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フロン行程管理票とは?書き方・保存期間を解説

2026/07/23

フロン類を冷媒として使用する業務用エアコンや冷凍・冷蔵設備を撤去、廃棄する際は、機器の内部に残っているフロン類を適正に回収しなければなりません。

フロン類の回収依頼から完了確認までを関係者間で管理するために使用されるのが、一般に「フロン行程管理票」や「フロン回収行程管理票」と呼ばれる書類です。

行程管理票は、機器の所有者や管理者だけでなく、設備業者、解体業者、フロン回収業者、廃棄物処理業者などにも関係します。フロン類を実際に回収していても、必要な書面が交付、保存されていなければ、法令に沿って処理したことを確認できません。

この記事では、フロン行程管理票が必要になるケース、A~F票の役割、フロン回収を依頼する際の流れ、書き方、保存期間、産業廃棄物マニフェストとの違いまで分かりやすく解説します。

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フロン行程管理票とは

フロン行程管理票とは、第一種特定製品を廃棄する際に、フロン類の回収依頼から引取りまでの工程を確認するための書類です。

フロン類は目に見えないため、機器を撤去しただけでは、内部の冷媒が適正に回収されたか判断できません。そのため、機器の所有者や管理者が回収を依頼し、都道府県知事の登録を受けた第一種フロン類充塡回収業者が回収を行い、その結果を書面で証明する仕組みが設けられています。

実務では、回収依頼書、委託確認書、再委託承諾書、引取証明書などを複写式でまとめた書類が、フロン行程管理票として広く使用されています。

ただし、法律でA票からF票までの様式を使用することが直接定められているわけではありません。フロン排出抑制法で求められる事項を記載し、必要な書面を適切に交付、回付、保存することが重要です。

行程管理票が必要になる対象機器

行程管理制度の対象になるのは、フロン類を冷媒として使用する第一種特定製品です。

代表的な機器には、オフィス、店舗、工場、倉庫などで使用される業務用エアコン、業務用冷凍冷蔵庫、冷凍・冷蔵ショーケース、製氷機、チラーなどがあります。

業務用として製造された機器であっても、自然冷媒などを使用し、フロン類が充塡されていない製品は行程管理制度の対象になりません。機器の用途だけではなく、使用している冷媒の種類も確認する必要があります。

一方、家庭用エアコンや家庭用冷蔵庫は、主に家電リサイクル法に基づいて処分します。業務で使用している場合でも、家庭用として製造された製品であれば、第一種特定製品には該当しない場合があります。

一般的な自動車の乗員用エアコンも第一種特定製品ではなく、主に自動車リサイクル法の対象です。ただし、大型・小型特殊自動車や被牽引車のエアコン、冷凍冷蔵車の荷室用冷凍冷蔵ユニットは、第一種特定製品に該当する場合があります。

対象か判断できない場合は、機器の銘板、型式、取扱説明書、冷媒表示などを確認し、必要に応じてメーカーや専門業者へ問い合わせます。

フロン行程管理票が必要になるケース

第一種特定製品を設備更新、店舗閉鎖、原状回復、建物解体などに伴って撤去、廃棄する場合は、原則として機器を引き渡す前にフロン類を回収します。

産業廃棄物として処分する場合だけでなく、金属資源やスクラップとして有償または無償で引き渡す場合も、引渡し後に機器として使用されず、解体や資源回収が行われるのであれば、フロン類の回収が必要です。

一方、中古機器として売却し、引渡し後も製品として継続使用される場合は、通常の廃棄とは扱いが異なります。

ただし、契約上は中古品や有価物であっても、実際には解体や部品回収を目的としているケースがあります。契約書や伝票の名称だけではなく、引渡し後の用途まで確認することが重要です。


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行程管理で使用する主な書類

機器の所有者や管理者が、第一種フロン類充塡回収業者へ直接回収を依頼する場合は「回収依頼書」を交付します。

設備業者、解体業者、販売業者などを通じて回収を依頼する場合は「委託確認書」を交付します。依頼を受けてフロン類の引渡しを取り次ぐ事業者は、第一種フロン類引渡受託者となります。

引渡受託者が、さらに別の事業者へフロン類の引渡しを再委託する場合は、機器の所有者などである廃棄等実施者から承諾を得なければなりません。その際に使用されるのが「再委託承諾書」です。

フロン類の回収が完了すると、充塡回収業者から「引取証明書」が交付されます。引取証明書には、対象機器の種類や台数、機器の所在地、回収終了日、フロン類の種類別回収量、充塡回収業者の登録番号などが記載されます。

引取証明書は、フロン類が回収されたことを確認する重要な書類です。撤去した機器を廃棄物処理業者やリサイクル業者へ引き渡す際は、原則として引取証明書の写しを交付します。

