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災害廃棄物とは?千葉豪雨、熊本地震から処理方法を解説

2026/08/21

地震や豪雨などの自然災害が発生すると、壊れた家具や家電、建物のがれき、土砂など、平常時とは異なる大量の廃棄物が短期間に発生します。

こうした廃棄物は「災害廃棄物」と呼ばれ、被災地域の復旧を進めるうえで、迅速かつ適正な処理が必要です。

2026年8月には、千葉豪雨と熊本地震の被災地で災害廃棄物の処理が本格化しました。家庭から出る災害ごみだけでなく、被災したオフィス、店舗、工場、倉庫などから発生する廃棄物への対応も課題になっています。

本記事では、災害廃棄物の意味や種類、処理の流れ、事業所から出た廃棄物の扱い、企業が平時から準備すべき対策を解説します。

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災害廃棄物とは

災害廃棄物とは、地震、津波、台風、豪雨、洪水などの自然災害によって発生した廃棄物です。

災害で直接壊れた家具や建物だけでなく、被災した住宅・事業所の片付けや、損壊した建物の解体・撤去に伴って発生する廃棄物も含まれます。

代表的な災害廃棄物は、次のとおりです。

  • 水に漬かった家具や畳
  • 冷蔵庫、テレビ、洗濯機などの家電
  • 木くず、金属くず、ガラス、コンクリート片
  • 損壊した住宅や建物から出たがれき類
  • 土砂や泥が付着した廃棄物
  • 使用できなくなった商品や資材
  • 倒木や木の枝
  • 廃油、薬品、消火器、ガスボンベ
  • 乾電池やリチウムイオン電池
  • アスベストやPCBを含む廃棄物

災害廃棄物は、通常の家庭ごみの収集だけでは対応できないほど大量に発生することがあります。そのため、自治体が一時的に廃棄物を集める「仮置き場」を設置し、分別・保管したうえで処理施設へ搬出します。

千葉豪雨で災害ごみの仮置き場を設置

2026年8月13日に千葉県を襲った記録的な豪雨では、多くの住宅で床上・床下浸水などの被害が発生しました。

被災地域では、水に漬かって使用できなくなった家具、家電、畳などが大量に排出されています。大きな冠水被害が発生した大網白里市などでは、災害廃棄物の仮置き場が設置され、被災した住民による持ち込みが進められました。

千葉県が8月18日に公表した情報によると、千葉市、茂原市、東金市、市原市、八千代市、八街市、大網白里市、長柄町で仮置き場が設置されています。

県は災害廃棄物の発生状況や仮置き場を確認し、市町村に対して、仮置き場の設置・運営や国の補助制度に関する助言を行っています。

参考:FNN「千葉豪雨から6日 各地で災害ごみの仮置き場設置」千葉県「令和8年8月千葉豪雨に対する取組について」

サービス紹介

熊本地震の災害廃棄物は最大100万トンと推計

2026年7月28日に発生した熊本地震の被災地でも、住宅や建物の片付けに伴う災害廃棄物の処理が進められています。

熊本県が8月20日に公表した推計によると、今回の地震で発生する災害廃棄物は約60万~100万トンに上る見込みです。

県は2027年12月までの処理完了を目標として、市町村への技術的支援、関係機関との連絡調整、処理の進捗管理、災害廃棄物の再資源化などを進める方針です。

一部の仮置き場では、開設当初に廃棄物を持ち込む車両による渋滞が発生しました。その後、廃棄物の分別、搬入ルートの周知、アプリを活用した混雑状況の発信などにより、混雑の緩和が進められています。

環境省も災害廃棄物処理支援ネットワーク「D.Waste-Net」や、災害廃棄物処理の経験を持つ自治体職員などを通じて、被災地の収集運搬や仮置き場運営を支援しています。

