廃棄物処理法改正法案が閣議決定|スクラップヤード規制と企業への影響を解説

2026年6月、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の一部を改正する法律」が成立・公布されました。今回の改正では、使用済みの金属・プラスチック物品を保管・再生する一定の事業に許可制度が導入されるほか、災害廃棄物を円滑に処理するための体制も強化されます。
特に重要なのは、廃棄物ではなく「有価物」として取引されてきた物品であっても、不適正な保管や再生によって生活環境に被害を及ぼすおそれがある場合、新しい規制の対象になり得る点です。
直接の対象は主にスクラップヤードなどの事業者ですが、使用済み設備や金属スクラップを売却する企業も、取引先や処理ルートを見直す必要があります。
エコブレインでは廃棄物処理からマニフェスト管理まで徹底的にサポートします!

2026年の廃棄物処理法等改正の要点
改正法は2026年4月10日に国会へ提出され、5月26日に衆議院、6月12日に参議院で可決されました。その後、6月19日に法律第43号として公布されています。
改正の柱は、スクラップヤードへの規制強化と災害廃棄物処理体制の強化です。
スクラップヤード関係の主要規定は、公布日から2年6か月以内に政令で定める日から施行されます。災害廃棄物に関する一部の規定は、公布日から3か月以内に施行される仕組みです。
なぜスクラップヤードへの規制が強化されるのか
使用済みの機械、電線、金属製品、プラスチック製品などには、資源として買い取り価格が付くものがあります。廃棄物ではなく有価物と判断された場合、原則として産業廃棄物処理業の許可やマニフェスト制度の対象にはなりません。
一方、一部のスクラップヤードでは、大量に積み上げられた金属やプラスチックによる騒音、悪臭、水質・土壌汚染、火災などが問題になっていました。
環境省が2025年度に自治体を対象として実施した調査では、全国で4,625の事業場が確認され、生活環境上の問題が発生した事例は275件とされています。
自治体が独自に条例を制定する動きもありましたが、地域によって規制内容が異なる状況でした。今回の改正では、全国共通の許可制度と管理基準を設け、不適正な保管・再生を防ぐことが目的とされています。

規制対象となる「使用済金属・プラスチック物品」とは
改正法では、「使用済金属・プラスチック物品」という区分が新設されました。
これは、使用を終了して収集された物品で、その全部または一部が金属またはプラスチックから成るものを指します。すでに廃棄物に該当するものや、放射性物質とそれによって汚染された物は除かれます。
このうち、不適正な譲渡目的の保管によって、人の健康や生活環境に被害を生じさせるおそれがあるものは「要適正保管使用済金属・プラスチック物品」とされます。
不適正な再生や再生前の保管によって同様の被害を生じさせるおそれがあるものは、「要適正再生使用済金属・プラスチック物品」とされます。
法律用語は長いものの、簡単にいえば、廃棄物ではない使用済み物品のうち、適正な保管・再生を求める必要があるものを新たに規制する制度です。
保管・再生事業に許可制度を導入
規制対象物品を譲渡するために保管する事業や、対象物品の再生・再生前の保管を行う事業には、原則として都道府県知事の許可が必要になります。
許可を受けた事業者には、保管・再生基準の遵守や帳簿の作成・保存などが求められます。基準違反や無許可営業があった場合には、行政による報告徴収、立入検査、改善命令、措置命令、事業停止、許可取消しなどの対象になります。
ただし、金属やプラスチックを扱うすべての事業者に許可が必要になるわけではありません。
事業場の敷地面積が政令で定める規模以下の場合や、適正かつ確実に保管・再生できる者として政令で定められる場合などは、許可対象から外れる可能性があります。
完成品の製造工程の一部として行う再生も、再生業の許可対象から除かれています。
対象物品、事業場の面積、設備や能力に関する具体的な基準は、今後の政令・省令で定められます。そのため、現時点で「金属スクラップを扱っているため必ず許可が必要」と判断することはできません。
有価物であれば問題ないとは限らない
今回の改正後も、有価物と廃棄物の区分がなくなるわけではありません。しかし、有価物に該当する使用済み物品でも、規制対象として指定され、一定規模以上の保管・再生事業を行う場合には、新しい許可制度が適用されます。
また、売買契約があることや買い取り価格が付くことだけで、必ず有価物になるわけではありません。
廃棄物に該当するかどうかは、物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無、占有者の意思などから、取引の実態を総合的に判断します。
実態として処分を目的とした引渡しであり、対象物が産業廃棄物に該当する場合は、従来どおり産業廃棄物処理業の許可、委託契約、マニフェストなどの規定に従う必要があります。
一般企業にはどのような影響があるのか
今回の改正によって、使用済み設備や金属スクラップを売却するすべての企業に、新たな許可取得義務やマニフェスト交付義務が課されるわけではありません。
ただし、売却先や引渡し先が、新制度による許可の対象になる可能性があります。
不適正な事業者へ物品を引き渡した場合、火災や環境汚染、事業停止などの問題が発生し、売却元企業の信用や安定した処理ルートにも影響する可能性があります。
企業は、買い取り価格だけで取引先を選ばず、相手方の許可、保管場所、再生方法、最終的な資源の行き先を確認することが重要です。
有価物として売却している品目と、産業廃棄物として処理している品目を整理し、契約書、計量票、入出荷記録、写真などを保存しておくことも、取引実態の説明に役立ちます。

