エコブレイン

コラム

コラム

ガソリン価格の推移は?高騰の理由や見通しも

2023/05/24
電気自動車を選択する人も増え、車の低燃費化が進んだこともあり、最近では給油の機会が減った方も少なくはないでしょう。それでも多くの方はまだガソリンを必要としており、車の維持費の大部分をガソリン代が占めます。

普段、何気なく給油するガソリンや軽油ですが、ガソリンスタンドの表示やレシートを見るとその価格の高さに驚いた、という体験を最近した方もいるのでは?2021年頃から燃料費の高騰が始まっており、依然その価格は高いまま。

今回は、ガソリンや軽油の種類や価格推移、今後の価格の見通しなどについてまとめています。

(写真素材:photo AC)


ガソリンの種類は?

まず、ガソリン、および同じ石油から作られる燃料として軽油、灯油について説明していきます。車の燃料であるガソリンは、「ハイオク」と「レギュラー」に分けられます。

・レギュラー
レギュラーとハイオクの違いは「オクタン価」。オクタン価とは、ガソリンの発火のしにくさをを示す尺度です。オクタン価数値が高いほど、エンジン内の異常燃焼やそれによる振動(ノッキング)現象を起こしにくくなります。

日本工業規格(JIS)の規定においては、オクタン価は96以上がハイオク、96未満89以上のものをレギュラーガソリンとされています。日本で生産される車の多くは、レギュラーガソリン仕様となっており、レギュラーガソリンはもっとも一般的な燃料であると言えます。

・ハイオク
ハイオクはオクタン価96以上のガソリンで、外国製の車やスポーツカーなどの高排気量車向けの高オクタン価ガソリンです。

価格はレギュラーガソリンより10円程度高く設定されていますが、その理由はオクタン価の高さにあります。オクタン価を高めるための添加剤と、エンジン内部をクリーンに保つための薬剤が加えられているため、レギュラーガソリンに比べて高性能であり、価格が高くなっています。

・軽油
軽油はガソリンよりも沸点が高く、常温状態でも燃焼しやすいガソリンと比べ高温高圧の状況下で燃焼します。そのため、軽油はガソリンよりも高出力で熱効率がよい燃料になります。また、軽油はガソリンを蒸留する過程で採取してできるもののため、通常、ガソリンよりも安価です。

なお、軽油はディーゼルエンジンの燃料としての使用に限られます。ディーゼル車はガソリン車とはエンジンの仕組みが異なるため、軽油を燃料とする車種以外は軽油が使えない構造となっています。ディーゼル車にガソリンを給油すること、そしてガソリン車に軽油を給油することはできません。

・灯油
灯油も、原油を蒸留して抽出される石油精製品です。灯油の沸点は170℃〜250℃程度と、経由と同様、ガソリンよりも沸点が高いです。主に家庭用の暖房機器などの燃料に使われます。


ガソリン価格の決まり方は?

では、ガソリンの価格はどのようにして決められているのでしょうか?
ガソリンスタンドで販売される小売価格は次のように算出されます。

・ガソリン小売価格=原油価格+精製費+輸送費+企業利益+税金

この中でも原油価格税金は大きな割合を占めています。

・税金
レギュラーガソリンの場合、以下の5種類の税金がかかる仕組みとなっています。

  • 石油石炭税
  • ガソリン税(本則:揮発油税+地方揮発油税)
  • ガソリン税(暫定)
  • 地球温暖化対策税(環境税)
  • 消費税(本体価格+ガソリン税+石油石炭税+原油関税に課す)

消費税以外の金額は固定となっており、ガソリン税が53.8円(本則:28.7円、暫定:25.1円)、石油石炭税が2.04円、温暖化対策税が0.76円です。そして消費税10%は、ガソリン税や石油諸税などそれぞれにかかります。

・原油価格
ガソリンの原料である原油価格は、先物取引価格と為替レートによって決まり、その時々の市場の需要と供給のバランスによって変動します。需要面では世界経済の景気動向や石油製品の需要動向、供給面では産油国の供給動向や政治情勢などに影響されます。また、投機的資金によっても上下します。

なお、原油価格の国際的な指標はブレント原油価格、米国の指標はWTI(ウェスト・テキサス・インターミディエイト)、アジアの指標はドバイ原油価格とされ、三大指標とされています。


ガソリン代の現状・推移は?

資源エネルギー庁が発表している石油製品の店頭小売価格週次調査によると、ガソリン、ハイオク、軽油そして灯油のここ3年の価格推移は以下のようになっています。



5月15日時点でのレギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均価格は167.8円、前週から横ばいの推移となりました。ハイオクは178.5円、軽油は147.9円で、ともに前週より0.1円の値下がり。灯油は店頭価格が前週から2円安の1,994円、配達が前週と同価格の2,163円でした。

なおガソリン代について、地域別では北海道が前週比0.5円高の167.0円、東北は0.1円高の165.8円、関東は0.3円安の166.7円、中部は0.4円安の167.0円、四国は0.5円高の170.9円、九州沖縄は0.1円安の171.5円。近畿(167.4円)と中国(166.0円)は、ともに前週と同価格でした。

