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近年話題の「フードバンク」とは?

2022/04/13
「食品ロス」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? これは、「まだ食べられるにも関わらず捨てられてしまう食品」のことを指し、日本含め、先進国では食品ロスが大量に発生しています。しかしその一方で、世界では栄養不足、慢性的な飢餓に陥っている状況の地域もあるのです。

こうした現状から、食品ロス問題解決に向けた動きが世界各国で見られており、それは日本で同様です。食品ロスの削減のため、賞味期限の延長や年月表示、「3分の1ルール」の見直しなど、さまざまな取り組みが行われています。そして、取り組みの一つとして、「フードバンク」活動というものがあります。

今回は「フードバンク」について概要など企業等の活動をご紹介していきます。


フードバンクとは?

まず「フードバンク」とは、包装の破損や印字ミス、過剰生産などの理由から、安全に食べられるのに流通に出すことができない食品・食材を、NPO等が企業などから引き取り、必要としている施設や団体、困窮世帯に無償提供するボランティア活動です。

フードバンクは、アメリカでは1967年に開始され現在では200以上のフードバンク団体が活動しています。他にもフランス、カナダ、イギリス、オーストラリアなど世界中の様々な国でフードバンク活動が実施されています。

日本では2000年以降フードバンクが設立され始めました。しかし、食品ロス問題や貧困問題への認識がまだ国内に浸透していないこともあり、上記の各国に比べ、フードバンク活動の認知は十分とは言えません。

食品ロス削減のみならず、生活困窮者支援の観点からも、その役割の重要性が高まっているフードバンク。農林水産省では、食品ロス削減を図る一つの手段としてフードバンク活動を支援しています。なお、農林水産省が活動を把握しているフードバンク178団体についてはこちらからご覧いただけます。



フードバンクの仕組み

それでは、フードバンクの仕組みついて、大まかな流れをご紹介していきます。

■食品を集める
食品製造や輸入業者、小売業者などから余剰食品や包装破損や印字ミスなど品質に問題ない食品を寄贈してもらいます。また、家庭で余っている食品を回収する活動であるフードドライブなどで、食品を集めます。

■食品の貯蔵・配達先の検討
寄贈された食品は安全に貯蔵され、児童養護施設や女性シェルター、コミュニティセンターなど食糧が必要な施設や団体を検討します。

■食品を届ける
施設や団体の検討を行い、食糧が最も必要と思われる人に宅配業者や食糧や運搬を通してフードバンクが配達します。


フードバンクの存在は、地域・社会にとって様々なメリットがあります。
食品を受取る側のメリット
1.食費の節約
2.心身の充足感
3.食育の面

食品を提供する企業側のメリット
1.廃棄コスト・環境負荷の削減
2.従業員のモティベーションアップ
3.社会貢献活動の実施・CSR活動アピール

行政のメリット
1.食品廃棄物の削減
2.財政負担の軽減
3.地域活性化


フードバンクで取り扱える食品

団体によりますが、フードバンクで取り扱える食品は決まっており、どんな食材でも良いというわけではありません。

フードバンクでは、食べ物をただ寄付するのではなく、「マッチング」といって、必要なものを必要な数だけ必要な場所に提供します。このマッチングは、フードバンク活動においてとても重要な機能となっています。

そのマッチングを適切に行うため、フードバンクで取り扱う商品は、加工食品の場合賞味期限が1ヶ月以上のものや生鮮食品を受け付けています。なお、農林水産省がフードバンク活動における食品の取扱い等に関する手引きを作成、公表しています。フードバンク活動を検討している方は、一度目を通すと良いでしょう。

取り扱える食品例
・缶詰などの加工食品
・野菜・果物など生鮮食品
・(賞味期限の近い)防災備蓄品
・米・パンなど穀物
・冷凍食品 など

取り扱えない食品例
・販売期限と消費期限の間隔が短く配送ができないお弁当や食品
・食べ残し食品(衛生上の問題から)
・賞味期限が切れた食品や賞味期限の記載がない食品(安全上の理由から) など



フードバンクの食品の取扱方法

フードバンクは、食品提供企業から食品を受け取り、保管し、福祉施設や団体への配送を行います。この時の食品の取り扱い方は、食品や団体によって、主に以下の4つのパターンがあります。

在庫型
食品提供事業者からの食品を倉庫で保管し、必要に応じて配送する方法。
フードバンクが倉庫を所持し、受け入れた食品を在庫として保管し、必要に応じて福祉施設などに配送します。規模の拡大に導入されるケース多く、データや品質管理がしやすいメリットがあります。8割のフードバンクがこの方法を採用しています。



クロスドッキング型
直接拠点に集約して配送する方法。
食品を一時的に本部などの拠点に集約し、仕分けを行ってから出荷します。配送を外部委託しやすかったり、受け取り側に応じた仕分けなどが可能といったメリットがあります。



引取・配送型
倉庫を使わずに直接配送する方法。
食品提供事業者や団体などにフードバンクが派遣したスタッフが直接受け取り、福祉施設にそのまま届けます。小規模フードバンクや狭いエリア内での活動、消費期限までの期限が短い場合などに向いている手法です。


仲介型
配送や輸送などは福祉団体に委託し、フードバンクは福祉団体や食品提供企業との調整に特化した方法です。生鮮食品などを取り扱う場合などに提供しやすくなります。




企業のフードバンクへの取り組み

現在、国内の多くの企業がフードバンク活動に取り組んでいます。ここではその一部をご紹介します。

セブン&アイグループ
イトーヨーカドーでは、2017年度から一部の店舗から出る賞味期限前の商品を、フードバンク団体へ寄付しており、寄付重量は累計約4トンとなっています。(2021年5月現在)

また、セブン-イレブン・ジャパンでは、閉店・改装時に在庫となった加工食品をフードバンク団体への寄付を始めています。2018年度からは自治体と地域包括連携協定を締結し、社会福祉協議会への寄付も行っています。


エバラ食品グループ
フードバンク活動を行うセカンドハーベスト・ジャパン(認定NPO法人)に、2019年度から商品提供を開始。累計16アイテム1,385ケースを寄贈しています。(2021年9月30日現在)

また、エバラ食品では、2020年度からフードドライブを実施。従業員が各家庭からカップラーメンや缶詰、レトルト食品などを持ち寄り、フードバンク横浜(NPO法人)へ寄贈しています。


伊藤忠食品
同社保有株式の株主優待品や展示会出展メーカーからのサンプル品、規格外商品を、フードバンク活動を行うNPO法人を通じて生活に困窮した方々の支援団体や児童養護施設に寄付。






いかがでしたでしょうか?

今回は「フードバンク」活動について見てきました。

食品ロスや貧困層の増加は日本を含め、世界中で大きな課題となっています。フードバンクは、この課題を解決するために有効な手法の一つであり、日本でも活動が広がっていますが、未だ認知度は高いとは言えません。

ただ、新型コロナ感染症拡大により、学校給食や飲食店から大量の食品ロスが問題となり、その解決手法としてフードバンクが取り上げられたことで、メディアなどを通して存在を知った人も増えたことでしょう。フードバンクを運営するには、企業や個人の協力が必須です。

フードバンクに取り組むことは、上記でも述べたように企業にもメリットがあります。フードバンク活動に興味があるという企業様は、地域のフードバンク団体やボランティアに参加や寄付をするなどのできる範囲のことを検討してみてはいかがでしょうか?

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