特定有害廃棄物等の輸出にも確認制度
国内で収集された規制対象物品のうち、バーゼル法上の「特定有害廃棄物等」に該当するものについては、なるべく国内で適正に保管・再生することとされます。
これらを輸出する場合は、一定の基準を満たしていることについて環境大臣の確認を受ける必要があります。
すべての金属スクラップや使用済みプラスチックの輸出が確認対象になるわけではありません。規制対象物品のうち、特定有害廃棄物等に該当するものに限られます。
災害廃棄物の処理体制も強化
改正法では、令和6年能登半島地震などの教訓を踏まえ、災害廃棄物処理の備えも強化されます。
市町村が作成する一般廃棄物処理計画に、非常災害時の処理施策を盛り込む仕組みが設けられます。また、都道府県や市町村には、廃棄物処理事業者や他の自治体との協定締結に努めることが求められます。
さらに、一定の基準を満たす最終処分場を都道府県知事が「非常災害廃棄物最終処分場」として指定する制度や、国・中間貯蔵・環境安全事業株式会社による自治体への専門的支援も整備されます。
企業が今から確認しておきたいこと
スクラップヤードや再生事業を行う企業は、取り扱っている物品、保管目的、事業場の敷地面積、再生方法、設備、帳簿管理の状況を整理する必要があります。
使用済み設備などを売却する一般企業も、有価物と産業廃棄物の区分、取引先の事業内容、引渡し後の保管・再生ルートを確認することが重要です。
具体的な対象品目や許可基準が公表された段階で、自社や取引先が制度の対象になるかを改めて確認する必要があります。
廃棄物の法令対応・処理方法のご相談はエコブレインへ
廃棄物に該当するか、有価物として取り扱えるかの判断は、買い取り価格の有無だけでは決まりません。物品の状態や排出状況、取引内容、引渡し後の処理方法などを踏まえて、適切な対応を検討する必要があります。
株式会社エコブレインでは、オフィス・店舗・工場・倉庫などから発生する廃棄物について、品目の整理から処理方法、委託先、必要な契約やマニフェストの確認まで、適正処理に向けたサポートを行っています。
使用済み設備や金属くずなどについて、「有価物として売却できるのか」「産業廃棄物として処理する必要があるのか」「現在の委託先や処理ルートに問題がないか」といったご相談にも、排出状況や取引内容を確認したうえで対応します。
2026年の廃棄物処理法等改正では、対象物品や許可基準などの詳細が今後の政令・省令で定められます。制度改正への対応や廃棄物管理の見直しでお困りの際は、エコブレインへご相談ください。
廃棄物処理の法令サポート事例
■ご依頼内容
工場から出る金属くずや廃プラスチックについて、廃棄物と有価物の区分、委託先の許可、契約書、マニフェストに問題がないか確認してほしいとのご相談
【対応内容】
排出品目と処理ルートを確認し、必要な許可、委託契約書、マニフェストの管理方法をご案内しました。
期間 1~3日 費用 3~5万円
廃棄物の適正処理や法令対応は、株式会社エコブレインへご相談ください!
※実際の費用は、確認する品目や事業所数、契約内容によって異なります。
2026年廃棄物処理法等改正に関するよくある質問
改正法はいつから施行されますか?
スクラップヤード規制の主要部分は、2026年6月19日の公布から2年6か月以内に、政令で定める日から施行されます。対象品目や許可基準などの詳細は、今後公表される政令・省令を確認する必要があります。
金属スクラップを扱うすべての事業者に許可が必要ですか?
すべての事業者が対象になるわけではありません。対象物品、保管や再生の内容、事業場の敷地面積、既存の許可・認定などによって判断されます。
有価物を売却する企業にもマニフェストが必要ですか?
今回の改正により、有価物を売却するすべての企業にマニフェストが義務付けられるわけではありません。ただし、取引の実態から産業廃棄物に該当する場合は、従来どおりマニフェスト制度の対象になります。
一般企業は何を準備すればよいですか?
有価物と産業廃棄物の区分を整理し、取引先の許可、保管・再生方法、最終的な行き先を確認することが重要です。契約書や計量票など、取引実態を示す記録も残しておく必要があります。
まとめ
2026年の廃棄物処理法等改正では、廃棄物ではない使用済み金属・プラスチック物品についても、一定の保管・再生事業に許可制度が導入されます。
直接的な規制対象は主にスクラップヤードや再生事業者ですが、使用済み設備や金属スクラップを売却する企業にも関係します。
「買い取ってもらえるから問題ない」と判断せず、物品の状態、取引実態、売却先の許可、引渡し後の処理ルートまで確認することが重要です。
対象物品や許可基準などの詳細は今後の政令・省令で定められます。環境省や自治体の最新情報を確認しながら、自社の取引と管理体制を見直す必要があります。