いずれもピーク時よりも値下がりも見せてはいますが、価格高騰が見られた2021年2月以前と比較すると高止まりしている状態です。

・ガソリン代高騰の理由
2021年から値上がりが始まり、2022年春頃には175円まで大幅に高騰しました。ガソリン代が高騰した理由には、ロシアによるウクライナ侵攻の影響が大きくあります。各国はロシア産原油の輸入禁止などの経済制裁を行っていますが、ロシアは一大産油国。原油の供給の不透明さが、原油価格にも大きな影響が及んだと言われています。

そのほか、新型コロナ感染拡大からの経済活動の回復や、2022年初めから円安が急激に進行したことなども要因とされます。

・ガソリン代高騰が落ち着いた理由
原油価格が一時の高騰に比べてかなり落ち着きを見せたため、ガソリン代も一時に比べると値下がりしています。

また、政府がガソリン価格の高騰を受け、石油元売り企業に補助金を出す価格抑制策を実施していることも挙げられます。ガソリン、軽油、灯油、重油を対象に2022年1月から1リットルあたり5.0円、3月から25円、4月から35円を上限に石油元売り会社へ補助金を支給。

ただし、2023年1月~5月にかけて上限35円を毎月2円ずつ引き下げ、6月以降は段階的に引き下げる方針で進めています。なお、上限を超過した分への半分の支援は維持されます。この燃料油価格激変緩和措置は、2023年9月末まで実施される予定です。

ガソリン代の今後の見通し

米中の燃料需要に対する懸念により原油価格の下落が続いています。こうした中、OPECプラスを構成する複数の産油国は価格押し上げのため、5月から23年末まで日量約116万バレル(116万B/D)を「自主減産」しています。なお、6月に開催する会合ではさらなる追加減産はしない方針が示されています。

また不安定なウクライナ情勢、円安ドル高などからも、原油価格の先行きは不透明です。依然緊迫する世界情勢の影響などからガソリン価格は今後も高止まりが続く可能性があると考えられます。

また、現在、政府が実施している燃料油価格激変緩和措置によって値上がりは抑制されています。しかし、期間は今年9月までであり、それ以降は未定であるため値上げするおそれもあるでしょう。



いかがでしたでしょうか?

今回はガソリンの種類および価格推移についてまとめてきました。

ガソリン代は未だ多くの車を動かすため、必須の燃料です。日常生活ではもちろん、事業を進めるにあたっても、車に乗らないという選択肢を選べる方は多くないでしょう。高くなる燃料費を節約するために、小型車や電気自動車への乗り換えも選択肢の一つです。しかし車両購入には多額の費用がかかるため、慎重に検討することが必要になります。省燃費運転や、徒歩・自転車を利用して車を使う頻度を減らすことも燃料代の節約には有効です。

これからは企業にも個人にも、脱炭素や再生可能エネルギーに対する取り組みが求められていくことでしょう。再生可能エネルギー発電へのシフトを考えている場合は、制度や助成金などの支援制度を調べてみても良いでしょう。

弊社エコ・ブレインでは、再エネ導入の実現に向けて、柔軟に対応することが可能です。お客様の状況に合わせた取り組みを多種多様ご提案させていただきますので、まずはお気軽にお問い合わせ頂ければ幸いです。

「ごみがたくさんある」「ごみの分別がわからない」「リサイクル率を上げたい」など、ごみについてお困り・お悩みがある場合は、ごみの専門家であるエコ・ブレインにおまかせください!
長年ごみ問題に携わり、解決に導いてきた知識と経験のあるスタッフが、皆さんのごみにまつわるお悩みを解決します。

エコ・ブレインでは、東京23区をはじめ東京都含めた関東圏はもちろん、今まで築いてきた全国各地の協力ネットワークもフル活用し、北海道から沖縄まで日本全国が対応エリアとしています。廃棄物の分別も弊社が行いますので、分別の仕方が分からないという方もご安心ください!

エコ・ブレインの対応地域(東京エリア)
中央区、千代田区、文京区、港区、新宿区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区、渋谷区、中野区、杉並区、練馬区、板橋区、豊島区、北区、台東区、墨田区、江東区、荒川区、足立区、葛飾区、江戸川区
八王子市、立川市、武蔵野市、三鷹市、青梅市、府中市、昭島市、調布市、町田市、小金井市、小平市、日野市、東村山市、国分寺市、国立市、福生市、狛江市、東大和市、清瀬市、東久留米市、武蔵村山市、多摩市、稲城市、羽村市、あきる野市、西東京市、西多摩郡、瑞穂町、日の出町、檜原村、奥多摩町


ごみの処分など廃棄物関連にお困りの方、疑問がある方など、ぜひエコ・ブレインまでお問い合わせください!

現状のごみ処理が適切かどうか分からない、ごみにかかるコストをもっと下げたい、突発的にでた大量のごみをどうにかしたい、臭いや騒音問題で近隣から苦情が多発、とにかくごみ問題で困っている!など、どんなごみのお悩みもお任せください。20年以上様々なごみ問題を解決してきた実績とノウハウがあります。困った!の電話一本いただければ、経験豊富なコールセンターが迅速に対応いたします。今まで築いてきた全国各地の協力ネットワークもフル活用。北海道から沖縄まで日本全国が対応エリアです。大小関係なくごみの困ったは弊社ごみの専門家までお気軽にご相談ください。

メール お問い合わせ