参考:熊本日日新聞「災害廃棄物、推計60万~100万トン」環境省「令和8年熊本地震について」

災害廃棄物を処理する流れ

災害廃棄物の処理方法や受け入れ条件は自治体によって異なりますが、一般的には次の流れで進められます。

1.安全を確保して被害状況を確認する

建物内へ立ち入る前に、倒壊、漏電、ガス漏れ、薬品の流出などの危険がないか確認します。

被害状況を証明するために写真が必要になる場合もあります。片付けや処分を始める前に、自治体や保険会社の案内を確認してください。


2.自治体の案内を確認する

災害ごみの収集方法、仮置き場の場所、受け入れ期間、対象品目は自治体ごとに定められます。

通常のごみ集積所へ出せるものと、仮置き場へ持ち込むものを分けている自治体もあります。自治体の案内を確認せずに搬出すると、受け入れてもらえない可能性があります。


3.廃棄物を種類ごとに分別する

家具、家電、畳、木くず、金属くず、ガラス、コンクリート片などを分別します。

リチウムイオン電池、ガスボンベ、消火器、廃油、薬品などは、火災や有害物質の流出につながる危険があるため、ほかの廃棄物と混ぜないことが重要です。


4.仮置き場または処理業者へ搬出する

家庭から出た災害ごみは、自治体が設置した仮置き場へ持ち込める場合があります。

一方、事業所から出た廃棄物は自治体の収集や仮置き場の対象にならないこともあります。対象外の場合は、廃棄物の種類を確認し、必要な許可を持つ処理業者へ依頼します。


5.選別・再資源化・最終処分を行う

仮置き場などに集められた廃棄物は、さらに細かく選別されます。

再利用できる木くず、金属、コンクリートなどは再資源化し、リサイクルできないものは焼却や最終処分を行います。

環境省の災害廃棄物対策指針でも、安全確保とともに、分別・選別・再生利用による廃棄物の減量化が求められています。

参考:環境省「災害廃棄物対策指針について」

災害廃棄物の分別が重要な理由

災害時には、多くの種類の廃棄物が同時に発生します。すべてを混合した状態で搬出すると、後から分別する作業が増え、処理の遅れや費用の増加につながります。

特に注意が必要なのが、電池、ガスボンベ、消火器、廃油、薬品などの危険物です。

リチウムイオン電池がほかの廃棄物に混入すると、収集車や処理施設で発火する可能性があります。廃油や薬品が漏れた場合は、土壌や水質への影響も考えられます。

損壊した建物の改修・解体では、アスベストを含む建材やPCBを使用した電気機器が見つかることもあります。自己判断で解体・移動せず、専門業者や自治体へ確認することが重要です。

事業所の災害ごみは自治体が収集しない場合もある

自治体が設置する災害廃棄物の仮置き場は、家庭から発生した廃棄物だけを対象としている場合があります。

例えば千葉県白井市では、浸水した家庭から出た家具・家電などを市が収集する一方、事業所から出た災害ごみは収集対象外としています。

熊本県益城町でも、事業所から発生した災害ごみを自治体の仮置き場へ持ち込むことはできないと案内しています。

参考:白井市「千葉豪雨に伴う災害廃棄物の収集について」益城町「熊本地震で発生した災害ごみの処理について」

事業所から出た廃棄物の扱いは、廃棄物の種類、発生状況、自治体の災害対応方針によって異なります。

自治体の収集対象外となる場合は、事業者が処理方法を確認し、適切な処理業者へ委託する必要があります。


事例紹介


被災した企業から発生する主な廃棄物

被災したオフィス、店舗、工場、倉庫からは、次のような廃棄物が発生します。

  • 机、椅子、棚、ロッカーなどの什器
  • パーティションやカーペット
  • パソコン、プリンターなどの電子機器
  • 冷蔵庫、エアコンなどの業務用設備
  • 水に漬かった商品や原材料
  • 廃プラスチック類、金属くず、ガラスくず
  • 油や薬品が付着した廃棄物
  • 蛍光灯、乾電池、リチウムイオン電池
  • 消火器やガスボンベ
  • アスベストを含む建材
  • PCBを使用した電気機器

