日本のリサイクル率は何%?一般廃棄物と産業廃棄物の違いから現状を解説

日本は分別意識が高い国として知られていますが、「日本のリサイクル率はどのくらいなのか」と聞かれると、意外と正確に答えるのは難しいものです。環境省が公表した令和6年度の一般廃棄物処理実態調査によると、日本の一般廃棄物におけるリサイクル率は19.3%です。前年度の19.5%からわずかに低下しており、近年はおおむね19%台で横ばいに推移しています。
ただし、ここで注意したいのは、この19.3%という数字が「日本全体のリサイクル率」ではないという点です。この数値は、家庭ごみなどを中心とした一般廃棄物を対象としたものであり、工場や建設現場、事業活動から発生する産業廃棄物は別の統計で管理されています。日本の資源循環を正しく理解するためには、一般廃棄物と産業廃棄物を分けて考えることが重要です。

日本のリサイクル率19.3%は一般廃棄物の数値
環境省の一般廃棄物処理実態調査では、家庭から出るごみや、自治体が処理に関与する事業系一般廃棄物などを対象に、排出量や処理量、最終処分量、リサイクル率などを公表しています。令和6年度のごみ総排出量は3,811万トン、総資源化量は738万トン、リサイクル率は19.3%でした。
このリサイクル率は、分別収集された資源ごみや、中間処理後に再生利用されたもの、町内会や学校などによる集団回収量などをもとに算出されます。つまり、単に「回収された量」ではなく、実際に資源として利用された量が重視される指標です。
そのため、ペットボトルやプラスチック、古紙などを回収していても、汚れや異物混入によって再資源化できない部分が多ければ、リサイクル率には十分反映されません。日本のリサイクル率が19%台にとどまっている背景には、こうした処理後の実績を重視する算定方法も関係しています。
一般廃棄物と産業廃棄物の違い
一般廃棄物とは、主に家庭から出るごみや、事業活動から出るごみのうち産業廃棄物に該当しないものを指します。自治体が収集・処理に関わるケースが多く、私たちの生活に身近なごみが中心です。
一方、産業廃棄物は、事業活動に伴って発生する廃棄物のうち、法律で定められた20種類の廃棄物を指します。具体的には、建設現場から出るがれき類、工場から出る汚泥や廃油、金属くず、廃プラスチック類、木くずなどが該当します。
産業廃棄物は、排出した事業者に処理責任があり、一般廃棄物とは処理ルートも管理方法も異なります。また、金属くずやがれき類など、再資源化しやすい品目が多く含まれるため、一般廃棄物とはリサイクルや再生利用の見え方も大きく変わります。

産業廃棄物まで含めると見え方は変わる
「日本のリサイクル率は19%程度」とだけ表現すると、日本全体の資源循環が非常に低いように受け取られる可能性があります。しかし、実際にはこの数値は一般廃棄物に限ったものです。
産業廃棄物については、環境省が「再生利用量」「減量化量」「最終処分量」といった指標で処理状況を公表しています。令和5年度実績では、産業廃棄物の排出量3億6,725万トンに対し、再生利用量は2億79万トンで、割合は54.7%となっています。また、焼却や脱水などによる減量化量は42.9%、最終処分量は2.4%です。
このように、産業廃棄物では半分以上が再生利用され、さらに多くが減量化処理されています。したがって、日本の資源循環を語る際には、一般廃棄物のリサイクル率だけでなく、産業廃棄物の再生利用や減量化の状況もあわせて見る必要があります。
ただし、産業廃棄物では「リサイクル率」という言葉よりも、「再生利用率」や「再生利用量」という表現が使われることが多いため、一般廃棄物のリサイクル率と単純に比較するのは避けるべきです。
日本のリサイクル率が低く見える理由
日本の一般廃棄物のリサイクル率が19%台にとどまっている理由の一つは、焼却処理を中心としたごみ処理体系にあります。日本は国土が狭く、最終処分場の確保が難しいため、焼却によってごみの体積を減らし、埋立量を抑える仕組みが発達してきました。
令和6年度の一般廃棄物統計でも、直接埋立率は0.8%と低く、焼却などによる減量処理率は99.2%となっています。これは、日本が埋立に大きく依存せず、ごみを減量化して処理してきたことを示しています。
一方で、焼却による熱利用や発電は、一般的なリサイクル率には含まれません。そのため、焼却施設でエネルギー回収を行っていても、リサイクル率の数字が大きく上がるわけではありません。リサイクル率だけを見ると低く感じられても、最終処分量の少なさや衛生的な処理体制という別の面もあわせて評価する必要があります。
海外との比較で注意すべきこと
欧州諸国では、日本より高いリサイクル率が公表されることがあります。EU平均でも40%台の数値が示されることがあり、一部の国では60%を超えるケースもあります。
しかし、海外と日本のリサイクル率を比較する際には、算定方法や対象範囲の違いに注意が必要です。国によっては、有機性ごみの堆肥化やバイオガス化が広く普及しており、その分がリサイクル率を押し上げています。また、どの段階の処理量をリサイクルとして数えるかによっても数値は変わります。
日本では、中間処理後に実際に再生利用された量を重視するため、異物や汚れによって資源化できなかった部分はリサイクル率に反映されにくくなります。そのため、単純に「日本は低い」「海外は高い」と比較するのではなく、対象となる廃棄物の種類、算定方法、焼却や堆肥化の扱いまで確認することが大切です。