A~F票はどのように使うのか

一般財団法人日本冷媒・環境保全機構が発行する複写式の行程管理票では、工程に応じてA~F票などを使用します。

A票は機器の所有者などである廃棄等実施者が記入、保存する票です。B票は、フロン類の引渡しを別の事業者へ再委託する際の承諾に使用します。

C票やD票は、設備業者や解体業者など、フロン類の引渡しを取り次ぐ事業者が使用します。E票はフロン類の回収完了を示す引取証明書に当たり、F票は充塡回収業者が保存する票です。

JRECOの推奨版は、主にA票、C票、E票、F票で構成され、B票とD票は含まれていません。引渡しを別の事業者へ再委託する場合は、B票やD票を含む汎用版を使用します。

すべての案件でA~F票を一律に使用するわけではありません。機器の所有者が直接回収を依頼するのか、設備業者や解体業者が間に入るのか、さらに再委託が行われるのかによって、必要な票が変わります。

工事や撤去を始める前に、誰が回収を依頼し、誰が書面を作成、交付、保存するのかを確認しておくことが重要です。

フロン回収を直接依頼する場合の流れ

機器の所有者などが充塡回収業者へ直接依頼する場合は、まず対象機器の種類、台数、設置場所を確認し、回収依頼書を交付します。

充塡回収業者は現場でフロン類を回収し、回収終了日やフロン類の種類別回収量などを記録します。回収完了後、廃棄等実施者へ引取証明書を交付します。

廃棄等実施者は、回収依頼書の写しと引取証明書を保存します。その後、引取証明書の写しを添えて、撤去した機器を廃棄物処理業者やリサイクル業者へ引き渡します。


事例紹介


設備業者や解体業者を介する場合

設備更新や建物解体では、機器の所有者が充塡回収業者へ直接依頼せず、設備業者や解体業者が手続きを取り次ぐことがあります。

この場合、廃棄等実施者は引渡受託者へ委託確認書を交付します。引渡受託者は委託確認書を充塡回収業者へ回付し、フロン類の回収を依頼します。

回収完了後、充塡回収業者は最終の引渡受託者へ引取証明書を交付し、機器の所有者などである廃棄等実施者には引取証明書の写しを送付します。

廃棄等実施者と引渡受託者は、それぞれ受け取った書面を保存します。関係者が増えるほど書類の所在が曖昧になりやすいため、「元請業者が持っているはず」と判断せず、自社が保存すべき書面を確認する必要があります。

行程管理票を書く際の注意点

行程管理票には、法令で求められる機器の種類、台数、所在、関係事業者の名称や住所、交付年月日などを正確に記載します。

同じ建物内に複数の機器が設置されている場合は、法定項目に加えて、階数、部屋名、メーカー、型式、製造番号、設備管理番号などを記載すると、対象機器を特定しやすくなります。

型式や製造番号などは、すべてが法令上の必須項目というわけではありません。ただし、後からどの機器を処理したか確認できるようにするため、可能な範囲で記録しておくことが有効です。

回収を依頼する際は、充塡回収業者の名称だけでなく、登録都道府県や登録番号も確認します。フロン類の回収は、作業場所の都道府県で登録を受けた事業者へ依頼する必要があります。

回収日、交付日、回収量などを後日まとめて記入すると、転記ミスや日付の取り違えが起こりやすくなります。現場で確認できる事項は、作業完了時に関係者間で確認することが重要です。

回収作業を行った結果、回収量がゼロだった場合も、空欄のままにせず、充塡回収業者が確認した結果を記録します。

行程管理票の保存期間

機器の所有者などである廃棄等実施者は、回収依頼書または委託確認書の写し、再委託承諾書の写し、引取証明書などを原則3年間保存します。

引渡受託者、充塡回収業者、機器を引き取った廃棄物処理業者やリサイクル業者にも、それぞれ保存すべき書面があります。

なお、充塡回収業者がF票を法令上の回収記録として使用する場合は、5年間の保存が必要です。

紙で管理する場合は、工事名、現場名、機器の設置場所、回収日などから書類を探せるよう、案件単位で整理します。現場で受け取った書類が事務所へ提出されず、紛失するケースもあるため、提出期限と保管責任者を決めておくことが重要です。

引取証明書が届かない場合

回収依頼書または委託確認書を交付してから30日以内に引取証明書やその写しが届かない場合は、都道府県知事への報告が必要です。

建物の解体工事に伴って委託確認書を交付した場合は、期限が90日以内となります。

書類が届いていない状態を放置せず、充塡回収業者や引渡受託者へ早めに確認します。引取証明書の記載事項に不足がある場合や、記載内容に虚偽の疑いがある場合も、管轄する都道府県へ相談する必要があります。

建物解体時は事前確認も必要

建物の全部または一部を解体する場合、特定解体工事元請業者は、建物内に第一種特定製品が設置されているか事前に確認します。

確認結果は書面で発注者へ説明し、発注者は書面を、元請業者はその写しを、それぞれ3年間保存します。

この事前確認に関する書面と、フロン行程管理票は目的が異なります。事前確認の書面は、解体する建物に対象機器が存在するかを確認するものです。行程管理票は、対象機器からフロン類を回収する工程を管理するものです。