エコ・ブレインでは、東京23区をはじめ東京都含めた関東圏はもちろん、埼玉県、神奈川県、千葉県、今まで築いてきた全国各地の協力ネットワークもフル活用し、北海道から沖縄まで日本全国が対応エリアとしています。
廃棄物の分別も弊社が行いますので、分別の仕方が分からないという方もご安心ください!
エコ・ブレインの対応地域例
[東京エリア]
中央区、千代田区、文京区、港区、新宿区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区、渋谷区、中野区、杉並区、練馬区、板橋区、豊島区、北区、台東区、墨田区、江東区、荒川区、足立区、葛飾区、江戸川区
八王子市、立川市、武蔵野市、三鷹市、青梅市、府中市、昭島市、調布市、町田市、小金井市、小平市、日野市、東村山市、国分寺市、国立市、福生市、狛江市、東大和市、清瀬市、東久留米市、武蔵村山市、多摩市、稲城市、羽村市、あきる野市、西東京市、西多摩郡、瑞穂町、日の出町、檜原村、奥多摩町
[埼玉エリア]
さいたま市(西区、北区、大宮区、見沼区、中央区、桜区、浦和区、南区、緑区、岩槻区)
川越市、熊谷市、川口市、行田市、秩父市、所沢市、飯能市、加須市、本庄市、東松山市、春日部市
狭山市、羽生市、鴻巣市、深谷市、上尾市、草加市、越谷市、蕨市、戸田市、入間市、朝霞市
志木市、和光市、新座市、桶川市、久喜市、北本市、八潮市、富士見市、三郷市、蓮田市
坂戸市、幸手市、鶴ヶ島市、日高市、吉川市、ふじみ野市、白岡市
[神奈川エリア]
横浜市(鶴見区、神奈川区、西区、中区、南区、保土ケ谷区、磯子区、金沢区、港北区、戸塚区、港南区、旭区、緑区、瀬谷区、栄区、泉区、青葉区、都筑区)
川崎市(川崎区、幸区、中原区、高津区、多摩区、宮前区、麻生区)
相模原市(緑区、中央区、南区)
横須賀市、平塚市、鎌倉市、藤沢市、小田原市、茅ヶ崎市、逗子市、三浦市、秦野市、厚木市
大和市、伊勢原市、海老名市、座間市、南足柄市、綾瀬市
[千葉エリア]
千葉市(中央区、花見川区、稲毛区、若葉区、美浜区、緑区)
銚子市、市川市、船橋市、館山市、木更津市、松戸市、野田市、茂原市、成田市、佐倉市
東金市、旭市、習志野市、柏市、勝浦市、市原市、流山市、八千代市、我孫子市、鴨川市
鎌ケ谷市、君津市、富津市、浦安市、四街道市、袖ケ浦市、八街市、印西市、白井市、富里市
南房総市、匝瑳市、香取市、山武市、いすみ市、大網白里市
その他上記以外の地域も駆けつけます!
ごみの処分など廃棄物関連にお困りの方、疑問がある方など、ぜひエコ・ブレインまでお問い合わせください!

[著者]

経歴:2019年にエコブレインに入社。以降5年間、広報部での経験を活かし、環境保護の重要性を広めるための活動に尽力している。特にデジタルマーケティングとコンテンツ制作に強みを持ち、多くの記事を執筆している。
趣味: 読書、ヨガ、カフェ巡り
特技: クリエイティブライティング、データ分析とマーケティング戦略立案