品目ごとに異なるリサイクルのしやすさ
リサイクルは、品目によって難易度が大きく異なります。アルミ缶やスチール缶、金属くずなどは素材としての価値が高く、比較的再利用しやすい品目です。建設現場から発生するコンクリートがらやアスファルトがらも、再生砕石や再生アスファルト合材などとして利用されることがあります。
一方で、家庭から出るプラスチックごみや食品容器は、素材が複数組み合わされていたり、汚れが付着していたりするため、再資源化が難しい場合があります。古紙も、新聞紙や段ボールはリサイクルしやすい一方で、油汚れのある紙や特殊加工紙は資源化に向かないことがあります。
つまり、リサイクル率を上げるには、単に分別量を増やすだけでは不十分です。回収されたものが資源として使える品質を保っているか、再生材としての需要があるか、処理施設や回収ルートが整っているかといった条件も重要になります。
リサイクル率向上に必要な取り組み
日本のリサイクル率や資源循環を高めるためには、3Rの考え方が欠かせません。3Rとは、Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)のことで、優先順位としては、まずごみを出さないこと、次に繰り返し使うこと、最後に資源として再利用することが基本です。
家庭でできる取り組みとしては、過剰包装の商品を避ける、詰め替え製品を選ぶ、使えるものは修理や再利用を検討する、自治体の分別ルールに沿って正しく排出することが挙げられます。ペットボトルのキャップやラベルを外す、容器の汚れを軽く落とす、古紙を濡らさずに出すといった行動も、資源化の品質向上につながります。
事業者にとっては、廃棄物の分別管理を徹底し、許可を持つ処理業者へ適切に委託することが重要です。特に産業廃棄物では、排出事業者責任のもとで、マニフェスト管理や処理委託契約などを適正に行う必要があります。資源化できる廃棄物を正しく分けることは、処理コストの削減や環境負荷の低減にもつながります。
産業廃棄物の回収・処分ならエコ・ブレインへ
この記事でご紹介したように、一般廃棄物と産業廃棄物では処理方法や管理ルールが大きく異なります。特に企業から排出される産業廃棄物は、排出事業者責任に基づき適正な処理が求められるため、信頼できる専門業者への依頼が重要です。
株式会社エコ・ブレインでは、オフィス・店舗・工場・倉庫などから発生する産業廃棄物の回収・処分をはじめ、収集運搬から中間処理、リサイクルまでワンストップで対応しています。廃プラスチック類や金属くず、木くず、がれき類など幅広い品目に対応し、マニフェストの発行や法令に基づく適正処理もサポートいたします。
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まとめ
日本のリサイクル率を考える際には、まず「どの廃棄物を対象にした数値なのか」を確認することが重要です。環境省が公表した令和6年度の一般廃棄物のリサイクル率は19.3%ですが、これは家庭ごみなどを中心とした一般廃棄物に限った数値であり、日本全体のリサイクル率をそのまま示すものではありません。
一方で、産業廃棄物では令和5年度実績で再生利用量の割合が54.7%となっており、一般廃棄物とは大きく異なる状況があります。産業廃棄物は、金属くずやがれき類など資源化しやすい品目が多く、排出事業者責任のもとで管理されるため、家庭ごみとは別の視点で捉える必要があります。
日本の資源循環を正しく理解するには、一般廃棄物のリサイクル率だけでなく、産業廃棄物の再生利用、焼却による減量化、最終処分量の少なさなども総合的に見ることが大切です。
今後は、家庭や事業所での分別精度を高めるだけでなく、製品設計の見直し、再生材の活用、有機性ごみの資源化、産業廃棄物の適正処理と再資源化の推進が求められます。数字だけにとらわれず、廃棄物の種類や処理の仕組みを理解することが、持続可能な循環型社会への第一歩となるでしょう。

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[著者]

経歴:2019年にエコブレインに入社。以降5年間、広報部での経験を活かし、環境保護の重要性を広めるための活動に尽力している。特にデジタルマーケティングとコンテンツ制作に強みを持ち、多くの記事を執筆している。
趣味: 読書、ヨガ、カフェ巡り
特技: クリエイティブライティング、データ分析とマーケティング戦略立案