廃棄物の種類や発生した状況によって、産業廃棄物または事業系一般廃棄物などに分類されます。

産業廃棄物として処理する場合は、許可業者との委託契約やマニフェストによる処理状況の管理が必要です。

複数の素材で構成された什器や設備、油・薬品が付着した廃棄物などは、処理方法の判断が難しくなります。分別方法が分からない場合は、自己判断で混合せず、処理業者へ確認してください。

企業が平時から準備すべき災害廃棄物対策

大規模な自然災害が発生すると、処理施設の停止や収集運搬車両の不足により、通常の廃棄物処理ルートが利用できなくなる場合があります。

企業では、平時から次の事項を確認しておくことが重要です。

  • 災害時に廃棄物を一時保管できる場所
  • 廃棄物処理業者の緊急連絡先
  • 什器・設備・危険物の分別方法
  • 廃油や薬品などの保管場所
  • 委託契約書やマニフェストの管理方法
  • 自治体の災害廃棄物処理計画
  • 仮置き場を利用できる対象者と対象品目

災害発生後に担当者が不在になる可能性も考え、廃棄物や危険物の保管状況、処理業者の連絡先を複数人で共有しておくことが大切です。

災害時の事業系廃棄物はエコ・ブレインへご相談ください

災害によって事業所から発生した廃棄物は、種類や発生状況によって処理方法が異なります。

エコ・ブレインでは、オフィス、店舗、工場、倉庫などから発生した廃棄物について、廃棄物の区分、分別・保管方法、適切な処理ルートをご案内しています。

次のような場合もご相談ください。

  • 自治体の仮置き場へ搬入できない
  • 廃棄物の種類が分からない
  • 什器や設備をまとめて処分したい
  • 早急に回収先を探したい

廃棄物の種類、発生量、所在地などを確認し、全国の協力ネットワークを活用しながら、状況に合った対応方法をご提案します。

エコ・ブレインへ相談する


災害廃棄物に関するよくある質問

事業所の廃棄物を自治体の仮置き場へ持ち込めますか?

事業所から出た廃棄物は、自治体の仮置き場へ持ち込めない場合があります。自治体ごとに条件が異なるため、搬出前に公式情報を確認してください。


災害で出た事業所のごみはすべて産業廃棄物ですか?

すべてが産業廃棄物になるとは限りません。廃棄物の種類や発生状況によって、産業廃棄物または事業系一般廃棄物などに分類されます。判断が難しい場合は、自治体や専門家へ確認してください。


複数種類の廃棄物が混ざっている場合はどうすればよいですか?

無理に解体せず、可能な範囲で種類ごとに分けて保管します。電池、ガスボンベ、廃油、薬品などの危険物は、ほかの廃棄物から分けてください。


まとめ

災害廃棄物とは、地震や豪雨などによって発生した家具、家電、建物のがれき、土砂などの廃棄物です。短期間に大量発生するため、仮置き場での分別や、自治体・処理業者による迅速な処理が必要になります。

家庭から出た災害ごみは自治体が収集する場合がありますが、事業所から出た廃棄物は対象外となることもあります。自治体の案内を確認し、対象外の場合は廃棄物の種類に応じた処理業者へ依頼します。

企業は災害に備えて、廃棄物の一時保管場所、分別方法、処理業者の連絡先を確認しておくことが重要です。廃棄物の区分や処理方法が分からない場合は、自己判断で搬出せず、専門家へ相談してください。

※本記事は2026年8月21日時点で公表されている情報に基づいています。被害状況や災害廃棄物の受け入れ条件は変更される場合があるため、最新情報は各自治体や関係機関の発表をご確認ください。

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[著者]

Y・T

名前: 鈴木 音葉 (Otoha Suzuki)
経歴:2019年にエコブレインに入社。以降5年間、広報部での経験を活かし、環境保護の重要性を広めるための活動に尽力している。特にデジタルマーケティングとコンテンツ制作に強みを持ち、多くの記事を執筆している。
趣味: 読書、ヨガ、カフェ巡り
特技: クリエイティブライティング、データ分析とマーケティング戦略立案

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