金と運搬費用の関係
例えば、金属くずの売却代金よりも運搬費用が高く、排出事業者が実質的に費用を負担する場合は、運搬中の金属くずが産業廃棄物として扱われる可能性があります。
有価物か産業廃棄物か判断が難しい場合は、自己判断で処理せず、管轄自治体や専門業者へ確認してください。
金属くずを処分する方法
有価物として売却する
異物の少ない鉄、銅、アルミニウム、ステンレスなどは、スクラップ業者やリサイクル業者に売却できる場合があります。
売却しやすくするためには、次の対応が有効です。
- 金属の種類ごとに分別する
- 木材やプラスチックなどの異物を取り除く
- 油や液体を除去する
- 雨水や泥が付着しないように保管する
- 一定量をまとめて排出する
適正な有価物取引に該当する場合、原則として産業廃棄物のマニフェストは必要ありません。ただし、廃棄物か有価物かは取引の名称だけで決まらないため、契約内容や運搬方法も含めた確認が必要です。
産業廃棄物として処理を委託する
売却できない金属くずは、金属くずを取り扱える産業廃棄物処理業者へ処理を委託します。
基本的な流れは次のとおりです。
- 金属の種類、量、付着物を確認する
- 金属くずとほかの廃棄物を分別する
- 処理業者の許可品目と許可地域を確認する
- 収集運搬業者・処分業者と書面で委託契約を結ぶ
- 廃棄物を適切に保管する
- 引き渡し時にマニフェストを交付する
- 運搬・処分・最終処分の終了を確認する
無許可業者へ委託した場合、処理業者だけでなく排出事業者側も責任を問われる可能性があります。
リサイクル処理を行う
回収された金属くずは、選別、切断、圧縮、破砕などの中間処理を経て、鉄や非鉄金属ごとに分けられます。
その後、製鉄所や精錬施設などで新しい金属製品の原料として再利用されます。
ただし、油、塗料、プラスチック、木材などが付着・混入していると、追加の分別や前処理が必要です。分別状態は、リサイクル率と処理費用の両方に影響します。
最終処分を行う
リサイクルが困難な金属くずは、最終処分場で埋立処分される場合があります。
金属くずは安定型産業廃棄物に含まれますが、すべての金属くずを安定型最終処分場へ搬入できるわけではありません。
自動車等破砕物、廃プリント配線板、鉛蓄電池の電極、鉛製の管や板、一定の廃容器包装などは対象外です。また、安定型産業廃棄物以外の廃棄物が付着・混入していないことも求められます。

