建設残土の問題とは?不適切な処分のリスクと企業が取り組むべき対策

建設工事や解体工事で発生する土砂は、適切に利用すれば資源になります。一方、搬出先の確認や管理が不十分だと、不適切な埋め立てや土砂災害につながるおそれがあります。
建設残土の問題を防ぐには、土の性状を把握し、関係する法制度と搬出先を確認することが重要です。本記事では、株式会社エコ・ブレインが廃棄物管理を支援する立場から、建設残土をめぐる課題と企業が取り組むべき対策を解説します。
建設現場の廃棄物管理に困ったらエコ・ブレインへ
建設工事や解体工事で発生する廃棄物は、種類や性状によって、適切な処理方法や必要な手続きが異なります。
株式会社エコ・ブレインでは、廃棄物の種類、排出場所、数量などを確認し、分別や委託先、処理費用、書類管理のお悩みに対応しています。
建設現場で発生する廃棄物の分別や管理方法にお困りの場合は、エコ・ブレインへご相談ください。
建設残土とは?産業廃棄物との違い
建設残土とは、一般に建設工事の掘削などで生じる土砂を指す言葉です。国土交通省は、建設工事から搬出される土砂を「建設発生土」とし、廃棄物処理法に規定する廃棄物には該当しないと整理しています。一方、建設工事で発生する建設汚泥は、産業廃棄物に該当します。
ただし、現場で「残土」と呼んでいても、すべて同じ扱いになるわけではありません。がれきや木くずが混じる場合や、泥状の掘削物が発生する場合には、性状や発生工程を踏まえた判断が必要です。建設汚泥に土砂を混ぜても、通常の土砂として扱うことはできません。
呼び名や見た目だけで判断せず、何が、どの工程で発生したのかを整理しましょう。

建設残土が引き起こす3つの問題
1.不適切な盛土による崩落・土砂流出
地盤や排水への配慮が不十分なまま土砂を積み上げると、大雨などをきっかけに崩落や流出が起こるおそれがあります。
2021年7月に静岡県熱海市で発生した土石流災害は、危険な盛土への規制を見直す契機となりました。受け入れ先では、搬入量だけでなく、地形や排水設備、周辺の住宅への影響を踏まえた安全管理が欠かせません。
搬出する側も、受け入れ先の所在地や利用目的を確認し、不適切な場所への搬入を防ぐことが大切です。
2.搬出先が見えにくくなる管理上の問題
建設残土が運搬業者や一時保管場所を経由すると、最終的にどこで利用されたのかを把握しにくくなる場合があります。引き渡し時の伝票だけでは、その後の移動まで確認できないこともあるでしょう。
この課題に対し、国は建設発生土の搬出先計画制度を強化し、ストックヤード運営事業者登録制度を設けています。
企業も、運搬の手配と併せて、搬出先の確認方法や受領書の回収担当を決めておく必要があります。
3.追加費用や企業の信用への影響
土の性状や受け入れ条件の共有が不十分だと、搬入を断られ、再運搬や分別などの費用が発生する可能性があります。搬出先の変更によって工期に影響することも考えられます。
また、不適切な処分への関与が疑われれば、事実確認や取引先への説明が必要になるおそれもあります。見積もりは単価だけで比較せず、運搬、分析、保管、書類管理などの費用を含む範囲をそろえて確認しましょう。
建設残土に関係する法律・規制
盛土規制法と一時的な土石の堆積
2023年5月26日に施行された盛土規制法では、宅地・農地・森林などの用途を問わず、指定された規制区域内で行う一定規模以上の盛土等が規制対象になります。土石の一時的な堆積も対象に含まれます。
ただし、公共施設用地で行う工事などの適用除外や、工事に付随する一定条件の一時的な堆積など、許可不要となる場合もあります。
「一時的に置くだけだから」と自己判断せず、区域の指定、規模、工事の内容に応じた許可・届出の必要性を自治体に確認しましょう。自治体の土砂条例などが関係する場合もあるため、搬出元と搬出先の双方で手続きを確認することが大切です。
搬出先計画制度の対象と必要な管理
建設発生土を500㎥以上搬出する工事では、資源有効利用促進法に基づく再生資源利用促進計画の作成が必要です。対象となる元請業者等は、搬出先の適正確認や、受領書と計画内容の照合などを行います。受領書の写しや計画の実施状況等は、工事完成後5年間の保存が必要です。
搬出先の名称だけを記載して終わらせず、必要な許可等があるか、計画どおりに搬出されたかまで確認しましょう。
登録ストックヤードを利用する場合
ストックヤードとは、建設発生土などを一時的に保管する場所です。国に登録されたストックヤードへ搬出する場合、元請業者による、その先の最終搬出先までの確認は不要となり、登録ストックヤード運営事業者が確認を担います。
ただし、元請業者による搬出先の適正確認や受領書の確認などまで不要になるわけではありません。依頼前に登録状況と管理の役割分担を確認しましょう。