事前確認が不十分なまま解体を始めると、フロン回収前に配管を切断したり、重機で機器を破損させたりするおそれがあります。対象機器の確認とフロン回収を、解体作業前の工程に組み込む必要があります。

フロン行程管理票とマニフェストの違い

フロン行程管理票は「フロン版のマニフェスト」と表現されることがありますが、産業廃棄物マニフェストとは異なる制度です。

フロン行程管理票は、機器内部のフロン類が適正に回収されたことを確認するための書類です。一方、産業廃棄物マニフェストは、処理を委託した産業廃棄物が適正に収集運搬、処分されたことを確認するために使用します。

業務用エアコンを撤去して産業廃棄物として処理する場合は、フロン類の回収に関する行程管理票と、撤去後の機器や廃材に関する産業廃棄物マニフェストの両方が必要になることがあります。

行程管理票を作成したからといって、産業廃棄物マニフェストが不要になるわけではありません。

RaMSによる電子管理も可能

フロン行程管理に必要な書類は、法令上の要件を満たす方法で電子的に作成、交付、保存できます。

JRECOが提供するRaMSでは、電子版の行程管理票を作成し、関係者間の回付、承諾、保存などをシステム上で行えます。電子的に適切に管理されている書類は、別途紙で保存する必要がありません。

紙の郵送や現場からの持ち帰りが減るため、複数拠点や関係者が多い案件では、紛失や交付の遅れを防ぎやすくなります。

ただし、電子化しても、対象機器の入力漏れや承認忘れが自動的になくなるわけではありません。入力担当者、確認者、処理期限、案件名の付け方など、社内の運用ルールを決めておくことが重要です。

フロン排出抑制法に違反した場合

フロン類を回収しないまま第一種特定製品を廃棄した場合や、フロン類が回収済みであることを確認できない機器を廃棄物処理業者などが引き取った場合は、50万円以下の罰金の対象となる可能性があります。

委託確認書などの法定書面を交付しない、必要事項を記載しない、引取証明書を保存しないといった違反も、内容に応じて罰則の対象となります。

また、フロン類をみだりに大気中へ放出した場合は、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象です。

行程管理票を作成することだけを目的にせず、対象機器の確認、回収依頼、回収完了の確認、機器の引渡し、書面保存までを一つの業務として管理する必要があります。

フロン行程管理票の要点

フロン行程管理票は、フロン類を冷媒として使用する業務用エアコンや冷凍冷蔵設備を廃棄する際に、回収依頼から完了確認までを管理するための書類です。

実務ではA~F票などの複写式書類が利用されていますが、すべての案件で同じ票を使用するわけではありません。機器の所有者が直接回収を依頼するのか、設備業者や解体業者が間に入るのか、再委託が行われるのかによって必要な書類が変わります。

フロン類の回収後は、引取証明書またはその写しを受領し、撤去した機器の引渡し時にも必要な書面を交付します。関係書類は原則3年間保存し、引取証明書が所定の期限内に届かない場合は、都道府県への報告が必要です。

フロン回収、機器撤去、産業廃棄物処理を別々に考えるのではなく、工事開始前から一連の工程として管理することが、法令違反や手続き漏れを防ぐポイントです。

業務用エアコンや冷凍冷蔵設備の処分はエコブレインへ

業務用エアコンや冷凍冷蔵設備を処分する際は、フロン類の回収手続きだけでなく、機器の撤去、搬出、収集運搬、産業廃棄物処理、マニフェスト管理など、複数の対応が必要になる場合があります。

特に、設備更新や店舗閉鎖、原状回復、建物解体に伴う処分では、関係する事業者や必要書類が増え、社内だけで進行を管理することが難しくなるケースもあります。

株式会社エコブレインでは、オフィス、店舗、工場、倉庫などから発生する業務用設備や産業廃棄物について、現場の状況や排出品目に合わせた回収・処分方法をご提案しています。

フロン類を使用する機器についても、必要な回収手続きや撤去後の処理方法を確認しながら、設備撤去から産業廃棄物処理まで一連の流れを整理します。複数拠点の設備更新や、原状回復に伴う廃棄物処理でお困りの際は、お気軽にご相談ください。

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株式会社エコブレインでは、オフィス、店舗、工場、倉庫などから発生する設備や産業廃棄物について、現場の状況に合わせた回収・処分方法をご提案しています。

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[著者]

Y・T

名前: 鈴木 音葉 (Otoha Suzuki)
経歴:2019年にエコブレインに入社。以降5年間、広報部での経験を活かし、環境保護の重要性を広めるための活動に尽力している。特にデジタルマーケティングとコンテンツ制作に強みを持ち、多くの記事を執筆している。
趣味: 読書、ヨガ、カフェ巡り
特技: クリエイティブライティング、データ分析とマーケティング戦略立案

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