金属くずを処分するときのマニフェスト
排出事業者が金属くずの収集運搬や処分を他社へ委託する場合は、原則として産業廃棄物管理票(マニフェスト)を交付します。
マニフェストは、委託した産業廃棄物が契約どおりに運搬・処分されたかを確認するための管理票です。
排出事業者は、マニフェストを交付するだけでなく、処理業者からの終了報告を確認し、最終処分まで適正に行われたことを把握する必要があります。
なお、適正な有価物として売却する場合や、排出事業者が自ら処理する場合など、マニフェストの交付対象にならないケースもあります。
金属くずの保管で注意すること
産業廃棄物として排出する金属くずは、回収されるまで適切に保管しなければなりません。
主な注意点は次のとおりです。
- 保管場所の周囲に囲いを設ける
- 必要事項を記載した掲示板を設置する
- 飛散や流出を防止する
- ほかの廃棄物と混合しないように分別する
- 油や液体が漏れないようにする
- 雨水や泥の混入を防ぐ
- 鋭利な金属で作業者が負傷しないようにする
- 保管量や搬出日を管理する
特に切削くずや使用済み容器は、油や薬品が付着していることがあります。内容物が残っている場合は、金属くずとは別の処理が必要になる可能性があります。
金属くずの処理費用
金属くずの処理費用に、全国一律の公的な価格はありません。
費用は、主に次の条件で変わります。
- 金属の種類
- 排出量
- 金属の純度
- 油や塗料などの付着状況
- 異物の混入量
- 分別や解体作業の有無
- 収集車両の種類
- 運搬距離
- 階段や養生などの搬出条件
- 処理施設の受入条件
- 金属相場
純度が高く、十分な量がある金属は、処理費用がかからず、買取対象になる場合があります。
一方、複数の素材が混在しているもの、油や塗料が付着したもの、現地で解体・搬出作業が必要なものは、処理費用に加えて収集運搬費や作業費が発生します。
「1kg当たりの処理単価」だけでは総額を判断できません。車両費、最低回収料金、作業員費、分別費などを含めた見積もりを確認することが重要です。
金属くずの処分はエコ・ブレインへご相談ください
金属くずは、適切に分別するとリサイクルや売却が可能になる一方、異物や油が付着しているもの、複数素材でできた製品などは、産業廃棄物としての適切な処理が必要です。
エコ・ブレインでは、金属くずの種類や排出状況を確認したうえで、適切な処理方法をご提案します。
東京23区をはじめとする関東圏はもちろん、全国の協力ネットワークを活用した対応も可能です。
- 金属くずとほかの廃棄物をまとめて処分したい
- 有価物として売却できるか分からない
- 分別方法が分からない
- 移転や閉店に伴う什器を処分したい
- 解体・原状回復・残置物撤去もまとめて依頼したい
- 委託契約やマニフェスト管理に不安がある
このようなお悩みがありましたら、エコ・ブレインまでお気軽にお問い合わせください。
金属くずに関するよくある質問
Q1. 事業所から出た金属製品はすべて産業廃棄物ですか?
事業活動に伴って不要になった金属製品は、原則として金属くずに該当します。ただし、適正な有価物として売却できる場合は、廃棄物に該当しない可能性があります。
Q2. 金属くずは買い取ってもらえますか?
鉄、銅、アルミニウム、ステンレスなどは、種類、純度、量、相場によって買取対象になることがあります。異物や油が付着している場合は、買取価格が下がるか、処理費用が発生することがあります。
Q3. 金属製のオフィス家具は金属くずですか?
スチール製の机や棚は金属くずに該当することがあります。ただし、木材、ガラス、プラスチックなどが組み合わされている場合は、複数品目の混合廃棄物として扱われる可能性があります。
Q4. 金属くずの処分にマニフェストは必要ですか?
産業廃棄物として収集運搬や処分を委託する場合は、原則として必要です。適正な有価物として売却する場合は原則不要ですが、取引の実態を踏まえた判断が必要です。
Q5. 解体工事で発生した金属くずは誰が処理しますか?
建設工事に伴って発生した廃棄物は、原則として元請業者が排出事業者となり、適正処理の責任を負います。有価物として売却する場合を除き、許可を持つ収集運搬業者・処分業者への委託が必要です。
Q6. 金属くずの処分をエコ・ブレインへ相談できますか?
はい。エコ・ブレインでは、金属くずを含む事業系廃棄物について、分別方法の確認、処理業者の選定、収集運搬・処分の手配、マニフェスト管理などをご相談いただけます。
まとめ
金属くずは、廃棄物処理法で定められた産業廃棄物の一種です。鉄、アルミニウム、銅、ステンレスなどが含まれ、状態によっては有価物として売却できます。
一方、産業廃棄物として処理を委託する場合は、処理業者の許可確認、書面による委託契約、マニフェストの交付、最終処分の確認が必要です。
金属の種類、付着物、異物の混入、搬出条件などによって、適切な処理方法と費用は異なります。判断が難しい場合は、自己判断で廃棄せず、専門業者や管轄自治体へ確認しましょう。

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[著者]

経歴:2019年にエコブレインに入社。以降5年間、広報部での経験を活かし、環境保護の重要性を広めるための活動に尽力している。特にデジタルマーケティングとコンテンツ制作に強みを持ち、多くの記事を執筆している。
趣味: 読書、ヨガ、カフェ巡り
特技: クリエイティブライティング、データ分析とマーケティング戦略立案