建設残土の問題を防ぐために企業ができること
発生量と土の状態を工事前に把握する
発生が見込まれる土量、土質、異物の混入、搬出時期を整理します。土地の利用履歴や受け入れ条件などに応じて、土壌分析等の必要性も確認しましょう。
写真や想定数量などを共有しておけば、見積もり時と搬出時の条件の食い違いを防ぎやすくなります。
搬出先と業者の対応範囲を確認する
受け入れ先の所在地、利用目的、受け入れ可能な土の条件、必要な許可等を確認します。一時保管を挟む場合は、その後の搬出先を誰が確認するのかも明らかにしましょう。
産業廃棄物に該当するものを委託処理する場合は、委託先の許可品目や対応区域なども確認し、対象物に合った手配を進めます。
搬出から受け入れまでの記録を残す
搬出日、数量、運搬業者、搬出先、受領書などを現場ごとに整理します。数量の単位や計測方法をそろえると、見積もり、伝票、請求書を照合しやすくなります。
搬出先を変更するときは、変更理由や確認内容を記録し、計画の変更など必要な対応を行いましょう。
発生抑制と適切な再利用を検討する
設計や施工計画の段階で、現場内利用や他工事での利用を検討することも有効です。ただし、用途に合った品質や安全性が前提となります。
受け入れ先の必要量、工期、保管条件、運搬距離を確認し、無理のない利用計画を立てましょう。廃棄物に該当するものを「再利用する土」と呼び替えるだけでは、適正な処理にはなりません。
建設残土にマニフェストは必要?
廃棄物に該当しない建設発生土には、産業廃棄物のマニフェストの交付は不要です。ただし、搬出先の確認や記録まで不要になるわけではありません。
また、要措置区域や形質変更時要届出区域から汚染土壌を区域外へ搬出し、その運搬又は処理を他人に委託する場合には、土壌汚染対策法に基づく管理票の交付が必要です。
土砂の搬出記録、産業廃棄物のマニフェスト、汚染土壌の管理票を区別し、対象物と適用制度に応じて管理しましょう。
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建設工事や解体工事で発生する廃棄物は、種類や性状によって、適切な処理方法や必要な手続きが異なります。
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まとめ|建設残土の問題を防ぐには適切な管理が重要
建設残土の問題は、崩落や土砂流出だけでなく、搬出先の不透明化、追加費用、企業の信用にも関わります。企業は次の3点を押さえることが大切です。
- 土砂と産業廃棄物を区分し、性状に合った取扱いを確認する
- 搬出先の利用目的や受け入れ条件、必要な許可・届出を確認する
- 搬出から受け入れまでの記録を残し、関係者で共有する
工事の計画段階から発生量と搬出方法を整理し、安全性と適正な管理を踏まえて、再利用や費用の見直しを進めましょう。

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