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広がる「水平リサイクル」「ボトル to ボトル」とは?

2022/08/18
私たちの暮らす地球は、現在様々な環境問題を抱えています。IEP(シンクタンク経済平和研究所)の報告書(2020年9月)によれば、2050年には世界の地球環境問題が悪化し、世界人口の10億人以上は避難民として暮らすと予想がなされています。

環境問題は日本だけではなく、世界中で解決すべき喫緊の課題です。各国で環境保全に取り組む姿が見られており、国だけではなく一企業、一個人も取り組むことが推奨されます。

環境を守るために私たちができることの1つとして「リサイクル」があげられます。近年は科学技術の向上等により、さまざまな製品がリサイクルされるようになっています。そうした中で、現在水平リサイクルと呼ばれるリサイクル方法が注目され、広がりを見せています。

今回は「水平リサイクル」について、またそのうちの一つボトル to ボトルについて見ていきます。



「水平リサイクル」とは?

「水平リサイクル」とは、使用済み製品を原料として用いて、また同じ製品として生まれ変わるリサイクルシステムのこと。

以前から「アルミ缶からアルミ缶」「段ボールから段ボール」といった形のリサイクルは行われていました。では、なぜ最近注目を集めているのかというと「ペットボトルからペットボトル」「詰め替え容器から詰め替え容器」「紙オムツから紙オムツ」など、新たな商材が水平リサイクルが可能となっているためです。

従来、カスケードリサイクルや焼却、埋立処分されていた物が技術の進歩により「水平リサイクル」が可能となっています。限りある資源を有効活用でき、さらに二酸化炭素の排出量も軽減できるなど、より環境にやさしいリサイクル方法ということもあり、SDGsやESGに取組む企業などで注目を集めているのです。

★カスケードリサイクルとは…
Reduce=ペットボトル軽量化のパイオニアとして容器の軽量化を推進
Recycle=BtoBの技術でより環境に優しいリサイクル
Bio=脱石油資源を目指し植物由来樹脂を積極的に活用



ペットボトルの水平リサイクル:ボトルtoボトル

水平リサイクルのうち「ボトルtoボトル」とは、使用済みペットボトルをリサイクルし、新たなペットボトルに再利用することを「ボトルtoボトル」と言います。同じボトルを再使用=リユースする、いわゆるリターナブルペットボトルは含みません。

ペットボトルの水平リサイクルは、新規化石由来原料が不要のため、通常のペットボトル製造工程に比べ、CO2排出量を抑制でき、繰り返しリサイクル可能な点が特長です。ただ、異物等が入ってしまうと、再生できる量が減ったり、品質が下がるなどの悪影響が出てしまいます。ボトルtoボトルを進めるためには、本体(PET樹脂)、キャップ(PPやPE)、ラベル(PPやPE、PS)を分別すること、ペットボトル以外の異物が入らないようにするなど、適切な回収が求められます。



現在、「ボトルtoボトル」の取り組みが小売り大手で加速しています。コンビニエンスストアやショッピングモールなど、日常生活で利用機会が多い店舗でペットボトル回収できるようになっており、利用客も気軽に資源循環に参加が可能。ペットボトルの回収に参加するろ、ポイントやマイルに還元され、お得に買い物ができるようにしている企業も多くあります。

※こちらの記事で詳しく紹介しています→

また、飲料メーカーなどの企業と協働して、ボトルtoボトルの事業に取り組む自治体も増えており、ボトルtoボトル含む水平リサイクルは着実に拡大していると言えるでしょう。



広がるペットボトルの水平リサイクル

ここでは広がりを見せる「ボトルtoボトル」について、最近の動きをご紹介します。

■ウエルシア
11月から、ウエルシアの近畿地域と東海地域の一部を含む310店舗を対象に「ボトルtoボトル」水平リサイクルが開始されます。三重県内の29店舗で先行開始し、順次拡大していく見通しです。

ウエルシアは、プラスチック資源循環社会を進めるため2020年9月より栃木県内店舗店頭でペットボトルの店頭回収の実証実験をスタート。翌年6月より本格的に栃木県全域、茨城県の一部で順次「ボトルtoボトル」の取り組みを実施してきました。サントリー食品インターナショナル株式会社、ウエルシア薬局株式会社、協栄産業株式会社の3社が協働し、この取り組みが開始となりました。

ウエルシアの対象店舗で回収した使用済みペットボトルを、サントリーが飲料用ペットボトル容器として再生・使用することで、「ボトルtoボトル」水平リサイクルを実現していくとのこと。


(写真素材:サントリー)

サントリーグループは、2012年に国内清涼飲料業界で初めてリサイクル素材100%のペットボトルを導入しました。さらに従来よりもCO2排出量を低減する世界初の「FtoPダイレクトリサイクル技術」を開発など、長年にわたり積極的に「ボトルtoボトル」水平リサイクルを実用化・推進してきた実績があります。



■東京タワー
8月8日より、東京タワー塔下のフットタウンビル及び東京タワーの展望台(メインデッキ)で「ボトルtoボトル」水平リサイクルの取り組みが本格的に開始しました。これは、株式会社TOKYO TOWERとサントリー食品インターナショナル株式会社の2社協働によるもの。

東京タワーでは、フットタウンビルや展望台にオリジナルデザインのリサイクルボックスを設置。さらにパネルなどを用いて、来場者の方々に対し、ペットボトルの分別投入の啓発を実施します。東京タワーで回収した使用済みペットボトルは、サントリーの飲料用ペットボトル容器として再生・使用することで、「ボトルtoボトル」水平リサイクルを実現します。


(写真素材:サントリー)

今後も協働で啓発活動を実施する予定とのこと。代表的な観光スポットである「東京タワー」でこうした活動がされることで、ペットボトルが循環資源であるとの認知が広がると期待されます。



■東播磨2市2町
2021年2月にサントリー食品インターナショナル株式会社と、東播磨の2市2町(兵庫県高砂市、同加古川市、同加古郡稲美町、同加古郡播磨町)が、住民・行政・事業者が三位一体で「ボトルtoボトル リサイクル事業」に関する協定を締結しました。「ボトルtoボトル」水平リサイクルを同年4月より開始し、さらに域内工場で製品にして、東播磨エリアに出荷・還元しています。

複数自治体と企業が連携し「ボトルtoボトル」リサイクルに取り組むこと、このスキームで生み出されたリサイクルペットボトルを域内事業者が製造し、地域へ出荷・還元すること、双方とも国内初の取り組みです。




いかがでしたでしょうか?

今回は「水平リサイクル」「ボトル to ボトル」について見てきました。
現在、企業はSDGsやESGの取組みをしていくことが求められており、各企業で水平リサイクルやボトル to ボトルの事業が進められています。

2015年にSDGsが国連サミットで採択され、「サスティナビリティ(=持続可能性)」が注目されれるようになり、企業は環境や社会、経済に配慮したサスティナブルな経営を求められています。サスティナブルな取り組みを行うことは、企業イメージが向上やブランディングにつながります。

企業のサステナブルな活動はSDGs、CSRやESGとともに今後さらに注目されることになります。当社エコ・ブレインでもサスティナブル経営やSDGsへの取り組み等、各社動向にアンテナ張っております、サスティナブル経営・SDGs取り組みなどについてご相談がある方は、エコ・ブレインまでご相談ください!ペットボトルからペットボトルのリサイクルスキームのご提案をしております。検討中の企業様は、是非ご連絡下さい!飲料メーカー様も大歓迎です。



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