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「あわせ産廃」とは? 一般廃棄物と産廃の違いから解説

2022/03/28
日々の生活や仕事をする中で、私たちは様々なごみ=廃棄物を排出しています。廃棄物は「一般廃棄物」と「産業廃棄物」に大別されています。

事業活動に伴い排出された廃棄物に限ってみると、「事業系一般廃棄物」と「産業廃棄物」の大きく2つに分けられます。これらを排出する際は原則としてどちらかに区別する必要があります。しかし、種類や場合によっては完全に事業系一廃と産廃を区別するのが難しいこともあります。そのため、必ずしも、少量でも産業廃棄物が混合している場合、事業系一般廃棄物として処理してもらえない訳ではなく、「あわせ産廃」というものがあります。

今回はこの「あわせ産廃」について解説していきます。


一般廃棄物と産業廃棄物の違いとは?

「あわせ産廃」の前に、まず一般廃棄物と産業廃棄物の違いについて解説していきます。廃棄物は基本的に「一般廃棄物」と「産業廃棄物」に分けられます。

産業廃棄物
事業活動にともなって生じた廃棄物のうち、法令で定められた以下の20種類を指します。事業活動とは、店舗・会社・工場など営利目的のものだけではなく、病院・学校・官公署・社会福祉施設・ボランティア活動団体など公共のサービス等の活動まで含みます。

産業廃棄物の20種類
1.燃えがら
2.汚泥
3.廃油
4.廃酸
5.廃アルカリ
6.廃プラスチック類
7.ゴムくず
8.金属くず
9.ガラス・コンクリート・陶磁器くず
10.鉱さい
11.がれき類
12.ばいじん
13.紙くず
14.木くず
15.繊維くず
16.動物系固形不要物
17.動植物系残さ
18.動物のふん尿
19.動物の死体
20.コンクリート固形化物など、上記の産業廃棄物を処分するために処理したもので、1~19に該当しないもの



1~12の項目についてはすべての事業者が対象で、13~19の項目については対象の業種が限定されます。なお、事業活動から排出されても産業廃棄物に該当しないものは、一般廃棄物に分類されます。

例:製紙会社=紙製品製造業から排出された紙くず⇒産業廃棄物
  商店や事業所などから排出された紙くず⇒事業系一般廃棄物



産業廃棄物は排出事業者が自ら処理することが原則で、自己処理ができない場合は産業廃棄物業者に収集・運搬および処理を委託します。産業廃棄物の収集 ・運搬を他人から委託を受けて行う場合は専門の許可を得る必要があるため、無許可の業者に委託してしまわないようにしましょう。


一般廃棄物
産業廃棄物以外のものを指し、ごみ、粗大ごみ、ふん尿に区分されます。そして、排出者により「家庭系一般廃棄物(家庭から排出された廃棄物)」と「事業系一般廃棄物(事業者が排出する産業廃棄物以外の廃棄物)」に分けられます。

一般廃棄物は原則として、区市町村が処理について責任を持ちますが、事業系一般廃棄物については「廃棄物及び清掃に関する法律(廃掃法)」で排出事業者が自らの責任で適正に処理することが義務付けられています。

事業系一般廃棄物は、基本的にごみ集積所やごみステーションへ出すことができません。自ら廃棄物処理施設に直接搬入するか、一般廃棄物処理業者に収集・運搬委託をして、廃棄物を適正に処理しなければなりません。

収集・処理を委託するとき、一般廃棄物処理業の許可を受けていない産業廃棄物処理事業者へ委託してしまうと違法となり、排出事業者も処罰の対象となりますので、注意しましょう。


「あわせ産廃」とは?

それでは「あわせ産廃」について見ていきましょう。

上記で解説してきたように、産業廃棄物に分類されるものは、一般廃棄物処理業者が収集運搬することはできないとされています。しかし、産業廃棄物を一般廃棄物とあわせて処理することを市区町村が認めている場合があり、これを「あわせ産廃」や「あわせ産廃処理」といいます。

このことについて廃棄物処理法にも記載があり、以下のように記されています。

第三章 産業廃棄物
第一節 産業廃棄物の処理
(事業者及び地方公共団体の処理)
第十一条 事業者は、その産業廃棄物を自ら処理しなければならない。
2 市町村は、単独に又は共同して、一般廃棄物とあわせて処理することができる産業廃棄物その他市町村が処理することが必要であると認める産業廃棄物の処理をその事務として行なうことができる。
3 都道府県は、産業廃棄物の適正な処理を確保するために都道府県が処理することが必要であると認める産業廃棄物の処理をその事務として行うことができる。



自治体によって受け入れ基準が違う?

自治体は例外的措置として、産業廃棄物を処理できる権利を持っています。しかし、注意しなければならないのは、決して市町村側に処理しなければならない義務が課せられているわけではないということ。

そのため処理を行っていない市町村もあり、またこれまでは受け入れていたものの処理を中止とした自治体もあります。自治体により「あわせ産廃」の受け入れ基準が異なるため注意が必要です。
「あわせ産廃」の受け入れ基準は主に市町村ホームページに記載されています。受け入れの依頼を検討している方は、あらかじめ確認するようにしましょう。

自治体の対応例
東京23区
23区では、中小企業対策も考慮して、以下の5品目に限り、事業系一般廃棄物とあわせて収集しています。ただし、あわせ産廃を出すことができるのは、区の収集を利用できる事業者に限ります。
①紙くず
②木くず
③ガラスくず及び陶磁器くず
④金属くず(廃油等の付着している物を除く)
⑤廃プラスチック(原則としてプラスチックの製造、加工業から排出されるものを除く)

なお、清掃工場等に直接持ち込む場合は、この5品目は産廃となり「あわせ産廃」にはならないことに注意してください。

熊本県熊本市
一部の産業廃棄物について、熊本市と契約を結ぶことでごみ処理施設に持ち込むことが可能です。
【環境工場に持ち込むことができる産業廃棄物】
汚泥(市の施設から排出されるものに限る。)
―廃プラスチック類:200キログラムまで
動植物性残さ:1トンまで
紙くず(建設業に係るもの。)、繊維くず(建設業に係るもの。):合計1トンまで

【扇田環境センターに持ち込むことができる産業廃棄物】
燃えがら(市の施設から排出されるものに限る。)
廃プラスチック類(環境工場で処理困難なものに限る。)、金属くず(他廃棄物と密着不可分なものに限る。)、ガラスくず及び陶磁器くず(廃石膏ボード及び水銀を含む廃蛍光管を除く。):合計1トンまで

※上記持ち込み可能な産業廃棄物でも以下のものは対象外です。
資源化できるもの
市の処理施設で処分が困難なもの
PCBが付着または封入されているもの
爆発などの危険性があるもの
医療関係機関から排出されるものについては、感染の恐れがあるもの
有害物質を含むもの
汚泥については、含水率85パーセント以上のもの
自動車等を破砕したもの(シュレッダーダスト)
水銀が付着または封入されているもの


いかがでしたでしょうか?
今回は「あわせ産廃」について解説してきました。
事業系一般廃棄物と産業廃棄物は、基本的に区別して排出、処理しなければなりませんが、自治体によってあわせて収集・処理を受け入れています。ただ、その受け入れ基準は自治体ごとに異なっており、「あわせ産廃」の受け入れを依頼する際などは、まず自治体に確認するようにしましょう。


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